【不思議】御来光/HN:紫野

御来光/HN:紫野

これは主に私の友人(以下:A子)の彼氏(以下:B君)のお話しです。

B君の仲間内でスキー旅行の企画が持ち上がり、幹事を任されたB君が、H県のとあるスキー場へ…2回、A子と二人で下見に、そして本ツアーで行った時の話です。

その年も1月中頃まであまり降雪せず、雪不足を心配してたのですが、下見に行く当日明け方から雪が降り始め、目的地のスキー場・民宿に着く(お昼)頃には、周りはすっかり雪景色に変わっていまして、二人で「ラッキーだね!」って話してたそうです。

その民宿はというと目の前にはスキー場へのリフト乗り場があり、古い建物ながら清潔感漂う、大変感じの良い民宿でした。

二人は部屋に荷物を置き、早速着替えて、新雪吹き積もるゲレンデを思う存分スキーで楽しみ、夜は民宿1階の広間にて他の宿泊客(3組の家族連れ)の人達とボタン鍋をメインした美味しい料理を食べながら談笑したり、民宿のご主人と奥さんもアットホームな感じで、二人共この下見スキーに来た事に大満足でした。

因みに民宿の造りなんですが、客室は全て2階で、お風呂(温泉)場は1階に、トイレ・洗面所は1階と2階に有るという造りになっており、二人が泊まった部屋は2階の階段を上がった左側一番奥の12畳部屋で、部屋とは反対側の奥にトイレ・洗面所があったそうです(階段を上がった右側)。

朝から慣れない雪道の運転→スキー→温泉→夕食でのハシャギ過ぎでB君は23時過ぎには爆睡モードに入りかけており、A子はまだ飲み足りなかったらしいですが、仕方なく部屋の灯りを消し、寝る事にしたそうです。

そしてA子が就寝中(3時頃だったらしいです)何やらゴソゴソする気配を感じて、目を醒ました彼女は気配の元がB君である事に気付きました。

B君は寝相が悪い上、たまにリアルな寝言(ハッキリと会話出来るぐらい…)を発するそうなので、A子は「久しぶりにBのリアル寝言が聞ける~(≧▼≦)」と思って隣で様子を伺ってたのですが…

10分…20分、小一時間たっても一向にB君の寝言は発せられず「今日はダメかぁ~!?」と諦め、また寝直そうと思い、ウトウトし始めた時、いきなりカバッーっとB君が起き、何故か怒りのオーラ全開で仁王立ちになったので(B君は普段凄く優しいのですが、怒るとかなり怖い…『大魔人』みたくなる!)

A子の眠気は別次元へぶっ飛び「ひえぇ…Σ( ̄□ ̄;)えっ?私!?何かした?…と、取り敢えず謝るべきか?」とか思いながらB君を見ていると、ドドォーンと扉を開けて部屋から出て行ってしまい、残されたA子はまたしても「何!?何!?どうしよう(@_@;)」状態。

部屋の灯りも点けずに10分ぐらい茫然としていたら、少し弱まった怒りのオーラを纏ったB君が部屋に帰って来て、何も無かった様に、また寝床に入り、寝入ったそうです(・・;)

B君のこの行動が気になったA子は翌日、B君の様子を伺いながら、今朝の事を何度か聞いてみましたが、「うーん、トイレに行っただけ…」と言うだけで、その日、後は何事も無く、A子は家まで送ってもらい、この下見スキーは終わったそうです。

そして翌月…B君はスキー場・民宿を変更する事無く、またB君の奇行は未だA子以外、誰一人知る事無いまま決行されました。今回も一泊二日でメンバーはA子・B君及び私も含め総勢8名でした。

当日のお天気は晴天、平日で道路は空いており、夜中に出発したのもあり予定より早く、明け方には目的地に到着しました。民宿はA子から聞いていた通りで、案内された部屋は二人が前回に泊まった部屋と同じ(女子はオッサン化してるので、男子からは同室でも別に構わないと思われている|(-_-)|)でした。

ただ今回参加したC美(少々霊感あり)曰く「古い民家を改装して使用しているのは分かるが、また違った意味の古さ?みたいなものを感じる…」らしかったそうです。

スキー場のコンディションは良く、平日なのでスキー客も少なくて、それぞれスキーを日が暮れるまで楽しんだ後、民宿へ帰り、温泉に浸かり疲れを癒し、待望の夕食を貸し切り状態の広間にてご馳走になり、それから部屋に戻り、皆で飲みながら、喋っているうちに昼間の疲れからか、一人また一人と眠りへと誘われていきました。

