【怪異】黒い灰の死神と歩行器の少年①/HN:兄の弟

黒い灰の死神と歩行器の少年/HN:兄の弟

たまには兄シリーズ以外のお話を…

これは去年の事。私は胆嚢炎(胆石)を患ってしまい入院する事になってしまいました。

入院自体は何度か経験してるのですが…胆石が結構デカイらしく、一度胆石が出来ると癖になるみたいで…胆嚢という臓器を取り出してしまう手術…胆嚢摘出手術を受けないとダメになってしまいました…

手術自体初めてで、色々医師や看護師さんから説明をされました…胆嚢摘出手術は珍しい手術ではないらしくて…手術が失敗する確率はほぼ無いと言われ。かなり安心したのを覚えてます。

入院の期間は一週間位の予定で、初日と二日目で検査、その検査で問題なければ、三日目で手術…手術後問題無ければ、四~五日で退院出来るという話でした…

入院をする前に何度か通院して検査をしていたので、初日と二日目は簡単な検査しかなく…やる事がなくてほとんどベッドの上で携帯をいじくっていたような気がします…

毎日嫁が見舞いに来てくれましたが…毎日顔合わせてるしそんなに話す事も無いので、用を済ますと直ぐに帰ってしまいました…

友人や会社の同僚等も見舞いに来てくれるのですが…私を見舞いにくるって感じじゃなくて、病院に遊びに来るって感じで(笑)看護師さんにチョッカイ出したりして怒られてたような気がします(笑)

私が入院したのは3階、外科の四人部屋(大部屋)で…私以外は結構年配者だったし…ちょっと人見知りもあり(笑)あまり話もしませんでした。

そして…入院した初日、消灯時間(9時)になってもいきなり眠れる訳がなく…私は財布と携帯を持って1階にある自販機のある所まで暇つぶしに行きました…

自販機でジュースを買い、近くの椅子に座り、辺りを見ると、1階に緊急外来があるので、そこには人がいるのですが…他の所は人影がありません…

私はジュースを飲みながら携帯をいじくっていると …何処から来たのか…ガラガラと音をたてて歩行器を押しながら歩いてる少年が私の前を横切って行きました…

なんか妙に気になったのですが…別に声をかける理由も無いし、何て声をかけていいのか分からないので黙ってその少年を見ていました…

少年は辺りをウロウロしてそのままエレベーターに乗って行ってしまいました。多分私と一緒で眠れないのかな?と思いながら、何故か妙に気になりました…

入院二日目…その日も朝から簡単な検査をして、検査の結果、問題がなかったので、手術の準備で個室に移動になりました…術後色々な機械が付けられるので…個室の方が良いという理由でした…

その日の夜から食事制限があり…夜9時から何も食べてはいけない事になりました…水分も余りとってはダメで…軽く水を飲む位は許されていました…

3日目…朝から点滴をされ…手術の時間を待っていました…その日は嫁が仕事を休み、朝からずっと付いていてくれて…何故か私より緊張してたみたいです(笑)

そして手術は無事終え…問題なく手術は成功…

術後トイレに行けなくなるので尿管に管を入れられるのですが…上手く入ってなかったみたいで、炎症が起きており、麻酔から覚めた時…凄くチ〇コが痛くて(笑)看護師さんに向かってチン〇痛いを連呼してました(笑)

4日目 その日の内に、体に付けている機械は全部外されました…尿管の管も外され自分でトイレに行き、小便をしてたのですが…炎症が起きてたせいか小便をする度にチ〇コに激痛が走りました(泣) 2日位で治まりましたけど…小便タイムは地獄でしたね(泣)

そして機械が外れれば大部屋に戻される予定だったのですが…私持病を持っていまして…その持病が発病してしまい…足首に激痛が走り…歩く事が出来なくなったのです…

歩けるようになるまで大部屋に移動する事は無理という事になり、ずっと個室に入院する事になりました…トイレは病室から出たら目の前だったので、なんとか自力でトイレ位は行けたのですが…後は寝たきりでした…

そして…足首が痛くなってから4日目…大分痛みが和らぎ、自力で手すり等を使って大分歩けるようになってきたので…私はまた消灯時間になると1階まで暇つぶしに行くようになりました…

