日々是怪異/HN:フェノーメノ

日々是怪異/HN:フェノーメノ

◇ 真夜中の音楽

夜中に目を覚ますと、音楽が聞こえる。

隣りの部屋だ、テレビを付けっ放し? CD?

いや、そんな訳はないと思う。

暗い中、音のする方へ向かう。確かに聞こえる。

キリキリと、細い硝子を弾くような、ピンと尖ったピアノの音。

真夜中に、近所で誰かが弾いている?

いや、この音は我が家の中から聞こてくる。うちにはピアノは無いけれど。

手探りで明かりをつけると、音は消え、静かな部屋。

再び、明かりを消し、布団にもどれば、又、聞こえる。

しかし、様子見に明かりをつけると、やはり、音はやんだ。

仕方なく、使わぬ部屋の明かりをつけたまま眠った。

あの時聞こえたのが、どんな旋律だったのか、朝になったら綺麗に忘れていた。

ただ、聞いて居ると絶望が胸の奥に芽生えてくるような沈鬱な音、それだけは感覚として残っている。

◇ 一度きりの呼び鈴

今日はなんだか寝不足だ。ゆうべ、寝ている時に足がつって、夜中に目覚めた。

だから、眠い。

読者中、小さなライティングディスクに向かい、うつら、うつらとしていると、

ピンポーンと玄関のチャイムが一度鳴る。

そこで、意識がハッキリとした。

玄関まで行くと、誰も居ない。

分かってた、一度ではない。

こうやって、眠くて堪らない時の、眠りに落ちる刹那に、ピンポーンと一度だけ、チャイムが鳴る事がたまにあるのだ。大概、それで目も覚める。

昼間でも、夜中でも……

寝入りばなの一瞬をつくピンポンダッシュ。

何がしたいのかは知らないが、『生きた人間の子供』のいたずらより、たちが悪い。

それはもう、夜中に足がつるのと、同じくらい、たちが悪い。

◇ 液晶画面の中に

テーブルの上にある物を、デジタルカメラで撮影しようとした。

何を撮ろうとしたかは、記憶がおぼろだが、テーブルの上の物ならば、食べ物か、小物の類いか、そんなものだったろうか。

小さな液晶画面を眺め、対象物に焦点を合わせようとした、その時、

白い何かが、液晶画面の中、ゆっくり、うねるように動いた。

思わず、液晶から目を離し、辺りを見回すが、動くような物は何も無いし、私の周辺には誰も居ない。

でも、確かに、画面に写っていた。

それは、血の気を感じさせないほど、白い、白い指。

私は、構えていたデジタルカメラを、慌てて仕舞った。

辺りの空気が俄かに冷えたように感じたが、多分、気のせいだ。

◇ 夜の鳥

鳥が飛ぶんだよ。夜にね。

街頭に照らされて影絵のようにカーテンにうっすら、横切る姿が浮かぶんだ。

ウチは集合住宅の3階だし、ちょうど鳥が飛ぶ高さなんだろうね。

まぁ、そう思っていたんだ。

ある夜にさ、ベランダに鳥が止まった。一休みだろうか、そう思ったけど……

手、だったよ。指がうごめいていたんだ。

ベランダから登ってくるような奇特な人間がいるのだろうか、いや、それって、泥棒じゃないか。

そう思ったけどカーテンは開けられなかった。

手の影は見える、だけど……

肘までしか無いんだ。そんな泥棒は居ないないだろう。

それ以来、恐ろしくてさ。

いつか、あの手は窓を開ける。

そう思えてならないから、夜には鍵はしっかりとかけるんだ。

カーテンは、更に厚手の物に変えたよ。

ああ、見なきゃいいんだよ、見なきゃ。

認識しない事が幸福なんだよ。

 

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