【投稿広場】感動*いい話カテゴリ総合

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  • ルシ

    キラキラしてる

    退職した元同僚(女)が、赤ちゃんを抱いて挨拶に来た時のこと。

    先輩が幼児に近づくと必ず、泣かれてしまう。

    俺に代わると初めてあったにもかかわらず、笑ってくれる。

    そして俺の目線をつかんで離さない・

    試しに手を静かに振ると、半開きの手で返してくれる・・

    わが子の様子に敏感な母親は、不思議がる。

    この差ってなんだろうか?

    先輩は、不動明王が大好きで

    俺は、いい年して、悪魔とかUMAが好きだ。

    それにしても・・

    幼児の眼はキラキラして、いつまで見続けても飽きない。

    宇宙が広がってるみたいで吸い込まれそうになる

    いや

    あの世から来たばかりからか??

    そうだとしたら、俺は?

    何に見えるのだろか?(さすがに聞くわけにいかないが)

    ブサイクかキモならブサ系なんだが。

    笑ってくれるということは・・・

    なんなんでしょうね?

    先輩はそそまま、お不動さんと思うが・・・

     
  • 匿名

    初投稿で文章もつたないですが、よければ聞いてください
    あれは自分が高校生のころでした
    帰宅するためバスを降り、自転車置き場を見てみると白い犬がいました、が、認識したその瞬間消えたのです。
    もともと霊感があったので、今までの経験を元に
    『自分についてきちゃったか』ぐらいの認識でした。

    とはいえこのままにはいかないので、天国的な場所に行ってもらえるよう大体は説得してしかるべきところに送るのがいつものパターンだったのですが
    自分「えーと」
    犬 「ワン(キラキラした目)」
    自分「うん、遊びたいね?そうゆうことじゃなくて(頭もふもふ)」
    犬 「ハッハッハッ(前足立ちして見つめてる)」
    自分 「あのね、わかってるみたいだから言うけどこにいちゃ・・・話聞け(もふもふナデエ)」
    犬 「ワン(キラキラした目)」

    諦めました。だって犬だし、犬語わかんないし。初動物霊だし。

    どないしろゆーねん。

    で一週間ぐらいほっといてみた。幽霊だからエサいらないし、吠えないしとってもいい子でした。
    ただ足に絡んでくるのがすごくて、歩いている時も足に絡んでくるから階段とかうっかり踏まないようにするのが大変でしたが。

    一週間後、今の状況を友人aに話してみたところ
    「今度お祓いに行く」
    との話があり、大丈夫と核心したので一緒に連れていってもらうことにしました。
    とはいえaについていってもらうには話し合いをしないといけませんでした

    自分 「今度そこのaがお祓いしに行くそうだから、連れていってもらって、ちゃんと成仏しなさい」
    犬(うるうるな目)
    自分 「ごめんね、自分じゃこれ以上のことは出来ないみたいだから本職の人にあげてもらってね」

    そうするとわかってくれたのか、歩きはじめましたが途中でこちらを振り向き、少し立ち止まった後aのもとに行きました。

    数日後、aがいたので挨拶しようとしましたが変なのです
    私は知り合いの気を把握しているのですが、その日のaは無に近いというかあまりにも歪に曲がってしまっていて、目でaだとわかってるのに、これはaではないと思えてしまうぐらいにおかしなことになっていました。
    思わず「a?」と疑問系で挨拶をするぐらいでした。

    原因を探ってみるとあのワンコが尻尾ふって、嬉しそうにおすわりしてました。

    一瞬「えー!なんで」と思ったのですが、よく見てみるとワンコが輝いており、なによりもさまよってる幽霊にある気が抜けてるのを見て

    ああ、会いに来てくれたんだ
    と思いました。

    その後しばらく一緒でしたが、きずいたら居なくなってました。今は転生して元気にやっていてほしいです。

    後日談
    ワンコだとわかった後、a(なんとなく霊がいるとわかる)に話を聞いてみた。
    a「お祓いが終わった後に、外に出て腕を伸ばしていたら背中に衝撃があって体が重くなった」

    どうやら超特急で天国に行って戻ってきたらしい。
    友人え・・・
    あの後aの気も元に戻りました。

     
  • 匿名

    この話しは、俺が20年位前に体験した実話だ。

    俺は当時、浅草で人力車を引いていた。

    しかし、元々ここら辺が地元ではなかったので、浅草の地理には疎かった。
    それでも親方からは、仕事をしながら覚えていけば良いと言われ
    乗りと勢いで人力車を走らせた。
    今思うと、かなり適当な車夫だったと思う。

    そんな俺が車夫を始めて一週間程経った頃の事だ。

    その日、50歳位の酔ったオッサンを乗せた。
    オッサンは元々は浅草が地元だったそうだ。
    今は遠くに住んでおり、浅草は随分久しぶりだと話していた。

    俺はオッサンの指示に従いながら浅草近辺を人力車で走った。
    オッサンは浅草を随分と懐かしがっていたが、同時に昔と比べ
    様変わりしてしまった浅草を寂しく思っているようでもあった。

    俺の記憶違いで無ければ花川戸の辺りを走っていた時だったと思う。
    突然霧が出てきたんだ。
    季節は6月の下旬でその日は雨上がりだった。
    霧は進めば進む程に濃霧となっていった。
    それは有り得ない程の濃霧となった。
    1メートル先も見通しが利かない程の濃霧だ。
    浅草でこのよう事は異常だ。

    異常なのはそれだけでは無かった。
    空の景色がもっと異常だった。
    空が赤と紫の混じった異様な色となっていった。
    しかも赤と紫が混じり合いながら巨大な渦を巻き始めていた。

    まるで天変地異が起こったかと思わせる景観であった。

    俺とオッサンはビビった。

    それでも人力車を走らせた。
    すると、段々と霧が薄くなっていった。

    前方もだいぶ見通しが利くようになって俺は驚いた。

    さっきまでマンションなど沢山あったのに、
    突然、平屋の家ばかりが建ち並ぶ景観となっていた。
    しかも、先程までは舗装された道路を走っていたのに、
    今走っているのは、土埃が舞う未舗装の道となっていた。