その夜の寝床の並びは、部屋の入り口側を頭に扉の前にB君・A子・私・C美そして反対の窓側を頭にしてB君側からD君・E君・F美・G子の順番です(分かりにくくてスミマセン)。

0時すぎに私・A子・C美が最後に部屋の灯りを消して就寝する事にしました。そして3時頃にゴソゴソする気配で目が醒めた私は、その気配の元がA子の隣に寝ているB君と分かり、内心「おお~もしかしたら、噂のリアル寝言を聞けるのでは(*^□^*)」っと思ってると、暫らくしてB君はスクッと起き上がり、部屋を静かに出ていきました。

トイレへと向かうB君の足音を聞きながら、私は「寒いからトイレに行くの我慢してたのかな?」と思ってたのですが…実はこの時、他の皆も何故か起きていて、私と同じ思いだったそうです。A子は「寝言、今度こそっ!」と…。

そしてB君がトイレから帰って来る足音が聞こえ、部屋の前まで来たのですが、そこで立ち止まったままで一向に扉が開きません。しかも雰囲気が違っていておかしいのです。

5~6分ぐらい経ったでしょうか!?扉の向こうでB君が「チィッ!」と舌打ちしたのが聞こえ、同時に「えっ?ええェ~?」と暗闇の中、か細く囁くA子の声が上がり…

この瞬間、私と他の6人は、A子が起きている事と、このなにげに悍ましい雰囲気の元凶がB君の怒りモードと関係しているのが分かりました。多分、B君に対して7人全員が「何故(?_?)」と言う気持ちと云い知れぬ恐怖で一杯だったと思います。

そんな中、渦巻く怒りのオーラを纏いB君が静かに部屋に入って来て、自分の寝床に入ってくれた時には、私は安息の時間を再び与え給もうた神様へ感謝しつつ、安眠への扉が開かれるものと信じて疑わず、涙ながらに瞼を閉じたのでありました。

しかし既に暗黒面の手に落ちたB君の怒りのオーラは納まる事を知らず、好き勝手にアップデートを繰返し、バージョンアップするばかり…

私達が蒲団の中に潜り恐怖に怯えながら寝たフリする中…1時間程経ったでしょうか!? 怒りのオーラ【最終形態】に達したB君が突如、怒り震える声で「もう我慢ならん(;-_-+ 許さん!」と言い放ち、起き上がり部屋を出て行きそうになった時、D君とE君が「お前、アカンて!」と叫び起きて飛び掛かり、暴れるB君に蒲団を被せD君とE君&F美と私が必死に抑えつけました。

その後、A子はエクソシストよろしく「もう大丈夫だから!大丈夫だから…ね!」とB君に泣きながら話し掛け続け、そのまま1時間ぐらい経った時です。それまで「ヤメロォ!放せェ!」と暴れていたB君が段々と大人しくなっていき、最後は「違う!?違うって!?分かってるやろ…」と言い出した頃、恐怖の大王は何処へと消え去り、かくして暗黒面から生還した我らのB君はA子の腕の中で子供の様に安らかな眠りへと落ちていきました。

因みにこの時、後の二人はどうしてたかと言いますと、C美は明るくなる迄、蒲団の中で泣きながらお経?を唱え続け、G子はあまりの恐怖に絶えきれず、朝まで白眼を剥いて失神していました…違う意味でこっちの二人も怖かった…(T◇T)

翌日、皆で疲れ切った顔して朝食を済ませ、すっかりテンションの下がったB君とA子は帰る迄、スキー場のレストランで過ごし、私達はわだかまりは残るものの、それは別としてスキーを楽しみ夕方にはスキー場と民宿をあとにしました。

帰路途中、休憩に立ち寄ったドライブインにて、D君がB君に「一緒にお祓いに行こうか?」(素晴らしき友情に乾杯!)と話し掛けた時、B君が今回と前回に自分が体験した事をポツリポツリと話してくれました。その驚愕の内容とは…

