【不思議】タマちゃんと心霊写真と修学旅行②/HN:こげ

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そんな訳で
やれば出来るものですね…
私達、
無事に陸まで泳ぎきっちゃいました。
途中で委員長やアマネとも合流できたし♪
でも、疲れましたぁ
筋肉と言う筋肉が悲鳴をあげてます。

疲労困憊、
ユッコとアマネに支えてもらって桂●へ上陸を果たしますと…
砂浜は恐ろしいことになっていました。

『あっははははははははははははは!!』

全身ずぶ濡れで衣類が身体に張り付き…あられもない格好の生徒達…
皆、笑ってるし…砂まみれでヒーヒーお腹抱えて笑い転げてます。
担任の先生が呆然として立ち竦む私達を見つけ、駆け寄ってきました。
「これでまた四人の生存を確認、保健教諭に一応診てもらってこい」
「先生、なんですのん…あれは?」
ユッコが訊ねると先生は、
私達生徒の9割が高波に攫われたことを教えてくれました。
先生達は波打ち際にいなかったので…
もしくは、立っていたから視界が高く早めに対応…逃げる事が出来て
誰も波に飲まれずに済んだそうですが…
撮影を待っていた私達とか撮影が終わって遊んでいた生徒とか
波が引いた後…砂浜にほとんど残っていなかったと…
「それはもう映画『ト●マーズ』みたいに!」
「先生、もうちょっと良い映画観ようよ…」
あまりに突然の大惨事で
先生達は呆然と海を見つめるしかなかったそうなんですけど…
しばらくして
海から声が聞こえてきたのだそうです。

「あっははははははははははははは!!」

この状況に不謹慎で下品な笑い声…誰だ!?
先生全員が目を凝らして沖を見ていると
海面に何かが顔を出してます…タマちゃんみたいなアザラシっぽい黒いの…
それが笑っているのです。
高知県の海には笑うアザラシが出る!?
そして、それはひとつではありませんでした。
ふたつ…みっつ…むっつ…ななつ…
どんどん数を増して十や二十ではきかない…五十とか百とか…
黒いタマちゃん(?)の群れが次々と海面に顔を出しては
笑い声をあげながら陸地目指して押し寄せてきます。
それもクロールで!?

「あっははははははははははははは!!」

桂●の大気は大爆笑で震えました。
しかし、先生方があらためてよく見てみると…
あれタマちゃん違う!アザラシ違う!
あれは…確かにウチの生徒…生きてた!
それはもう信じられない光景だったそうです。
絶望的と思われた生徒が続々と陸を目指し自力で泳いでくるそうです。
大爆笑しながら…全員がクロールで…

「本当に訳が分からない…なんで生きてるんだお前ら…」

先生ってば薄気味悪そうに、ずぶ濡れの私達を見ながら呟きました。
失礼で不謹慎なこと言ってますよ!
こっちは必死になって泳いだんですからね!
でも、
皆が笑いたくなる気持ち分かるなぁ。
だって、海面に顔を出したら陸地があんなに遠いところにあるんだもん。
絶望のあまり笑いたくなりましたよ私も…泣いちゃいましたけど…
そっかぁ皆…笑っちゃったんだ…傍から見れば確かに気持ち悪いですよね。

それで結局、
先生達が陸に上がって笑い転げている生徒の数を確認したところ、
戻ってこなかった生徒
誰もいませんでした。
恐ろしい壁みたいな高波に飲まれたのに全員無事…

「ウチの生徒は…化け物か!?」

報告を受けた教頭先生は戦慄のあまり
ジ●ン軍のシ●ア少佐がガ●ダムと初めて戦った時みたいな感想を漏らしたそうです。

「溶鉱炉へ落としてもウチ生徒なら五割は生還するかもしれん……」

学年主任が未来から再びやって来たサイボーグみたいに私達を評したとか…
失礼です!さすがに死にますよ溶鉱炉なら!!
全員が無事だったということで
何事もなかったかのように…忘れちゃったかのように…
記念撮影を再開しました。
もちろん私達はずぶ濡れの透けブラ状態です。
パンツもびちょびちょですよ。
それを撮られちゃうんですね…
絶対に他人に見せられない記念写真になっちゃう…

全員が無事だったし…
見学箇所を減らすなどして時間調整をして
修学旅行は普通に行うことになりました。
人生に一度しかない高校二年の修学旅行が…とかで…
「こういうのはバレなきゃ無かったことにしていいんですよぉ」
教頭先生…いいのかな本当に…
後は何事もなく、
残りの日程を消化し修学旅行は終わりました。