    更に見渡すと、建ち並ぶ平屋が有り得ない程ボロいのに気付いた。
    全て木造の家。
    まるで、明日のジョーに出て来るドヤ街みたいな感じ。
    しかも、あれ程沢山目に付いた自動販売機がひとつも見当たらない。
    もう少し先に進むと、見た事の無い変な車が路肩に停まっていた。
    後で調べて解ったが、あの車はフジキャビンと言う名の車だった。

    人力車に乗ってるオッサンに目を向けると驚愕していた。
    「信じられん、こんな馬鹿な」と呟いていた。

    俺は構わず先に進んだ。
    すると、少し広い場所に出た。
    何人か人がいたが、皆ホームレスのように汚なかった。

    そいつらも俺達を見て驚いていた。
    しかも、段々と人が集まり俺達の周りに群がって来た。

    突然オッサンが「お前、少しここで待っててくれ。すぐ戻るから。」
    そう言って慌ててどこかへ行ってしまった。

    仕方が無いので、俺はタバコを吸いながら待つ事にした。

    それにしても、この周りを取り囲み集まって来た連中は
    とても異様であった。

    皆、異様に汚なく、何故か俺に異常なまでの警戒心を抱いているようで、
    遠巻きに取り囲むだけで近づいて来なかった。
    俺はヤバイ所に来てしまったと悔やんだ。

    暫くすると1人の男が、意を決したかのように俺に話しかけて来た。
    「おっ お前は何しに来たんだ?」
    俺はそいつに答えた。
    「見ての通り、俺は人力車に客を乗せて言われるままに来たんだよ。」
    そいつは「それに俺も乗っけてくれ」と言って来た。

    何か異様な雰囲気だったし、少しなら良いかと思って乗っけた。
    そしたら、そいつのハシャギ方が半端じゃなかった。
    それを見て、周りの連中も警戒心を解き一気に群がって来た。
    まるで芸能人にファンが群がって来るよう感じ。
    俺も乗せろ、俺も乗せろと大騒ぎ。

    正直、怖くなった。
    何で人力車がそこまで珍しいのか解らんかった。

    そいつらのテンションが半端じゃなく、
    人力車が壊されそうな勢いだった。

    「これはヤバイ」
    俺はそいつらを追い払う事にした。

    そしたら最初に話しかけて来た奴が
    「何だお前、どけっ」
    そう叫んで俺に襲いきって来た。

    これはやるしかない。
    俺は格闘技をかじっていたので、
    カウンターでボディに思いっきり蹴りをぶちこんだ。

    そいつは敢えなくダウン。
    ブチキレた俺は「ぶち殺してやるっ」と叫びながら、
    倒れたそいつを泣き叫ぶのも構わず蹴りまくった。
    周りの群衆は、ブチキレた俺にビビって皆逃げて行った。

    そしたら突然背後から「乱暴は止めなさいっ」
    若い女性の大きな声がした。

    後ろを振り返ると、魔法使いサリーちゃんに登場する、
    よし子ちゃんを思わせる、おさげヘアーの若い女性が立っていた。
    「あなた、殺してやるなんて、何て恐ろしい事を言うのですか」
    俺はその娘に言った。
    「あんたは見ていなかったけど、こいつが突然俺に襲いかかって来たんだ」
    その娘は
    「だからと言って、泣き叫んでいる人をあんなにまで痛めつけるなんて酷すぎますっ」
    そして、その娘は悲しみに満ちた表情で俺に言った。
    「ここに住んでいる人達は本当に可哀想な人達なのよ」
    俺は言った。
    「大体ここは一体何なんだ?こんなスラム街、平成の時代にまだあるのか?」
    「まるで何十年も昔の昭和の街並みじゃないか。」
    そしたらその娘が、
    「平成?何ですかそれは?」
    「今は昭和ですよ。あなたは何を言ってるの?」
    俺は衝撃を受けた。
    「お前こそ一体何を言ってるんだ。」
    「今は平成だろう、頭がおかしいのか?」
    俺の言葉を受けその娘は、
    「頭がおかしい?あなたはさっきから何を言ってるのですか?」
    「それはあなたでしょう。」
    俺は混乱した。
    もう訳が解らん。

    そしたらオッサンが戻って来た。

    オッサンが「この騒ぎは一体何なんだ?」
    と尋ねてきたので、今までの経緯を一通り話した。

    その後、オッサンがお下げヘアのよし子ちゃんに目を向けた。
    オッサンの表情が見る見る変わっていった。
    驚愕に満ちた表情だった。

    そしてオッサンはその娘に、
    「こいつが皆さんに迷惑をかけて大変申し訳ありません」
    「どうか赦してやって下さい。」
    俺は腑に落ちなかったのでオッサンに言った。
    「何で俺が悪いんだ?ふざけんなよ。」
    オッサンは小声で
    「頼むからあの娘に謝ってくれないか。」
    「あの娘は本当に優しい娘なんだよ。頼む、この場は謝ってくれ。」
    オッサンが目に涙を溜めて頼んで来るので仕方無く謝った。

    そしたら、さっき蹴飛ばした奴と周りで遠巻きに見てた連中が、
    「そんな奴は赦すな。みんなでやっちまえ」と騒ぎ始めた。

    これはマズイ事になったと思って見てたら
    お下げのよし子ちゃんが一喝。
    「お止めなさいっ」
    「どうして仲良く出来ないのですか?」
    「お願いですからみんなで仲直りして下さい。」

    そしたら皆が驚く程素直に従った。

    俺は内心思った。
    やるな、よし子ちゃん。
    よし子ちゃんは、ここら辺の連中からリスペクトされているようであった。

    よし子ちゃんは俺を見て言った。
    「どうかお願いです、あの人達を赦してあげて下さい。」
    「本当は皆さん、とても良い人達なんです。」
    「どうかお願いします。」
    彼女は目に涙を溜めて俺にお願いして来た。

    俺は「解ったよ。別に気にしてないから。」と彼女に言った。

    何だか女に泣かれると妙に落ち着かない。

    タバコも切らして口が寂しくなったので、
    ポケットに入っていたクロレッツガムを取り出して口に入れた。

    そんな俺を珍しそうに見つめる少年がいた。
    小学校3年か4年位の丸坊主の男の子だ。

    俺は「何だ坊主、何見てんだ?ガム食べるか?」
    そう言ってガムを差しだした。

    少年はとても嬉しそうに頷いた。
    その子は俺のあげたクロレッツガムを口に入れて噛み始めた。
    その途端、もの凄くビックリした顔をして両手で口を押さえた。

