【怪談】穢れた記念写真/HN:ドクロン

穢れた記念写真/HN:ドクロン

宮内氏はこの記憶を思い出す時、おばあちゃんのことを一緒に思い出す。

優しかったおばあちゃんを亡くしたのは数年前。直接そのことが原因ではないと思うが、おばあちゃんの死とは切っても切り離せない話。

多くが知っていらっしゃると思うが、風車とチョコレートで有名な場所がある。その場所に友達のA子と一緒に行った。

別の日、その時に撮った写真を友達と見ていると、数十枚ある中の一枚に目が止まった。それは風車の前で撮った写真だった。

カメラに向かってブイサインをする宮内氏とA子。宮内氏の背後、ぴったりとくっつくように二人の倍以上ある異様に背の高い女が無表情で立っている。

「やだぁっ」と声を上げると、友達が不思議そうな顔で「どしたの?」と聞いた。

宮内氏はその写真を友達に見せた。友達は?という顔をして、何に驚いたのかわからないという顔をして言った。

「きれいな写真じゃない」

宮内氏はたまらず

「いや、女が、わたしの後ろにいるでしょ?背の高い女!」

だが、友達にはまるで見えていないようでわからないと首を振るだけ。

このままいるいないなどと言ってても仕方ない。なぜかはわからないが、友達には見えないのだろうと

「なんでもない、冗談、冗談」と精一杯平静を装って見せた。

明くる日、急に体調が悪くなった。なんだか体が重たい。午後、おばあちゃんから電話があった。

「あんた、元気かい?」

「うん、まあね」と心配させないよう体調のことは伏せた。だが、おばあちゃんは、急に

「あんた、ヘンなもん連れてきちゃってるね。今夜にでもすぐ行くから待ってなせ」

その日の夜中、夢を見た。

自分の部屋のベッドがあって寝ている自分を自分が眺めている。そのベッドの横に女が立っていた。あの写真に写っていた背の高い女だった。

女は(ウーウー)と荒い息づかいをさせながら笑った。そして寝ている自分の首を絞めてきた。寝ている自分が苦しがると見ている自分も苦しくなった。

そして女は苦しがる自分を見て(ウフウフ)と嬉しそうに笑った。こちらが苦しがれば苦しがるほど女はからだを揺らしながら笑った。

すると、いきなり(バンっ)と部屋のドアが開き、おばあちゃんが出てきた。おばあちゃんはキビシい口調で

「わしの孫になにするか!出ていけ!」

おばあちゃんが持っていた数珠を投げつけると、女は

(シュルルルルー)と吸い込まれるように窓ガラスをすり抜けて消えた。

そのとたんに気づくと自分を眺めていた自分はベッドにいた。(ベッドにいる自分の体に戻ったんだ)と思った。

おばあちゃんは、子供のようにわんわんと泣きじゃくる自分に

「今見たことは忘れなさい、あれはただの通りものじゃ。はいれるからだなら誰でも良かったんだろ」

それから数日もしないうちにおばあちゃんは他界した。

あの時おばあちゃんが投げた数珠は黒く変色してしまったが、今も形見のように持っている。それ以来、あの女が写真に写ることはなくあのような夢も見ない。

2013年12月25日(水) 12:47
ドクロン ◆WrQmn0zw
投稿広場より掲載

 
  • ドクロン

    ご感想ありがとう。

     
  • 匿名

    何度改名しても、一人称と三人称が混在する癖は抜けないんだな。

     
  • やまっち妻

    『奇妙』でも抜群に怖い話「八尺様」を思い出しました。あちこち、点在してるとか(;゜Д゜)イヤー。長身、変な声…、もし頭になんか被ってたらビンゴですよ。…ドクロンさんを守られたおばあ様の御冥福心より御祈りいたします。

     
  • 匿名

    だいぶ腕を上げましたね。感心しました。

     
  • 匿名

    おばあちゃん、ぐっじょぶ!!

     

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