前回、A子と二人で初めて民宿を訪れた時、B君もC美と同じ様な違和感を憶えたそうです。でも自分の気のせいだと思って、気にしない様にしてたらしいんですが、3時頃にトイレに行きたくなって、目が醒めた時、異様に背筋が寒く、何故か部屋の外に言い様の無い恐怖が感じられ、恥ずかしい話、大の男がトイレに行きたいのに余りの怖さで、どうしようも無かったそうです。

でも我慢も限界に近づいたB君は本人曰く「渾身の勇気振り絞り」トイレへ立ったらしいのです。ただ隣に寝ていたA子にとっては【大魔人降臨】以外の何物でも無かったのですが…。

でも翌日、B君はこの事を「やっぱり気のせい!」と考え、スキー場も民宿も及第点とし、今回のツアーに挑んだのらしいですが…

今回はトイレがしたくなったのもあるのですが、実は隣の部屋の物音で目が醒めたらしいです。そして前回と違い、昨晩は部屋の外に恐怖感は無く、B君の気持ちは皆の想像通り「寒いし、どうしよう?我慢できるかな!?」だったそうです。

ですが隣の物音が気になるので、トイレの序でに注意しようと思い、部屋を出て隣の部屋を覗く(各部屋の扉に磨りガラスが入っている)と、電気が点いていて、テレビも点いている様だけど、彼が廊下に出たので慌てて音量を下げて様子を伺っているみたいで、その時は物音ひとつしなかったそうです。

B君は「分かれば、よろしい( ̄^ ̄)」と思い、注意せずトイレに向かったのですが、トイレに入るとまたテレビの音量を上げたのか音が聞こえてきたそうです。この時かなりムカッーときたらしいですが、用を済ませトイレの扉を開けた瞬間にまたテレビの音量を下げたみたいで静かになったそうです。

沸々と怒れるB君は息を殺し続ける隣の部屋の前で様子を伺っていたのですが、何も動きが無いので、警告の意味を込めて舌打ちし、部屋に戻り寝床に入ったそうです。

蒲団に入って直ぐに隣室から、また音が聞こえ出して「このク○ガキ共がぁ!」と思ったそうですが、隣から聞こえる音をよく聞いてみるとテレビの音では無く、どうやらボソボソと話す人の会話らしく、しかもお爺さん・お婆さん達の会話だったそうです。

それでB君は最初、隣室の人達は学生等の若いグループと思っていたのですが、実は老人グループ(10人ぐらい前後の)であり、よく「お年寄りの朝は早い」と聞くし、「仕方ないか!?」と今の怒りを静めて、お年寄り達に気を使って黙っておく事にしたらしいです。

が、隣室の会話を黙って聞いてると、段々と声が大きくなり、ドタドタと部屋と廊下を出入りする音や廊下を歩く音が聞こえ、最後は扉越しでも普通に会話の内容が分かるぐらいに聞こえきたそうです。

その会話の内容とは「今から山頂まで登れば日の出に間に合うから…」「そろそろ出発しようか!」「ああ、○○を忘れるとこやった」とか「○×さん早く用意しぃ…時間無いで…」等と聞こえてきて、とうとうB君は「いくら年寄りでも我慢出来へん、常識が無いやろォー!」とブチギレて隣の部屋の老人達を怒鳴り上げるべく、立ち上がったところを私達に抑えつけられ、A子に抱き締められて、朝を迎えたと…

「俺は何物にも獲り憑かれてない…仲間やったら分かるやろ。あの時、訳が分からん事を泣き叫びながら飛び掛かってきた、お前らの方がよっぽど恐ろしかったわ…(T◇T)」というのが真相なのだそうです。

ですが今回、私達がスキー場から民宿に帰って来た時には、私達の車以外は民宿の駐車場には無くて、夕食や朝食の時も私達グループだけだったし、お風呂やトイレに行く時に私やA子らは、他の部屋はどんな感じだろと隣室を開けて覗いたりしましたが、電気は消えており勿論、誰も居なくて宿泊・使用している様には見えませんでした。勿論、お年寄り達の会話も一切聞こえませんでした。

朝方あんなに騒いでいた私達に何も言わない民宿の御夫婦達は何か知っていたのでしょうか? そしてB君の言うお年寄り達は果たして朝日を拝む事が出来たのでしょうか? 一体、あの雪山のヘルハウスで何があったのでしょうか?

最後までお読み頂いた皆様に心より感謝致します。m(__)m

 

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