単独登山/HN:河上龍泉

単独登山/HN:河上龍泉

不思議なことが二度も三度も重なる話。

江田さんは、登山が好きでよく登る。そんな江田さんがはじめて登山をしたある山がある。その山での体験。

この山を仮に乙姫山とする。乙姫山は小さな山で登山初心者には結構好まれる山。だから江田さんはまあ大丈夫だろうと内心登山を軽く見ていた。

しばらく歩くと霧が出てきて目の前を歩いていた数名の登山者を見失ってしまった。

(ヤバい)と感じた江田さんに追い討ちをかけるように雨が降ってきた。次第に雨ははげしさを増し豪雨のようになってしまった。

気づけば登山道をはずれていたらしく、あたりに雨風をしのげる場所はないかと探していると、登山道でもない場所にくたびれた山小屋があった。

助かったと思い、山小屋に入ると一斗缶に薪をくべた即席の焚き火を囲むように5人の男が先客としていた。

そして奥を見ると闇の中にかすかに髭面の男が具合でも悪いのかうなだれるようにして座っていた。

おまえも迷ったのかと聞かれたのでそうだと答えると焚き火で暖まれと手招きされた。

その夜はかなり冷え込んだがなんとか朝を迎えた。

翌朝、昨日の雨が嘘のような天気で、快晴にめぐまれた。そして江田さんは何気なく一言

「いやあ、これで7人無事に下山できますね」

そう言うと皆、一様に訝しげな顔を並べている。すると赤い防寒着を着たひとりの男が一言

「7人?6人の間違いだろ。お前と俺たちを入れて6人だぜ」

そう言う。

じゃあ昨日の部屋の隅にいたあの髭面の男はなんだったんだと思って言おうとしたが、疲れていた自分の見間違いかなと思い、一緒に男たちと下山し山の入り口に来たとき、山に登るときに途中まで一緒だったおじさんを見かけた。

「いやあ、参りましたよ。途中で登山ルートから外れるは雨で山小屋に寝泊まりすることになっちゃって。今さっきこの5人と私で下山してきたとこなんですが」

そう言うとおじさんが

「5人?5人ってなに?あんたひとりだろ」

そう言うんだよ。

おかしなことを言うおじさん。だから後ろにいるはずの5人を指差してこの5人だと言おうとしたが、そこには5人の姿はなかった。

周りを見たが、さっきまで一緒だった5人の姿はなかった。

江田さんはあの山で2つの不思議な体験をした。最初は小屋にいたあの髭面の男、そしてあの5人。

一体何なのか。不思議なことがこうも続くと頭が変になる。

 

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