    「坊主、どうかしたのか?」

    そしたらその子が、
    「口の中が凄く変な感じする。」
    「口がヒリヒリする」
    そう言って、ガムを自分の手の平に吐き出した。

    俺は「お前、クロレッツ食べた事無いのか?」
    少年は無言で頷いた。

    俺は珍しいなと思い、少し驚いて言った。
    「お前、ミント系のガムは食べた事無いのか。」
    「もう少し我慢して噛んでみろ。甘くなって食べやすくなるから。」

    少年は頷いて、手の平に吐き出したクロレッツガムをもう一度口に入れた。

    噛んでくうちに、段々とスーパーミントの刺激が薄れ甘味が増して来たのか、
    美味しい美味しいと一生懸命噛んでいた。

    オッサンの方を見ると、目を剥いて少年を仰視していた。
    オッサンの様子が余りにも変なので、
    「オッサン、この子知ってるの?」と訊いてみた。
    するとオッサンは、ため息混じりに深く頷いた。

    そして俺に有り得ない事を言った。
    「あの子どもは俺だよ」

    「ハァ? それ、どういう意味?」
    俺はオッサンの言った事が全く理解出来なかった。

    オッサンは、
    「信じられんと思うが、あの子は幼い頃の俺なんだよ。」

    俺はもう帰りたいと思った。
    どいつもこいつも頭がおかしい。
    皆イカれてる。

    それにオッサンを乗せてから時間も大分経っているはずだと思い、
    腕時計に目をやると
    3時5分で停まっていた。
    「何だよ、電池切れかよ」
    オッサンに
    「今、何時か分かる?」
    するとオッサンは
    「ありゃ、3時過ぎで停まってるよ」
    オッサンの時計を見ると3時5分で停まっていた。
    何だか偶然とは思えない。

    とにかく、もう戻らなくてはと思いオッサンに、
    「もう2時間位は経っているはずだから戻るよ」
    オッサンはとても寂しそうな表情で、
    「そうかぁ、少し待っててくれないか。」
    そう言って少年の方へ歩み寄り、
    「坊主、いいかぁ、お父さん、お母さんを大切にするんだよ。」
    オッサンは涙目で少年の両肩を掴み、呟やくようにゆっくりと言った。
    少年はキョトンとしながら、黙って頷いた。

    俺はオッサンに、
    「早く乗ってくれ、もう行くよ。」
    オッサンを乗せてから、お下げヘアのよし子ちゃんに、
    「今日はお騒がせして悪かったな。」
    「また、遊びに来るよ。」
    俺は別れの挨拶を済ませると、人力車を元来た道へと走らせた。

    少し走らせると、また霧が出て来た。
    さっきと同じように段々と濃霧になっていった。
    空を見ると赤と紫の大きな渦を巻いていた。
    構わず進むと段々と霧が薄くなっていき、
    見通しの利く場所まで出ると、
    いつの間にか舗装された道路を走っていた。
    空もいつも通りの青空になっていた。
    街並みも、マンションや店が建ち並ぶいつもの雰囲気。
    自動販売機も当たり前にある。
    何だかホッとした。
    何気に腕時計を見ると、秒針が動き始めていた。
    オッサンの腕時計も動き始めた。

    俺はオッサンに向かって、
    「今時あんな汚い街並みが在るなんて信じられ無いよ。」
    「まるで、明日のジョーや巨人の星に出て来るバラック小屋の街だよ。」

    するとオッサンは語気を強めて言った。
    「あそこに住んでいた人達はな、必死になって生きていたんだよ。」
    「馬鹿にしたような言い方をするんじゃない。」
    オッサンは目に涙浮かべながら、
    怒りと悲しみに満ちた表情で俺を見据えていた。

    さすがに俺もマズイ事を言ったと思い謝った。
    それと、オッサンに気になる事があったので質問した。
    「あの、お下げヘアの娘はオッサンの知り合い?」

    するとオッサンは、
    「俺が小さい頃、よく可愛がって貰ったんだよ。」

    俺は、
    「ハァ??? 意味が解らん? それ、どういう事?」

    オッサンは、
    「きっと、これ以上話しても信じて貰えんよ。」
    「だから、もう話さない。」
    俺も訳が解らんから、よし子ちゃんの事はそれ以上訊かなかった。

    俺は、もう一つ気になる事があった。
    「オッサンそう言えば、さっき何処に行ってたの?」

    オッサンは、
    「親父とお袋を見て来たんだよ。懐かしかったなぁ。」
    「本当は話しもしたかったんだけどなぁ。」
    俺は、
    「ご両親と話さなかったの? 何で?」
    オッサンは、
    「俺が息子だなんて言っても、信じてなんか貰えんよ。」

    俺はオッサンの言う事が全く理解出来なかったけど、
    「よく解らんけどさ、親御さんが浅草に居るんなら、また遊びに来ればいいよ。」

    するとオッサンは、
    「親父もお袋も随分前に死んじゃったよ。」

    俺はビックリして言った。
    「何言ってんだよ。さっき見て来たって言ったじゃん。」

    オッサンは満足そうに言った。
    「信じろと言う方が無理だよなぁ。」
    「それにしても、夢のような出来事だったなぁ。」

    オッサンは続けて、ゆっくりと話した。
    「俺な、大きな病気してな、物凄く落ち込んでたんだ。」
    「やけになってな、毎日酒飲んでた。」
    「けどな、今は心がな、喜びで満たされてるんだよ。」
    「もう、いつ死んでもな、悔いはないよ。」

    そしてオッサンは俺に、
    「さっきお前が食べてたガム、あれ、一つくれないか?」

    俺はオッサンに、クロレッツガムを一つあげた。

    オッサンは嬉しそうに口に入れ、両手で口を押さえながら、
    「これだっ この味だよ、懐かしいなぁ。」
    「あの時、このガムをくれたのお前だったんだなぁ。」
    「まさか、あの時、俺も居たなんて思わなかったなぁ。」