問題が起こったのは
修学旅行が終わって一週間ほど経過してからのことでした。
ホームルームで担任の先生が、
「ちょっとお前達に訊くが……
 どうしても、記念写真欲しい奴っている?」
「………………え?」
変な事を言うから
ほら、クラスの全員が絶句しちゃいましたよ。
「いらん人らあておる訳ないですろぉ!?」
ちび●る子ちゃんのナレーション、キー●ン山田さんがツッコまなくても
私がツッコミ入れてしまいます。
「そうそう!欲しいに決まっちゅうがやないかね!!」
「何言うてるの先生はぁしっかりしとおせ!!」
「どうしてほがな事言い出したが?」
私の言葉が呼び水となってしまい
教室は蜂の巣を突いたような騒ぎとなってしまいました土佐弁で。
私達のクラスの全員…誰が始めたのか分かりませんが、
修学旅行から戻って土佐弁を日常的に使うようになってました。
正確なのかどうか…怪しさたっぷりな土佐弁ですが…
「い、いや……ちょっと、写真に問題があって…
 こんなのじゃ記念にならないんじゃないだろう…とか?
 こんなの欲しくないんじゃ…ないかなぁ~なんて……」
先生の額にうっすらと汗が浮かんでます。
本当に言い辛そう…
生徒達もそんな先生の様子に気づいて心配になったのか
「ハァ?どうかしたがかぇ!?」
「ほら、おんちゃんに相談してみいーや、わりぃようにゃしやーせんから」
先生の立つ教卓の前に集まってきました。
「なんていうか、不穏当なものが……
 写ってしまってる…ん…の…な?」
先生、歯切れが物凄く悪いです。
クラス全員…先生が教室に入ってくるときに携えてた大き目の封筒に釘付けです。
「夏服だったし…透けブラは覚悟しゆうからなんちゃーないやが」
「なんちゃーない問題ないき」
「もけんどて先生、その中に写真があるがかぇ?」
「写真?ああ、一応…全クラス分焼いたのは、ここに預かってきてはいるが…見たいのか?」
そこまで見せたくない写真…まさか…もしかして…あれ…ですか?
「せぇんせぇ!あるならちっくとばあ見せとおせ!!」
アマネ…あんた…何かすごいエッチな写真とか思ってない百合的な…
鼻息荒くして目が…爛々と輝いてるけど…
たぶん、そういうものじゃ…ないと思うよ?
「なぁ、せぇんせぇ!見せとおせとゆうちゅう」
「見せとおせ、この通りお願いするがで」
先生が勿体振るから皆、奪ってでも中味を確かめたい気持ちでいっぱいです。
教室に先生コールが巻き起こり
いくら委員長でも収拾がつかない騒ぎへと発展してしまいました。
いつもでしたら私達のクラスを何故かライバル視している
隣のクラスの委員長が怒鳴り込んでくるんですけどね
もしかして今頃あっちも…ですかねぇ?
「わかったわかった!
 お前等なら図太い神経の上に心臓に剛毛生えてるから
 こんなの見ても大丈夫だろうが……お勧めできんぞ」
先生は長いため息ひとつしてから
大きな封筒より…一枚の写真を取り出しました。
「あれ?」「おや?」「お?」「あらら…」
みんなから戸惑いと呆れの声が…
「なんなが?こりゃあーねきのクラスの写真がやないかね?せぇんせぇおかしいぜよ」
そうです…一目で分かる隣のクラスの記念写真でした。
先生、自分が受け持つクラスの写真を間違えたらダメじゃないですか。
「いや、まずはこれから…心の準備用というか…
 これがいちばんマシな写真だったんだ」
「なんなが!?」
「この写真変だと思わないか?じゃあ、俺の指差すところを見てみろ……この白いの」
あ…やっぱり…そうなんですね…
「雲?霧?違うなぁ、あの時は霧なんか出てないぞな?」
生徒が並ぶその後ろ…防風林との間に白い柱状のものが幾本も立っています。
あまりに多いので霧が立ち込めているようにも思えます。
「あ、これなんか……人!?」
「本当だ!霧じゃなくってたくさんの人が隣のクラスの背後に並んでいるんだ!!
 いち……にぃ……さん……しぃ……」
「9人…10人だ……写ってる…」
全員、土佐弁じゃなくなっちゃいました。
生徒の後ろ…真っ白い煙みたいに立ち上っている半透明なもの全てが人に見えました。
「これ、もしかして心霊写真?」
「し、心霊…写真…」
「ああ、修学旅行を同行した写真屋がな…写真の出来が悪くて
 どれも見せることができないって連絡を入れてきたんだ」
光が大気中の水分とかで反射とか屈折とか起こしたことでこうなったと…
納得できないこともないのですが、不自然なくらい人の姿に見えてます。
服の部分……なんか淡く色なんか付いちゃってたり…
丸三つあれば人の顔に見えるとかなシミュラクラ現象で無いのは確かです。
「しかしな、生徒の青春の一ページとして、その証として記念写真だけは
 どうしても欲しいって…どうしてもダメだと言い張るなら
 ダメなのを一度見せてくれって写真屋に頼み込んだんだ」
「そしたらこれを見せられた…と?」
「ああ」
職員会議にかけられ…校長の出馬を仰ぎ…議論を重ねた結果…
生徒達に事態を説明して理解を求め…
記念写真を諦めてもらおうと言うことになったそうです。
「で、これでマシな方って?」
「私達のクラスはどうなの!?」
先生、顔が強張ってます。
「み、見たいか?」
「すごいの?」
見せるために、もう封筒の中に手が入ってるじゃないですか。
「すごいぞ!全クラスでぶっちぎりの悪質さだ!!」
ぶっち……
私達…隣にいる級友の顔を覗い…
それから…
「うん、見たい!」
35名全員が承諾しますと首を縦に振りました。
「仕方ない…」
『おお、ついに!』
「いくぞ、覚悟決めて見るんだぞ!」
『Sir!Yes!Sir!!』

