【怪文書】三匹の猿/HN:アナゴヌルヌル

三匹の猿/HN:アナゴヌルヌル

昔々あるところに、三匹の猿が仲良く暮らしていました。彼女たちは一匹ずつ、少し変わったこだわりを持っていました。

長女の猿は、絶対に言葉を話しません。口は災いの元だから、話さないと決めたそうです。

次女の猿は、絶対に目を開きません。何か見てはいけないもの、見たくないものを見てしまったら大変だからだそうです。

三女の猿は、耳に手を当てて何も聞こえないようにしています。自分の悪口などが聞こえてくるのが怖いので何も聞こえないようにしているそうです。

ある日、猿たちが暮らす家に、街から手紙が届きました。なんと、それは王子様の住むお城で行われる舞踏会への招待状でした。

三匹の猿は大変喜びました。長女猿は無言で喜び、次女猿は、三女に文面を読んでもらい喜び、三女の猿もとても喜びましたが、耳から手を離せないので万歳はしませんでした。

さっそく猿たちはおめかしをし、舞踏会に行く準備をしました。お城で王子様に気に入られたら、プリンセスになれるのです。三匹の猿は張り切りました。

長女は、自分で綺麗にお化粧をしました。次女は、長女にお化粧をしてもらいましたが、鏡を見れないので顔に落書きされたことに気付いていません。

それを見た三女は、長女に顔に落書きをされたくないので、お化粧は諦めました。両手は両耳に当てているので自分でお化粧はできませんでした。

三匹の猿は森を出て、王子様の待つお城へと向かいました。お城はとても立派なものでした。猿たちの他にも、森の可愛いウサギ、美しいシカ、賢いキツネ…たくさんの動物たちが招かれていました。

長女は言葉にはしないものの、魅力的な動物たちを見て少々焦りを感じているようでした。次女は、堂々とした態度で長女に手を引かれながら城内に入っていきました。

お城の中はとても煌びやかで、上品な音楽を演奏している動物たちがいました。たしかあれは最近流行ってるバンドです。たしかバンド名はブル…ブロ…冷麺…忘れてしまいました。三女の猿は、渋々その音楽を聞くことをあきらめました。耳はふさいだままでいるのが一番良いのです。

舞踏会会場には、高級そうなテーブルの上にたくさんのフルーツが飾られていました。猿たちは、バナナだけを選んで食べました。周りの動物たちは冷ややかな目で見てきましたが、次女だけは気づかないでいました。

舞踏会は盛大に開催されました。王子様ではないオスの動物とも踊らなくてはなりませんでしたが、猿たちもシカもウサギもできる限り優雅に踊ってみせました。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、時計の針は二本とも一番上を差しました。0時です。あわてて会場を飛び出したメスが一匹いました。王子様は何事かとそのメスを追いかけ、少しすると透明な靴を片方、手に持って戻ってきました。

それからしばらくして舞踏会は幕を閉じました。誰がプリンセスに選ばれるのか。結果は後日、鳩が手紙を届けてくれるようです。

数日後、プリンセスが決まったので、またお城でパーティーが開かれていました。お城の周りには入場を断られた動物たちでごった返していました。一体、誰がプリンセスに選ばれたのでしょうか。

王子様と新しいプリンセスがお城の高いところに姿を現すと、観衆からは喚起とブーイングが起こりました。素直に新しいプリンセスが決まったことに対する祝福と、なぜあんなやつがプリンセスに選ばれたのかという不満から来るものでした。

二匹の猿は遠目に、王子様とプリンセスとなった一匹の猿を見つめ、なぜアイツが選ばれたのかという疑問でいっぱいになりました。

王子様と一匹の猿は末永く幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。

一方、残された二匹の猿は生活に不便を感じながらもそれなりに暮らし続けましたとさ。

 
  • 匿名

    キカザルは耳から手を離さないから洋服が着れないのでは?

     
  • 匿名

    見ざる言わざる着飾る

     

世にも奇妙な怖い話や都市伝説から不思議体験スピリチュアルまで…オカルト小説投稿/2chまとめサイト。1万3千話超えの厳選物語を貴方に★