一陽来復/HN:山紫水明

一陽来復/HN:山紫水明

前回『発端』を投稿した者です。

発端から約三ヶ月、怪異に悩まされ続けた俺は知り合いに頼んでいた結構高名な霊媒師のもとに行きました。今回はその時の話し。

初老の穏やかな女性だったのだが開口一番俺に言ったのは

『せっかく足を運んで頂きましたけど既に手遅れです。私ではどうすることも出来ません』

とキッパリ言われた。

とは言え理由もわからず納得いかない俺は理由だけでも教えてくれと食い下がった。(何よりビビリな俺は日々起こる怪異に耐えられなかったし)。

『すんなりと此処へ来れなかったでしょう?』

見透かしたように言われて妻と顔を見合わせ驚いた。

実は道中、赤信号で停止中に後輪が突然パンクするわ、気分が悪くなり妻に運転を変わってもらうわですんなりとは目的地に来れなかった。

『彼女にとっては山紫さん、あなたはやっと見つけた光なんです、だから此処に来るのを阻止したかったんです。今こうやって話している間も私に対して敵意を示しています』

以下霊媒師曰く。

彼女は生前、付き合っていた男に散々な目に遭わされた挙げ句捨てられた。それでもその男への情愛は捨てられず失恋旅行に来たが、不運にも轢き逃げに遭い絶命してしまった。

よりにもよってその男と俺が似ているらしいと。

霊媒師は言った。

『一陽来復。人には普通不運が続けば幸運も訪れるのですがバランスが極稀に偏った人がいます』

彼女はそのバランスが極端に不運に偏っていたらしい。

『亡くなって肉体は帰れても魂は故郷にも帰れない。十年あまり探してやっと見付けた光。それが貴方です』

霊媒師が語る彼女の生前の生い立ちには確かに同情してしまったが、何百回と通っていた道で何故あの時だったのか疑問もあったし、何より直接俺に繋がる事には納得が行くはずも無く、仕事にも支障が出るのでと何か対策は無いかと尋ねたが

『そもそもその場所で人が亡くなる程の惨事が起きましたか?彼女を除いて』

あの出来事以降、俺なりに色々調べてた事だが、心霊スポットになる程噂は絶えなかったのに死者が出た程の事故等は聞いた事が無かった。

言葉に困りかねた俺を尻目に霊媒師は

『彼女の故郷を訪ねてみては如何ですか?』

以後霊媒師とのやり取りは続いたが長くなるので省略します。

霊媒師のもとを去るとき綺麗な若い女性が寂しそうにこちらをずっと見ていました。この時はその女性があの貞子みたいな霊だったと知るのはまだ後の事でした。

結果として後日家族同伴で彼女の実家を訪ねました。(件の死亡事故に関してはすぐに調べられたので氏名も実家もすぐわかりました)。

が…彼女を成仏させるまでには至ってません。その時不思議な体験をしましたが、またそれは別の機会に。

 
  • 匿名

    極端に幸運でいたいもんだ

     

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