担任が封筒からブッチ…な一枚の写真とやらを取り出し、
教卓の上に置きました。
クラス全員の視線が写真一点に集中…
「赤い…」
「なんですかこの真っ赤な写真は!?」
先生の対面に立つ私達には写真全体をかなり濃淡がきつくムラのある赤で塗りつぶされ…
うっすらと私達が写っているのが分かる…感じで…
心霊写真というよりは現像失敗…って言った方が…
これのどこか心霊写真!?と問おうとした矢先…
「きゃあああああ!!」
「や、やだ!!」
「あああああ!ああもうなにこれぇ!?」
「こ、怖いよぉおおおおおおお!!」
私の左側に立つ級友達が…一斉に悲鳴をあげました。
泣き出している子もいますよ…
私達には分からなくて…そっち側にいた子には見えていたんですよね…
「これを…こうやって」
「あ!」
「ご、ごめんなさい!」
真っ赤な写真に手を伸ばして90度回転させました。
「正解!」
先生が親指を立てた右手を私に突き出し、頷きました。
この角度じゃないと分からないんですね。
再び写真に目を戻しました。
回転させて縦長になった私達のクラスの記念写真…
写真全体を覆う
赤い斑模様…
これ…
私の周りにいたユッコもアマネも委員長も気付いたみたい…
口元に手を当てて悲鳴を飲み込んでます。
こ、これは凄いです…
写真いっぱいに写ってた赤いの…
歯をむき出しにして正面を睨みつけ怒りを露にする女性の顔…
整列した私達の姿を塗りつぶす様に重なって写ってました。

それで…修学旅行の写真で…
●浜で撮影された写真からネガなど全て、
持っているだけでもかなり危険で、供養とかお焚き上げになったそうです。

(おしまい)

2013年11月16日(土) 22:59
こげ ◆.s16F9bY
投稿広場より掲載

 
  • 紫姫

    この 怨みの女は、もしかして… こげさん 冒頭の文章で、*坂本龍馬さん&新撰組の土方さんの話しをした時 龍馬さんの 奥方*おりょうさんが、夫 龍馬さんの容姿&剣を 思わず 侮辱したから? クラスの記念撮影写真&〇浜の津波?も 謎の心霊写真&怨みの女(おりょうさん)の (怒)の仕業かも?知れませんね♪ たしか… 坂本龍馬さんと おりょうさんが、夫婦(めおと)の二人連れで、旅をした 事 で、現在の {新婚旅行}の キッカケ♪[s:20573][s:20274][s:20262] それに こげさんは、首吊りの花嫁姿の幽霊を 杏里さんの 名曲[悲しみが とまらない] を 歌い …。 経験談有りましたね (m’□’m)

     
  • りんごあめ

    こげさん

    改めてお詫びいたします。こげさんの文体に似ているというだけで有らぬ疑いをしてしまいました。
    こげさんがあんなえげつないことを言うはずもないのに。
    不愉快な思いをさせてしまい、本当に申し訳ありませんでした。
    こげさんの作品は好きなのでまた、楽しみにしております。

     

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