    オッサンは、またしても訳の解らん事を言っていたが、
    気にするのを辞め、雷門へ向けて走った。

    雷門に到着したのでオッサンを降ろした。

    俺はオッサンに、
    「オッサン、また機会があったら浅草へ遊びに来なよ。」
    「俺はいつでも雷門の前に居るからさ。」

    しかしオッサンは、
    「俺はもう、ここには来れ無いと思う。」
    「今日は本当に、本当にありがとうな。」
    そう言って涙目で握手をして来た。

    そしてオッサンは、
    「身体は大切にするんだぞ。いつまでも元気でな。」
    そう言って帰って行った。
    オッサンとはその後、一度も会って無い。

    俺は、さっきまで停まっていた腕時計が気になった。

    正しい時間に針を合わせたいと思ったので、
    人力車の同僚に、
    「さっき腕時計が停まっちゃってさ、正しい時間に合わせたいんだ。」
    「今、何時かな?」

    そしたら、その同僚は、
    「今は3:30だよ。」

    俺の時計を見ると3:30になっていた。
    「あれっ!どうなってるんだ?」
    間違い無く2時間以上は走っていたのに、時間が余り進んでいなかった。

    俺は疲れているんだな。
    そう思って、その日は早めに家に帰って寝た。

    後日、俺はもう一度、あのバラック小屋の街へ行こうと思った。
    何となく、お下げヘアのよし子ちゃんが気になったからだ。

    この間、騒がせてしまったお詫びに、
    飯でも連れて行ってあげようと思った。

    それに、彼女の本名も聴いてもなかったし、
    あの街の事も含めて、色々と聴いて見たかったんだ。

    しかし、いくら探しても、あの街は見つからなかった。

    それから10年以上の月日が経った頃だ。
    俺は人力車の仕事を、随分前に辞めていた。
    その頃は営業の仕事に就いていた。

    当時は読書にはまっており、
    暇さえあば図書館に行って、ジャンルを問わず、
    ノンフィクションの本を読み漁っていた

    その日も俺はノンフィクションの本棚を手当たり次第漁っていた。
    そして、何気に取った本を数ページめくった。
    めくったページに写真が写っていたので、
    何の写真か見てみた。

    俺は今までの人生の中でも、かって無い程の衝撃を受けた。

    その写真に写って居るのは何と、
    あの、お下げヘアのよし子ちゃんだった。
    絶対に間違いない。

    これは一体どういう事だ?

    本の題名は、俺の記憶違いで無ければ、
    『蟻の街のマリア 北原怜子の生涯』

    よし子ちゃんの本名は北原怜子と言う名前だった。
    驚いた事に、彼女は1958年に若くして他界していたのだ。

    俺は混乱した。
    どうなってるんだ?
    彼女は、俺が生まれる前に他界していたからだ。

    彼女は有名な、キリスト教のクリスチャンだったそうだ。

    彼女は1950年代の浅草にあった、
    蟻の街と呼ばれた貧民街で、
    イエス、キリストの愛を伝える為、
    自ら貧民街に住み、
    そこに住む貧しい人達の為に、
    自ら奉仕をしていたそうだ。

    全ての謎が解けた。

    信じ難い事だが、
    あの時俺はオッサンを乗せて、1950年代の浅草へと時空を越えて、
    人力車を走らせたんだ。

    あれから色々考えた。

    何故、俺とオッサンは人力車で時空を越えたのか。

    ここからは、あくまで俺の仮説だ。
    オッサンに原因があったのではないか?

    オッサンは大きな病気をして、やけになり、
    毎日酒を飲んでたと話していた。

    つまりオッサンは、不治の病にかかり、
    自分の死期が近いと感じていた。

    オッサンは死ぬ前に、死んだ両親に会いたいと、
    毎日強く想っていたのでは無いか。

    そんなオッサンの強い想いが浅草でスパークした。
    そして、信じられない奇跡が起こった。

    俺をも巻き込み人力車ごと、
    時空を越えて懐かしい両親のもとへと行ってしまった。

    ここまで書いた事は、正真正銘の事実だ。
    誰にも話した事は無いけどね。

    俺は、オッサンが今頃天国で、
    自分の両親や北原さん、そして、
    キリストと一緒に幸せに過ごしている事を、
    切に願ってるんだ。

     
  • 匿名

    錦織圭!感動をありがとう!!
    決勝も頑張って!!

     
  • 兄の弟

    たまには兄シリーズ以外のお話を…

    これは去年の事。

    私は胆嚢炎(胆石)を患ってしまい入院する事になってしまいました。

    入院事態は何度か経験してるのですが…

    胆石が結構デカイらしく、
    一度胆石が出来ると癖になるみたいで…
    胆嚢という臓器を取り出してしまう手術…
    胆嚢摘出手術を受けないとダメになってしまいました…

    手術事態初めてで、
    色々医師や看護師さんから説明をされました…
    胆嚢摘出手術事態は珍しい手術ではないらしくて…
    手術が失敗する確率はほぼ無いと言われ。
    かなり安心したのを覚えてます。

    入院の期間は一週間位の予定で、初日と二日目で検査、その検査で問題なければ、三日目で手術…
    手術後問題無ければ、4〜5日で退院出来るという話でした…

    入院をする前に何度か通院して検査をしていたので、
    初日と二日目は簡単な検査しかなく…
    やる事がなくてほとんどベッドの上で携帯をいじくっていたような気がします…

    毎日嫁が見舞いに来てくれましたが…
    毎日顔合わせてるしそんなに話す事も無いので、
    用を済ますと直ぐに帰ってしまいました…

    友人や会社の同僚等も見舞いに来てくれるのですが…
    私を見舞いにくるって感じじゃなくて、病院に遊びに来るって感じで(笑)
    看護師さんにチョッカイ出したりして怒られてたような気がします(笑)

    私が入院したのは3階、外科の四人部屋(大部屋)で…
    私以外は結構年配者だったし…
    ちょっと人見知りもあり(笑)
    あまり話もしませんでした。