また自販機でジュースを買い、近くの椅子に座り、辺りを見回します…相変わらず緊急外来の方には人がいるのですが…その他の所には人影がありません…

私はジュースを飲みながら携帯をいじくっていると…また何処から来たのか分からないのですが…ガラガラと歩行器を押しながら少年が歩いてきたのです…

するとその少年が私の前に来ると…いきなり、眠れないのですか?と声をかけてきたのです…ちょっとビックリして顔を上げると…少年が笑顔でこちらを見ていました…

少年「前もここにいましたよね?」

私「うん、眠れなくてね…君は?」

少年「僕も眠れなくて、毎日こうやって歩いてるんです…リハビリにもなりますし」

私「そうなんだ…歩行器使ってるって事は足の病気か怪我で入院してるの?」

少年「違います…別の病気なんですけど、合併症で足が上手く動かせないんです」

私「そうなんだ…大変だね」

その後私は暇だった事もあり、その少年と色々話をしました…少年も暇だったみたいで夢中で私に話をしてきます…

少年の話によるともう5年位この病院に入院してるらしく…内臓系の病気を患っていて、たまにしか家に帰れないみたいでした。家は田舎の方にあり、農家をやっているそうです。

何かあったら困るから、父親が家に残り農業をやって、母親が病院の近くにアパートを借りてパートで働きながら、たまに見舞いに来て、少年の身の回りの事をやってくれてるみたいでした。

大変だなぁ~と思いながら、話を聞いていたのですが、何か病気の話だとちょっと辛いので、私は他の話に換えました。

色々な話をしたのですが…少年の名前、年齢、自分の事、世間話等、色々話したのですが…特に食べ物の話、甘い物の話に興味を持ったらしく…

私が何処のケーキが美味しいとか…何処のプリンが美味しいとか…そんな話をしたら、少年は食べてみたいと言って夢中になって話を聞いていました…

少年の母親は見舞いにくるのですが…車を持っていないらしく…行動範囲が決まっている為、持ってくる物も大体決まっていて…いつも同じ物ばかりだと言って、ちょっと不貞腐れていました(笑)

私はちょっと可哀想になり、思わず…

私「じゃあ今度何か買って持って行ってあげようか?」

少年「え?いいんですか?」

私「全然いいよ、だから部屋番号教えて」

少年「部屋はちょっとマズイです、看護師さんに怒られます」

私「??」

少年「あんまり見舞いの人は入れちゃダメなんです」

私「え?じゃあ、こうやって病室から出てくるのもダメなんじゃないの?」

少年「だから消灯時間になったら看護師さんにバレないように出て来るんですよ」

私「う~ん?そうなんだ…なんか謎だけど…解ったよ(笑)

じゃあ、俺明日、嫁さんが見舞いに来たらケーキとプリン頼んで買って来てもらうから、ここで渡そうか? 向こうに休憩室みたいのあるから、そこで食べたら良いじゃないの?」

少年「いいんですか?」

私「かまわんけど、でもそんなに身体の調子悪いんなら、食事制限とかあるんじゃないの?」

少年「脂っこい肉とかは禁止されてるけど…ケーキとかは大丈夫です」

私「本当に?卵とか使ってるからコレステロールだっけ?ヤバイんじゃないの?」

少年「大丈夫です…この前お母さんが買ってきてくれたケーキは普通に食べたし、看護師さんも、食べても大丈夫って言ってました」

私「そうなんだ、じゃあ嫁さんに頼んでみるわ」

少年「ありがとうございます」

私はふと時計を見ました…するとかなり時間が経っています…

私「ヤバイもうこんな時間、君も病室に戻らないと看護師さんにバレたらヤバイんじゃないの?」

少年「そうですね、じゃあ戻ります」

少年はそう言ってまた歩行器を押しながらエレベーターに乗って行ってしまいました。

私も部屋に戻る為…別のエレベーターで3階に上がり…自分の病室を目指しました。

3階はエレベーターから出ると、目の前にナースステーションがあります。そしてそのナースステーションの両側に廊下があり、その廊下を進むとナースステーションの奥に病室があります…

