タケシとカオル

タケシとカオル

585 :名無しのオプ:2010/11/11(木) 20:32:14 ID:IpdnG53Z

「タケシ、さっき一緒に歩いてたの誰?」

「見てたのかよ」

「もしかして彼女?」

「うるせーな、関係ないだろ」

そう言うと、タケシは家に入っていく。もう高校生なのだ。そういう人ができても不思議ではない。

だが、私だって隣に住み、小さい頃からずっとタケシを見てきたのだ。寂しさを感じずにはいられない、とカオルは思う。

幼いころは1日中いっしょに遊んだし、中学生の時は、弁当を作ってあげたこともある。タケシの両親が共働きということもあり、私たちはしょっちゅう共に過ごしたものだ。

しかし、これから先は、今以上にタケシと関わる機会が減るだろう。いつまでも、タケシと一番親しい立場でいられるわけではない。

それも仕方のないことなのかもしれない。カオルは、小さい身体をさらにすぼめる。

「タケシ、久しぶりにお弁当作ったよ。これからは彼女に作ってもらえるだろうから、最後になると思うけど。……仲良くしなさいよ」

弁当を渡す手が少し震える。

「本当に母ちゃん以上にお節介だよな。でも、ありがとな」

照れながら弁当を受け取り学校に向かう、タケシの背中を見送る。

タケシもずいぶん大きくなった。手元をどんどん離れていくのは寂しいが、孫の成長は嬉しいものだ。

半分は心から、半分は自分に言い聞かせるようにそんなことを考えながら、カオルは母屋に戻っていった。

出典:http://toro.2ch.net/mystery/

 

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