    そして…
    入院した初日、消灯時間(9時)になってもいきなり眠れる訳がなく…

    私は財布と携帯を持って1階にある自販機のある所まで暇つぶしに行きました…

    自販機でジュースを買い、近くの椅子に座り、辺りを見ると、
    1階に緊急外来があるので、そこには人がいるのですが…
    他の所は人影がありません…

    私はジュースを飲みながら携帯をいじくっていると …
    何処から来たのか…ガラガラと音をたてて歩行器を押しながら歩いてる少年が私の前を横切って行きました…

    なんか妙に気になったのですが…
    別に声をかける理由も無いし、何て声をかけていいのか分からないので黙ってその少年を見ていました…
    少年は辺りをウロウロしてそのままエレベーターに乗って行ってしまいました。
    多分私と一緒で眠れないのかな?と思いながら、何故か妙に気になりました…

    入院二日目…
    その日も朝から簡単な検査をして、検査の結果、問題がなかったので、手術の準備で個室に移動になりました…
    術後色々な機械が付けられるので…
    個室の方が良いという理由でした…
    その日の夜から食事制限があり…
    夜9時から何も食べてはいけない事になりました…
    水分も余りとってはダメで…
    軽く水を飲む位は許されていました…

    3日目…
    朝から点滴をされ…
    手術の時間を待っていました…
    その日は嫁が仕事を休み、朝からずっと付いていてくれて…
    何故か私より緊張してたみたいです(笑)

    そして手術は無事終え…
    問題なく手術は成功…
    術後トイレに行けなくなるので尿管に管を入れられるのですが…
    上手く入ってなかったみたいで、炎症が起きており、
    麻酔から覚めた時…
    凄くチ〇コが痛くて(笑)
    看護師さんに向かってチン〇痛いを連呼してました(笑)

    4日目
    その日の内に、体に付けている機械は全部外されました…
    尿管の管も外され自分でトイレに行き、小便をしてたのですが…
    炎症が起きてたせいか小便をする度にチ〇コに激痛が走りました(泣)
    2日位で治まりましたけど…小便タイムは地獄でしたね(泣)

    そして機械が外れれば大部屋に戻される予定だったのですが…
    私持病を持っていまして…
    その持病が発病してしまい…
    足首に激痛が走り…歩く事が出来なくなったのです…

    歩けるようになるまで大部屋に移動する事は無理という事になり、ずっと個室に入院する事になりました…
    トイレは病室から出たら目の前だったので、なんとか自力でトイレ位は行けたのですが…
    後は寝たきりでした…

    そして…
    足首が痛くなってから4日目…
    大分痛みが和らぎ、自力で手すり等を使って大分歩けるようになってきたので…

    私はまた消灯時間になると1階まで暇つぶしに行くようになりました…

    また自販機でジュースを買い、
    近くの椅子に座り、
    辺りを見回します…
    相変わらず緊急外来の方には人がいるのですが…
    その他の所には人影がありません…

    私はジュースを飲みながら携帯をいじくっていると…
    また何処から来たのか分からないのですが…
    ガラガラと歩行器を押しながら少年が歩いてきたのです…

    するとその少年が私の前に来ると…
    いきなり、
    眠れないのですか?と声をかけてきたのです…
    ちょっとビックリして顔を上げると…
    少年が笑顔でこちらを見ていました…

    少年「前もここにいましたよね?」

    私「うん、眠れなくてね…
    君は?」

    少年「僕も眠れなくて、毎日こうやって歩いてるんです…
    リハビリにもなりますし」

    私「そうなんだ…歩行器使ってるって事は足の病気か怪我で入院してるの?」

    少年「違います…別の病気なんですけど、合併症で足が上手く動かせないんです」

    私「そうなんだ…大変だね」

    その後私は暇だった事もあり、その少年と色々話をしました…
    少年も暇だったみたいで夢中で私に話をしてきます…

    少年の話によるともう5年位この病院に入院してるらしく…
    内臓系の病気を患っていて、たまにしか家に帰れないみたいでした。
    家は田舎の方にあり、農家をやっているそうです、

    何かあったら困るから、父親が家に残り農業をやって、母親が病院の近くにアパートを借りてパートで働きながら、たまに見舞いに来て、少年の身の回りの事をやってくれてるみたいでした。

    大変だなぁ〜と思いながら、話を聞いていたのですが、何か病気の話だとちょっと辛いので、
    私は他の話に換えました、
    色々な話をしたのですが…
    少年の名前、年齢、自分の事、世間話等、
    色々話したのですが…特に食べ物の話、甘い物の話に興味を持ったらしく…

    私が何処のケーキが美味しいとか…
    何処のプリンが美味しいとか…
    そんな話をしたら、
    少年は食べてみたいと言って夢中になって話を聞いていました…

    少年の母親は見舞いにくるのですが…
    車を持っていないらしく…行動範囲が決まっている為、持ってくる物も大体決まっていて…
    いつも同じ物ばかりだと言って、ちょっと不貞腐れていました(笑)

    私はちょっと可哀想になり、思わず…

    私「じゃあ今度何か買って持って行ってあげようか?」

    少年「え?いいんですか?」

    私「全然いいよ、だから部屋番号教えて」

    少年「部屋はちょっとマズイです、看護師さんに怒られます」

    私「??」

    少年「あんまり見舞いの人は入れちゃダメなんです」

    私「え?じゃあ、こうやって病室から出てくるのもダメなんじゃないの?」

    少年「だから消灯時間になったら看護師さんにバレないように出て来るんですよ」

    私「う〜ん?そうなんだ…
    なんか謎だけど…解ったよ(笑)
    じゃあ、俺明日、嫁さんが見舞いに来たらケーキとプリン頼んで買って来てもらうから、ここで渡そうか?
    向こうに休憩室みたいのあるから、そこで食べたら良いじゃないの?」