私の病室はナースステーションの右側の廊下側でした…ナースステーションの横を抜けると右側に病室が並んでいて、左側にトイレや洗面所、入院患者の寝間着やベッドに敷くマットレスや布団等が入れてある倉庫のような部屋がありました…

私の部屋の並びは全て個室になっていて、全て入院患者が入っていました…そして私の病室はナースステーションから見て奥から3番目にありました…

私はナースステーションの横を抜けると部屋に戻らずに、まずトイレに行きました…小便をして部屋に戻ろうとしたのですが…ナースステーションから見て1番奥の部屋、私の部屋の2つ隣の部屋の様子がちょっとオカシイ事に気付きました…

見ると扉が開いていて中のカーテン(部屋の中を見えなくする為のカーテンです)が廊下にヒラヒラ出ていたのです…

普通消灯時間を過ぎると皆さん、入口の扉を閉めるし、扉が開いていても、窓でも開いてなければカーテンが廊下に出てくる事もありません…私は不思議に思い少し見ていました…

すると、部屋の中から黒いゴミみたいな物が廊下に出てきたのです…良く見るとゴミというか、灰というか…そんな感じの物が部屋の中から勢いよく廊下に出ていました…

私は何だろうと思い近づこうとした時に、倉庫の方から看護師さんがやってきました…私はちょっと様子がオカシイので看護師さん呼びました…ですが…看護師を呼んでまた奥の部屋を見てみると…奥の部屋の扉は閉まっていて…黒い灰のような物も見えなくなっていました…

看護師さんが近づいてきて、どうしました?と声をかけられたのですが…すいません何でもありません…って言う事しか出来なくて(笑)看護師さんは変な顔をしてました(笑)

私はオカシイなぁ?錯覚でも見たのかな?と思い、部屋に戻りなんか落ち着かなかったのですがそのまま寝ました…

次の日…嫁さんが出勤する前に病室にやってきて私の着替えを持ってきていました…予定より長く入院する事になったので、それの分でした…

私は半分寝ていたのですが、少年との約束を思い出し、起き上がり嫁に…

私「あのさ、お願いがあるんだけど」

嫁「何?」

私「〇〇(店の名前)のケーキとプリンが食いたいんだよね」

嫁「は?もう少しで退院出来そうなんだから、退院してからでいいじゃん?」

私「いや、急に食べたくなってさw」

嫁「別にいいけど…じゃあ仕事の帰りに買ってきてあげる」

私「頼むよ」

私は少年の事は言えませんでした…言ったら買ってきて貰えないような気がしたからです…

てゆーか普通は、昨日会って話したばかりの人に普通は買いませんよね(笑)でも、なんか同情の念があったのかもしれませんが、何故か私はどうしてもあの少年にケーキとプリンを買ってあげたかったのです…

嫁はいそいそと私の汚れた着替えをカバンに詰め込み…仕事に遅れるからもう行くね、と言って病室から出て行きました…

私は何をするでもなく、ベッドの上でゴロゴロして過ごしました…すると昼頃でしょうか?廊下の方から

「お世話になってます~、〇〇堂で~す」という声が聞こえました…

そして私の病室から出てナースステーションの反対側の廊下、黒い灰を見た病室のある方から、何か話合ってる声が聞こえてきました…

〇〇堂とは地元の葬儀屋さんの名前です…最初は病院で葬儀屋の名前を聞くのはなんかいやだなぁ~って思ったのですが…

葬儀屋がこんな病棟に何の用なのかな?営業ならわざわざ病棟の方には来ないし…第一こんなナースステーションから離れた所で死人等でないだろw と思ったのです。

昔からヤバイ人はナースステーションの近くの部屋に入院させられると聞いていたので…私がいる病室はナースステーションからかなり離れた位置にあったのです…だから葬儀屋の名前を聞いても、あんまり気にしませんでした…

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  • やまっち妻

    ↓禿同。ところで、お兄様にこの話はなさいました?反応が気になる。

     
  • 匿名

    入院中は誰でも心細いし気持ちがナーバスになるものだしちょっとした隙に死神に狙われる…なんてこともあるのかもしれませんね。

    少年はずっと一人で寂しかったんだろうな。
    優しくしてくれた兄の弟さんをどうにか助けたいと思う少年にせつなさを感じながらもホッとしました。

     

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