買い物中の電話/HN:あまねし

買い物中の電話/HN:あまねし

いつもの様に近くのスーパーで買い物をしていました。

ショルダーバッグに締まっていた携帯から鳴り響く着メロ。このメロディーは電話だと、急いでバッグから取り出してみる。

知らない番号からです…。

でも、中学校に通う息子の部活関係の誰かかもしれないし、娘の通う小学校でやっている役員関係の誰かかもしれない…だから、思い切って電話に出てみる事にしました。

『もしもし…あ、どうも、お久しぶりです~』

娘がかつて通っていた幼稚園の年中組で担任してもらっていた男の先生からでした。

『○○ちゃん(娘)元気ですか?』『はい、元気にしてます』などの他愛もない会話が続きます。

ところが、電話の向こうで相槌を打つ先生の声がいつの間にか昨年亡くなった祖母の声になっていたのです。

そして、とても聞き取りにくく、さらに訛った秋田弁で喋ってくるのです。

ばあちゃん(先生?)、聞き取りにくくてこんなに訛ったしゃべりかたをしてたかな?

と、思いながらも『うんうん、そうですね。わかりました』と、半ば会話を理解出来ず電話を切りました。

目覚まし時計の音で目が覚め、ゆっくりと起き上がります。先日、祖母の一周忌を迎えたからこんな夢を見たのかと思いました。

数時間後、忙しい朝の家事が一段落し、母の携帯に電話をしました。

『おはよう。今日なんだけど…』と言いかけた私に、母から衝撃的な一言。

『実は、昨日の夜にじいちゃん死んだんだよ』

あ、だからだったんだ…。

祖父は、今年の始めから病気を患って入退院を繰り返していました。前日もお見舞いに行ったばっかりでした。

祖母が亡くなって約一年。『後を追うように…』と、言う言葉通りとなってしいました。

私は夢で祖母から電話を貰った事を話しました。『ばあちゃんが知らせてくれたのかな?』なんて言いながら…

そして、ふと気付いたんです。祖父は入院中入れ歯を外していて、とても聞き取りづらい喋り方をしていた事を…。

後悔しました。夢の中できちんと言葉を聞き取らずに適当に相槌を打ち、電話を切ってしまった馬鹿な自分…。祖父はなんて言いたかったのだろう。

今日は『通夜』です。酒に弱い私ですが、祖父と缶ビールを半分こし、お線香の番をします。

じいちゃん、どうか安らかに。

 

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