    少年「いいんですか?」

    私「かまわんけど、でもそんなに身体の調子悪いんなら、食事制限とかあるんじゃないの?」

    少年「脂っこい肉とかは禁止されてるけど…ケーキとかは大丈夫です」

    私「本当に?卵とか使ってるからコレステロールだっけ?ヤバイんじゃないの?」

    少年「大丈夫です…この前お母さんが買ってきてくれたケーキは普通に食べたし、看護師さんも、食べても大丈夫って言ってました」

    私「そうなんだ、じゃあ嫁さんに頼んでみるわ」

    少年「ありがとうございます」

    私はふと時計を見ました…
    するとかなり時間が経っています…

    私「ヤバイもうこんな時間、君も病室に戻らないと看護師さんにバレたらヤバイんじゃないの?」

    少年「そうですね、じゃあ戻ります」

    少年はそう言ってまた歩行器を押しながらエレベーターに乗って行ってしまいました。

    私も部屋に戻る為…
    別のエレベーターで3階に上がり…
    自分の病室を目指しました。

    3階はエレベーターから出ると、目の前にナースステーションがあります。
    そしてそのナースステーションの両側に廊下があり、
    その廊下を進むとナースステーションの奥に病室があります…
    私の病室はナースステーションの右側の廊下側でした…

    ナースステーションの横を抜けると右側に病室が並んでいて、
    左側にトイレや洗面所、入院患者の寝間着やベッドに敷くマットレスや布団等が入れてある倉庫のような部屋がありました…

    私の部屋の並びは全て個室になっていて、
    全て入院患者が入っていました…
    そして私の病室はナースステーションから見て奥から3番目にありました…

    私はナースステーションの横を抜けると部屋に戻らずに、まずトイレに行きました…
    小便をして部屋に戻ろうとしたのですが…
    ナースステーションから見て1番奥の部屋、
    私の部屋の2つ隣の部屋の様子がちょっとオカシイ事に気付きました…

    見ると扉が開いていて中のカーテン(部屋の中を見えなくする為のカーテンです)が廊下にヒラヒラ出ていたのです…
    普通消灯時間を過ぎると皆さん、入口の扉を閉めるし、扉が開いていても、窓でも開いてなければカーテンが廊下に出てくる事もありません…

    私は不思議に思い少し見ていました…
    すると、部屋の中から黒いゴミみたいな物が廊下に出てきたのです…
    良く見るとゴミというか、灰というか…
    そんな感じの物が部屋の中から勢いよく廊下に出ていました…

    私は何だろうと思い近づこうとした時に、倉庫の方から看護師さんがやってきました…

    私はちょっと様子がオカシイので看護師さん呼びました…

    ですが…
    看護師を呼んでまた奥の部屋を見てみると…
    奥の部屋の扉は閉まっていて…黒い灰のような物も見えなくなっていました…

    看護師さんが近づいてきて、
    どうしました?
    と声をかけられたのですが…
    すいません何でもありません…
    って言う事しか出来なくて(笑)
    看護師さんは変な顔をしてました(笑)

    私はオカシイなぁ?錯覚でも見たのかな?と思い、部屋に戻りなんか落ち着かなかったのですがそのまま寝ました…

    次の日…
    嫁さんが出勤する前に病室にやってきて私の着替えを持ってきていました…
    予定より長く入院する事になったので、それの分でした…

    私は半分寝ていたのですが、
    少年との約束を思い出し、起き上がり嫁に…

    私「あのさ、お願いがあるんだけど」

    嫁「何?」

    私「〇〇(店の名前)のケーキとプリンが食いたいんだよね」

    嫁「は?もう少しで退院出来そうなんだから、退院してからでいいぢゃん?」

    私「いや、急に食べたくなってさw」

    嫁「別にいいけど…じゃあ仕事の帰りに買ってきてあげる」

    私「頼むよ」

    私は少年の事は言えませんでした…
    言ったら買ってきて貰えないような気がしたからです…

    てゆーか普通は、昨日会って話したばかりの人に普通は買いませんよね(笑)
    でも、なんか同情の念があったのかもしれませんが、何故か私はどうしてもあの少年にケーキとプリンを買ってあげたかったのです…

    嫁はいそいそと私の汚れた着替えをカバンに詰め込み…
    仕事に遅れるからもう行くね、と言って病室から出て行きました…

    私は何をするでもなく、ベッドの上でゴロゴロして過ごしました…
    すると昼頃でしょうか?

    廊下の方から
    「お世話になってます〜、〇〇堂で〜す」
    という声が聞こえました…
    そして私の病室から出てナースステーションの反対側の廊下、黒い灰を見た病室のある方から、何か話合ってる声が聞こえてきました…

    〇〇堂とは地元の葬儀屋さんの名前です…
    最初は病院で葬儀屋の名前を聞くのはなんかいやだなぁ〜って思ったのですが…

    葬儀屋がこんな病棟に何の用なのかな?
    営業ならわざわざ病棟の方には来ないし…
    第一こんなナースステーションから離れた所で死人等でないだろw
    と思ったのです。

    昔からヤバイ人はナースステーションの近くの部屋に入院させられると聞いていたので…
    私がいる病室はナースステーションからかなり離れた位置にあったのです…

    だから葬儀屋の名前を聞いても、あんまり気にしませんでした…

    そして夕方…
    丁度夕食の時間に嫁は仕事を終え病室にやってきました…

    手には約束通り、ケーキの箱を持っていました…
    私はそれを受け取り、そのまま冷蔵庫にしまいました…

    嫁「あと何か用事ない?」

    私「別にないかな、ケーキありがとね」

    嫁「いいんだけど、用事ないなら帰るよ、仕事で疲れちゃったから」

    そう言って嫁は直ぐ帰ってしまいました…

    夕食を終わらすと…
    後はやる事はありません…
    消灯時間近くまで携帯をいじくり、後は寝る用意で歯を磨いたり、用を足したり…
    そんな感じです…

    そして消灯時間になり、
    いきなり病室を抜け出すと看護師さんに見つかるので、10時半位までベッドの中にいました…
    いつも病室を抜け出すのは11時位だったので…
    それまで携帯をいじくって時間をつぶしたのです…

