【怖い話】毎日届く人形/HN:河上龍泉

毎日届く人形/HN:河上龍泉

砂田さんは昔、嫌な体験をしたことがある。

朝、ポストを見ると布切れで作ったようなお粗末な人形が入っていた。

実はその日より数週間前から同じ人形が毎朝毎朝ポストに入っている。最初は気にしなかったが、さすがに気味が悪い。

どうしたもんかなあと同僚や友達に相談したが、結局警察に行っても被害が人形を届けられるってだけじゃねぇと相手にされなかった。

仕方なく相手にしない。無視する。そうするしかなかった。

でも何より、気味が悪いのは心なしか自分を象った人形だった。髪型、よく着る服の色。

まあそれだけじゃわからないけど、とにかく考えないようにすればするほど頭の中にあの人形のイメージが浮かんできて仕事に集中できない。

ある日、仕事帰りにアパートへ向かう際、階段の下で見たこともない猫背の汚い身なりの女とすれ違った。

「あれ、このアパートにあんな人いたかな?住人の友達か身内かな」

そう思った時に何か違和感があった。何だろう。

わかった。あの女、自分のお気に入りの同じサッカーのシャツと白のナイキのスニーカーを履いている。

振り返って、気づいた。それにその女、右手に何か持ってる。

ツカツカと歩み寄り、おい!と声をかけた。そして振り返ったその女の顔を見て絶句した。

なんの表情もない。無表情。感情というものがないんじゃないかというくらい目がどよんとしている。

女は右手を開いてみせた。そこにはあの忌むべき人形があった。

お前が入れてたのか。そう言うと無表情だった女は急にすさまじい笑顔になり声もなく肩を揺らし笑った。

それがまたものすごい気味が悪かったんで、「もう入れんなよ」そう言って、立ち去った。

だが翌日もあの人形はポストに届けられた。もう自分から越すしかないと思い、(何もされない)うちにそのアパートは出ました。

かなりの無理をしましたけど、なんとか親に頭を下げて次のアパートを借りました。

あの女のことは多分これからも一生忘れないでしょうね。

 
  • 下利便

    河上さんの作品と人格は別に評価するべきだと思う。マイケルジャクソンがそうであったように。河上さんの作品は好きだよ。

     

世にも奇妙な怖い話や都市伝説から不思議体験スピリチュアルまで…オカルト小説投稿/2chまとめサイト。1万3千話超えの厳選物語を貴方に★