アンティークsと不思議な老婆/HN:ゆりえるタヌキ

アンティークショップと不思議な老婆/HN:ゆりえるタヌキ


母の友人のアンティークショップが繁盛している時期だけ、お手伝いをしていたのですが、その時のお話です。

その日は、店の中は繁盛していましたが、外のバザースペースにはお客様がいませんでした。

それもその筈、安いのは安いのですが、高価で良いものは店舗の中だけで、外にあるのは海外の玩具などで、家具や衣服目当てのお客様はあまり外のバザーにはいらっしゃいません。

古いものには色々と集まるよなぁとふと怖い事を思い浮かべながら、暇そうに携帯電話をいじっていると、いつのまにか、人の良さそうな老婆が目の前に居ました。

老婆は微笑みを浮かべて、「ちょっと寄ったのだけど、見ていってもいいかね?」と話しかけてきました。

慌てて携帯電話をポケットに入れると、「いらっしゃいませ!どうぞ見ていってください」と答えました。

『おかしいなぁ。さっきは誰もいなかった気がしたけど』

辺りは見晴らしが良く、人が来ればすぐ分かるはずなのに、何でこんなに近くにこられるまで私は気づかなかったのだろう?と疑問に思いながらも、老婆と初めてあったようには思えないくらい、親しく会話していました。

老婆は申し訳なさそうに「今日は手持ちがなくて、何も買えないの」とおっしゃいました。

私はただ、人と会話するのも好きなので、「お気になさらないでください、おいでくださって嬉しいです」と答えました。

それから何分か会話した後、老婆はお帰りになられました。その後、不思議な事が起きました。

品の良い老紳士が訪れ、海外の玩具を眺めておられました。

「外国から小さな子どもが遊びに来るから、贈り物をあげたいのだが、何かオススメはあるかね?」

と聞かれ、私はミニカーをオススメしました。老紳士は私に大金を渡し、これを「全部お願いします」とおっしゃいました。

内心、驚きながらも、割れないように包み、老紳士に品物を渡しました。老紳士は嬉しそうに「孫が喜ぶ」と言っていました。

新聞が風に飛ばないように石を置いて、お礼を言おうと顔をあげると、老紳士はいなくなっていました。私が目を離したのはほんの数秒です。

母に売上金を渡しましたが、あの時、私は一人で会話していたそうです。しかし、手元には売上金があります。それにミニカーは一つもありません。つまり、確かにお客様に手渡したのです。

不思議なこともあるなぁと、私は一人でまた外で椅子に腰かけていると、今度は大勢の人が来ました。さすがに一人では接客出来ないと判断し、母と共に接客しました。

そのお客様の一人に、初めに来店した老婆がいました。母を見て、この人は?と聞かれたので、「私の母です」と答えました。そしたら、老婆は泣きそうで寂しそうな表情で

「仲良しで良いねぇ。お母様のそばにいれるのは羨ましい」とおっしゃいました。

老婆を見ると目の前で消えました。さすがにえぇ?!と声が出そうになりましたが、母がいる手前、驚かせてはならないと、お客様がお帰りになるまで、その事は黙っていました。

その大勢のお客様が沢山買ってくださったおかげで、その日の売り上げが過去最高でした。

帰り道、母に聞いたら、たしかに誰かいたけど、気配が途中で消えたと聞きました。

数年後。雨宿りのために、立ち寄った場所に洋館があり、入場無料とあったので、中に入ると、スタッフが驚いた顔をしていました。

あまり人が来ないからびっくりしているのかな?程度に思いながら、展示室の中へ。

写真や肖像画が飾られていました。その写真に写った方は若いときは歌姫で、数十年前にすでに他界されていたようです。

一通り、中を見回っていると、アンティークショップにあるようなものがたくさん展示されていました。写真の彼女の隣に私にそっくりな女性がおり、どうやらお母様なのだそう。

歌姫の晩年の写真を見て、さらに驚きました。あの時の老婆そっくりなのです。

展示室から出て、パンフレット片手に雨宿りの為にホールのソファに座っていると、誰かが隣に座りました。

「来てくれて有り難う。雨もそろそろ止むでしょう」

あの時の老紳士の方だ!とお礼言わなくちゃとそちらに向きましたが、誰もいなくて、ただ、スタッフがじっとこちらを見てました。

何故か帰りにそのスタッフにお菓子を沢山いただきました。今、思い出しても、不思議です。

 

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