    そして10時半になったので、冷蔵庫からケーキの箱を取り出し、看護師さんにバレないように…ナースステーションから離れてるエレベーターで1階に向かいました…

    1階に降りるといつもの自販機の所に向かいます…
    自販機の所まで行くと、もう少年の姿がありました…

    私「今日は早いね」

    少年「なんか落ち着かなくて」

    そう言って私の手に持っている箱をじっと見ていました…

    そしてここで食べさせる訳にも行かないので…
    休憩室みたいな部屋に2人で行きました…
    相変わらず少年は歩きづらそうに歩行器を使って歩いています…

    休憩室に入り少年は歩行器から離れ、椅子に座り、
    私が差し出した箱を開け始めました…

    中にはケーキが一個とプリンが一個入っていてスプーンとフォークが一個ずつ入っています…

    少年は私の顔をジッと見てきました…

    私「両方共食べていいよ」

    少年「いいんですか!?」

    少年は凄い嬉しいそうな顔をして…
    美味しいですを連呼しながら笑顔で食べていました…

    私は近くの自販機に行きジュースを買って少年に渡しました…

    少年はありがとうございますと言ってジュースを飲みあっという間に2つ共食べてしまいました…
    そしてちょっと落ち着いたのか色々な話をしてきたのです…

    少年は、この先ずっとこの病院で過ごさないといけないとか…
    もう家族は見舞いに来ないかもしれないとか…

    なんかちょっと変な事を言ってくるなぁと思ったのですが…
    余り病状がよくないからナーバスになってんのかな?
    って思ったのです…
    ですが、至って真面目な顔で話すので…
    私は何のアドバイスをしてあげる事も出来ずに、ただ少年の話を聞いてあげる事しか出来ませんでした…

    それから小一時間位話をして私と少年は部屋に戻る事にしました…
    少年は別れ際、私が退院するまで消灯時間になったら、ここで話相手になってほしいと言ってきたのです…
    私は快くいいよって言ってあげると…
    少年は笑顔で病室に戻って行きました…

    私もそのまま部屋に戻り寝てしまいました…

    次の日…
    ほぼ普通に歩けるようになってきていました…
    とりあえずしばらく風呂に入っていなかったので、シャワーを浴びたく、看護師さんにシャワー室を使っていいか聞きました、

    看護師さんからは別に問題ないから大丈夫だよと言われ、
    風呂道具を持ってシャワー室に向かったのです。

    シャワー室は部屋から出ると右側の1番奥、あの黒い灰が出てた病室の迎え側にありました…

    私はシャワー室に向かうと何気なしにあの黒い灰が出てた病室を見ました。
    すると…
    そこは空き部屋になっていました…

    最初は退院してったのかな?
    って思ったのですが…
    なんとなく気になりシャワーを浴びながら色々考えてたのです。

    あの黒い灰を見たのは、
    夜中、私が1階で少年と会話して戻ってきた時…
    その時はまだ病室は使われていて名札がかかっていました…

    そして次の日の昼頃
    〇〇堂という葬儀屋がやってきました…
    そして次の日の朝、今ですね、
    空き部屋になっている…
    もしかして、あの黒い灰が出てた病室の人は亡くなったのかな?

    いや多分それはないだろ…
    だって黒い灰が出てた病室は、
    ナースステーションから1番離れてる部屋、すなわち1番大丈夫な患者がいる部屋じゃないのか?

    私はシャワーを浴びながらそんな事をずっと考えていました…
    でも考え過ぎかなとも思ってみたり…

    そして部屋に戻ると看護師さんがやってきて、
    今日の先生の診察で退院する日が決まると言って出て行ったのです…

    その後診察になり、私は2日後に退院出来る事になりました。

    そしてその晩、
    その事をあの少年に伝えたのです…
    一瞬凄い残念そうな顔したのですが…
    笑顔で良かったですねって言ってくれました…

    その日も小一時間位会話をして解散しました。

    明日が少年と会うのも最後になります…
    それを考えるとちょっと寂しい気持ちになりました。

    次の日…
    明日退院出来るとあって必要の無い物はまとめて、嫁が見舞いに来た時に持って帰ってもらいました…

    あとは身の回りの細かい物だけ残して、
    退院の日を待ったのです…
    結局退院までずっと個室にいる事が出来ました(笑)

    そして最後の晩、
    いつも通り消灯時間になると病室を抜け出し1階に向かいました…

    そしていつものように少年と小一時間位会話をしました。
    そして多分会うのか今日で最後になるねと伝えると、
    凄い複雑な顔になったのです…

    私は退院しても君が良ければたまに見舞いに来てあげるよと伝えると…
    あれほど拒んでた部屋番号をあっさり教えてくれました…

    私は…
    私「見舞いに来ても面会謝絶なら会えないんじゃない?」

    少年「ちょっと位なら大丈夫だよ」

    私「…そっか…分かったよ、じゃあ今度ケーキでも買って見舞いに来てあげるよ」

    少年「うん、ありがとう」

    そう言って
    別れの挨拶をして部屋に戻ろうとすると少年が…

    少年「あの…気をつけて…この病院…最後の日が1番ツライから」

    私「?どういう意味?」

    そう言って振り返ると、少年はかなり離れた所を歩行器を押しながら歩いていました…

    私は一瞬、いつの間にあそこまで歩いたんだろ?
    と思ったのですが…
    追いかけてさっきの意味を聞くのもなんとなく嫌で…
    そのまま自分の病室に戻りました…

    ベッドに入るとあっという間に寝てしまいました…

    すると夜中ふと目があいたのです…
    なんか自分の部屋の中がザワザワと人の気配があります…

    確認しようと体を起こそうとしたのですが…
    金縛りにあい体が動きません…

    すると周りから色々な声が聞こえ始めました…
    最初は何を言ってるのか解らなかったのですが…
    次第にハッキリと聞こえ始めました…

    …「本当に退院していいの?」

    …「退院したらまたツライ日々が待ってるよ」

    …「私達とここにいた方が楽しいよ」

    …「働いてもツライだけでしょ?」

    …「私達と一緒にきたらツライ事なんてなくなるよ」

    …「ねぇ…一緒においでよ」

    …「帰っても嫁さんにこき使われるだけだよ」

    …「ここにいれば奥さんも要らないよ、若い女性はいっぱいいるし、何もしなくていいから天国だよ」

    …「フフフフフフ」

    …「アハハハハハ」

    こんな声が部屋の至る所から聞こえ始めたのです…

    目だけ動かし周りを見ると部屋にはビッシリと人影がありました…
    その姿は老若男女様々でみんな笑顔で私を見下ろしてます…

    そしてその声は次第に私を洗脳していきました…

    確かに退院してもツライ日々が待ってるだけ
    退院しても毎日仕事と家の往復、疲れるだけ、
    入院してた方がなんもしなくて楽、
    こんなにみんな笑顔でいられる、
    ここにいれば天国みたいだね

