【不思議】おとうと/HN:0.血苺

おとうと/HN:0.血苺

私が小学5年生の頃の事。

弟を保育園まで迎えに行き、うっかり途中ではぐれてしまった事があった。

“お母さんに怒られる!”私は必死に弟を探し回った。

漸く見つかった弟は、何とズボンから下がずぶ濡れになっていたのだった! 彼はぐしょぐしょのズックで、気持ち悪そうにがに股で歩いていた。

私は彼をおぶって帰り、母がパートから帰る前に証拠隠滅しようと、急いで着替えさせた。

どうやら帰り道、弟は道の脇の溝(高さ1メートル位)に転げ落ちたらしい。おっとりした彼は、泣きもせず、助けも呼ばずに溝の中に尻餅をついていたのだ。

私は散々叱りつけた。

それにしても、どうやって溝から這い上がったのかが気になった。

「あんた、自分で登れたの?」

「あのね、スカート履いたおじさんが起こしてくれたの」

「おじさん?…おばさんじゃなくて?」

「おじさんだよ。マアボ叔父ちゃんみたいに、髭があったもん」

「……」


マアボ叔父ちゃんとは、父の弟で髭の剃りあとがいつも黒々している人だ。私は子ども心に、漫画でしか見たことのない、オカマさんを想像した(赤塚不二夫の絵柄で再生された)。

証拠隠滅も虚しく、泥だらけのズックから母にバレてしまい、私はこっぴどく叱られてしまった。

数日後、父とNHKの大河ドラマを観ていると、急に弟が画面を指さした。

「あ!スカートのおじさん、こうゆう人だよ!」

「え!?」

弟が指していたのは、大河ドラマの登場人物の侍だった。坂本龍馬だったと記憶しているが、違うかも知れない。

「え~~!」

私は絶句した。昭和末期(※当時)のこのご時世に、お侍さんが…?オカマさんよりもっと、有り得ない…

あの時は真剣に悩んだけど、真相は、おそらく剣道着でも着た男性に助けられたのだろうと今は思う。

怖くも何ともない話だけど、当時の私の薄情さを思い出すとちょっとゾッとする。弟の身を案じるより、母から叱られる心配ばかりしていたのだから。

着替えさせている間も、“お母さんに言ったらぶっ飛ばすからね”と凄み続けていたっけ。ごめんね、弟よ。

ところで、“オカマさん”って言葉は使って良かったんでしょうか…何度も書いちゃいましたが。

2013年11月23日(土) 22:43
0.血苺 ◆YTIpxIas
投稿広場より掲載

 
  • 匿名

    0,血苺さん失礼しました。

     
  • 匿名

    0,血苺さん、コメントありがとうございます。
    弟さんのお世話大変だったでしょうね。。。
    0,血苺さんは(ごめんなさい)普通にいい人みたいですね。

     
  • 0.血苺

    しっかりしているなんてとんでもない!おばさんなだけですよ。

    弟のめんどうもイヤイヤでした^^;
    「お母さんの子どもの頃は、みんな弟や妹をおぶって遊んでいたんだから」
    って、口癖みたいに言われたけど
    戦後の子どもと比べられても…って思ったものです。

     
  • 匿名

    厳しいお母様に育てられた0,血苺さんの気持ちを思うと仕方ないような^^;
    文章もコメントも読ませて貰うととてもしっかりしてる方だなと思ってました。
    私の両親は甘すぎで私はすっかりワガママ娘ですから。

     

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