【怪談】六甲山にて/HN:ロビンM

六甲山にて/HN:ロビンM


やあロビンミッシェルだ。

この怪談を読んでしまうと、夜トイレに行けなくなる。皆、寝小便覚悟で読んでくれ。

関西地方にある霊山の一つ、六甲山が今回の話の舞台だ。

実際この山に纏わる心霊話は山程あるんだが、走り屋の剣によると昔ナンパされた女の子が集団レイプされた挙句山に捨てられ、泣きながら下山している時に車に跳ねられて亡くなってまうという惨事があり、その後、悪霊と化したその女霊が度々姿を現すというトンネルがあるというのだ。

暇な俺達は週末の深夜、車二台に乗り込みそのトンネルへと向かう事にした。

暗い山道、前を走るシビックには剣と龍と直也が乗っている。その後ろを俺の運転するクラウンが煽り気味に追いかける。

グニャグニャと続く山道に悪戦苦闘しながら登っていた刹那、俺の隣に乗っていた千秋似の香織が突然悲鳴を上げた。

「きゃあ!ちょっとあれ何よ!!」

香織はシビックの方を指差してアングリと口を開けている。

ライトをハイに切り替えてシビックを照らすと、後部座席に乗る直也の隣に女が乗っているのが見えた。車には野郎三人しか乗ってない筈なのに何故か一人増えていたんだ。

ロ「おい!誰だよあの女!」

すると香織が俺の顔をまじまじ見つめながらこう言った。

香織「え…? 女? 何よそれ、違うわよ!車の上よ!上! なんか赤ちゃんみたいなのが乗ってんじゃない!よく見てよ!」

良く見ると確かに前を走るシビックの天井には赤いジンベイを着た赤子の様な物が張り付いている。

ロ「かか、香織!! 電話しろ! すぐ龍に電話しろ!や、ヤバイぞアレは! !」

香織は慌てて龍に電話をかけた。

香織「もしもし龍君?後ろ絶対見ちゃダメだよ…とにかく次車止めれる所あったら止めてくれる? 分かった?後ろは見ないでね!」

龍「え…後ろ? 香織ちゃん何言ってん…… ぎゃあああああ!!!!」

すると龍の運転するシビックは急ブレーキを踏みながらもガードレールにガシャンと激突してしまった。

走行不能になったシビックをとりあえずそこに放置して、全員クラウンに乗り込み逃げる様に下山した。

コンビニで一息ついた後、龍が震える声でこう言った。

龍「な、直也がいないんだけど…」

ロ「は?てめえ何言ってんだよ!さっき後ろに三人乗せたベ!」

龍「う、うん。確かに三人乗ってた筈だけど、よく考えたら俺、直也の顔一回も見てねぇよ… 兄貴!直也あそこに忘れて来たんじゃねぇかな?! ヤベェよ兄貴ぃ!」

その時、香織の電話が鳴った。直也からだった。

香織「もしもし直也?あんた今どこにいんのよ?!」

直也「酷いよみんな!俺を置いてどこ行っちゃったんだよ? 早く帰って来てよ、俺ずっと待ってんだからさぁ、トンネルで待ってるからさぁ。 暗いんだよ…

は…やく、か…えって来…よ…
は…やく、かえっ…て来いよ…」

香織は電話を着ると、夏美と美奈を呼んでくれと泣きついてきた。

直也の語り口調には全く抑揚がなく、まるで違う人と話している様だったと言う。しかも電話中ずっと女のボソボソとした話し声と、赤ん坊の狂った様な泣き声がずっとBGMとして流れていたらしい。

さすがにこの時間から妹達を起こす度胸が俺にはなかったので、仕方なく俺と剣の二人でもう一度六甲山を登った。するとシビックの後部座席で気を失っている直也を発見し、なんとかクラウンに積み込んだ。

そこには赤ん坊の姿も女の姿も見当たらなかった。怖い物知らずの剣のお陰で一安心した俺は、ハンドルを握りながら香織に電話を入れようとして寒気が走った。

圏外

だったのだ。

当時、電波状況が今程充実しておらず、六甲山のその殆どの場所が圏外だった。

しかしお陰様で直也はその後意識を取り戻し、何も憶えて無かったのを除いては変わった事は何も起こらず、現在は二児のパパとして頑張っている。

追伸( 最初に下山した時、龍の隣に乗っていたのは一体何者だったのだろうか…そして… 香織は電話で一体誰と話していたのか…

ふぅ、書いてる俺もトイレに行けなくなっちまったよ! …以上だ)

 
  • 匿名

    ロビンMさん、あっちの方がレベル上かもしんないけど…何か、ありがとね。上手く言えんけどw

     
  • 兄の弟

    愛を求めた末に
    読ましていただきました。

    凄い切ない話ですね
    本当に読んでてツラくて私の涙線は刺激されっぱなしでした(泣)

    そして小説のような文章の綺麗さ…
    本当に素晴らしいと思います…

     
  • ロビンM

    兄の弟氏、七不思議氏、
    いつもやる気の出るコメサンクス!
    最近同僚から中々怖い話を聞いたんで、
    文章に出来たらまた載させて貰うよ。
    ひひ…
    それから先程、広場の方に長ったらしい話を一つ載せたんで良かったらヒマ潰しにでも読んで見てくれ!
    ミシ…ミシ…ミシ……ひひ…

     
  • 兄の弟

    流石の一言ですね。

    相変わらず綺麗な文章で凄いと思います…

    私もこういう文章を作りたいものです(泣)
    次の話も楽しみに待ってますね…

     
  • 匿名

    ロビンMさんの作品は、読んでいて引き込まれます。自分が実際に体験している感覚すら覚えて、読み終えたあと、お得感さえ感じます。

    どうも、「ロビン・ミッシェル」ではなく、「ロビン・ミッチェル」と読んでしまいます。ひひ…。

     
  • 匿名

    うん、オモロイね♪ロビンMさんはじっくり読ませる話もジェットコースターみたいなのも自在だな。凄いわ。B級ホラー映画の原作くらいいけんじゃね?

     

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