    次第に私の頭の中はそんな考えでいっぱいになってきたのです…

    すると私の足元に1人体格のいい男がいました、
    その男だけは気味の悪い笑みを浮かべ、
    おもむろに両手を上に掲げました…

    すると…
    私の上から黒い灰がゆっくりと降ってきたのです…

    灰はどんどん私の上に積もっていきます。
    その間も周りの人は笑顔で私を見下ろし、
    誘惑の言葉を私に聞かせてきました…

    そして私もだんだん意識が朦朧としてきたのです…
    凄い気持ちのいい状態でした…

    そして私はもう一度辺りを見回しました…

    すると…
    1人だけ辛そうな顔をして、首を横に振ってる人がいます…
    あれ?と思って見てみるとあの少年でした…

    少年は口パクでダメだを言っていて、
    凄い悲しそうな顔で首を横に振っています…

    私はそれに気がつき我にかえりました、
    ですが我にかえった途端凄い身体が重くなり身動きが出来ません…

    必死に頭の中でまだ行きたくない、
    家に帰りたい、
    嫁を残していけない
    とかそういう事を頭の中で叫びました…

    すると黒い灰はどんどん重くなっていき、
    周りの人達の顔も一変して鬼の形相になり

    …「お前1人生きて帰れると思ってるのか?」

    …「あたし達をおいて退院するの?」

    …「あたし達はもうここから出られない」

    …「嫌だァ、いつまでこのツラさが続くんだァ」

    …「苦しいぃ、早く退院したいぃ」

    …「何でお前だけここから出れるんだ?」

    …「私も連れてけ」

    …「俺も出してくれぇ」

    …「苦しいよぉ」

    …「助けてぇぇ」

    …「何で?何で?何で?」

    …「がァァァ」

    …「ヴァ〜ー」

    そんな声が一斉に私に降りかかったのです…
    私は辺りを見回した後、あの少年を見てみると、少年は口パクで頑張れを連呼してました…

    私はとにかく心の中で、絶対帰る、お前らと一緒に行けない、私を待ってくれてる人がいるんだ、嫁を守っていかないとダメなんだ…

    そんな事をずっと心の中で叫んでいました…

    すると足元のあの体格のいい男が…

    …「こいつは無理だな」

    と言って腕を下ろし、部屋から出て行きました…
    すると他の霊?達も、まるで部屋の外から掃除機で吸い込まれるみたいに勢いよく、部屋から出ていきました、

    私は汗びっしょりで飛び起きました…
    見ると黒い灰はもうそこには無く、
    普通の病室に戻っていました…

    なんか訳がわからなくて、
    しばらく軽いパニックになっていました…
    あの人達は何だったのか?
    あの少年が何故あの中にいたのか?
    あの体格のいい男は誰だったのか?

    あの黒い灰は何だったのか…

    私はそれから一睡も眠れずに退院の朝を迎えました…

    色々確かめたい事があったのですが、
    とりあえず退院手続きを済ませました…

    そしてあの少年の元に行き確かめようと思ったのです…

    少年から教えてもらった病室へ向かいました…
    少年の病室は5階の内科病棟です…

    少年の言った番号の病室はありました…
    個室で名札が付けられてます。
    ですが…
    名札を見ると別人の名前でした…
    中を見ようと思ったのですが…
    カーテンがあり、
    中が見れません…

    仕方ないのでナースステーションで聞いてみようと思い、
    ナースステーションに向かいました…

    私はナースステーションで少年の名前をだして、病室を聞きました、
    すると看護師さんがファイルを持ってきて、

    看護師「すいませんが、そのような人は、入院患者の中にはいませんね」

    私「ウソ?ここに入院してるって聞いたのですが…」

    看護師「…〇〇君(少年)とはどういったご関係ですか?」

    私「えっと…ちょっと知り合いですが…」

    看護師「はぁ…それだけではちょっと…今は〇〇君はもうこの病院にはいませんが」

    私「え?だって俺昨日〇〇君とこの病院で会ってますよ」

    看護師「は?どういう意味ですか?もういませんよ」

    私「いや、本当ですよ、昨日消灯時間に1階の自販機の所で1時間位話してます」

    看護師「…少々お待ちください」

    そう言って看護師は他の看護師の所に言って何かを話してました…

    するとその話をされてた看護師がやってきて、
    ちょっとついて来てください、と言って私をある部屋まで連れて行きました…

    見るとちょっとした個室になっていて…
    個室の中には机と椅子があって、私はその椅子に腰かけました…

    すると看護師さんは、
    すいませんが〇〇君とはどういう関係か教えてもらえませんか?

    と聞いてきたので、今までの出来事(昨日の黒い灰の出来事以外)を話しました…

    すると看護師さんは色々話してくれました…

    少年は私が入院するちょっと前にこの病院で亡くなっていました…

    長い間この病院に入院していて。
    リハビリ等も頑張ってやっていて、退院出来るまで回復に向かっていたらしいのですが…
    退院する日の朝方に体調が急変して…
    そのまま亡くなってしまったらしいです。

    その看護師さんは少年の担当の看護師さんでした…

    私はちょっと信じられませんでした…
    少年は最初からこの世の者ではなかったのです…
    私はこの世の者ではない人にケーキやプリンやジュースをおごってしまったのです…

    信じられないでしょう?
    私も信じられません…

    最後に看護師さんにその少年の家や御家族の連絡先を聞いたのですが…
    個人情報なんちゃらで教えてもらえませんでした…
    暇があれば線香の一本でも供えてあげたかったのですが…

    あの少年がいなかったら、死神みたいなのに連れていかれて、私は死んでいたかもしれません。

    もしかしたら、多分あの少年も死神に連れていかれてしまったのかもしれません…

    怖い話でよく病院には、死神がいるって話を聞きますが、本当にいるのかもしれませんねぇ…
    病院というのは、ちょっと普通の場所とは違う空気が流れてるような気がします。

    みなさんも入院する事があったら気をつけてくださいね。
    死神に狙われたら、病気とか健康とか関係無いみたいですから…

    終わり……

     
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