【怪異】憑け物語り-ツケモノガタリ-①/HN:こげ

憑け物語り-ツケモノガタリ-/HN:こげ

土曜日、久しぶりに休日出勤無しのお休みです♪
お寝坊しようと思っていたのですが、
母に起こされて…いつも通りの起床時間と相成りました。
朝ごはんをいただいていると…床板が腐ってしまった物置の修理を命じられました。
け、計算づくで起こしましたねお母様…それにそういうのは父の担当じゃ…

「お父さんは天神様の境内掃除に行ったわよ!
 年頃なのに彼氏いないし、休日の朝から出掛ける気配ないし、
 安穏と生ぬるい環境に身を置き惰眠を貪ってるあんたが悪いんでしょ!」

「ぐぬぬぬぬぬ」

お母様…アムロだってガンダム乗らないときはボケーっとしてますけど…
脱走したり…ハロのメンテしたり…
ここずっと働きづめでやっと取れた土曜日のお休みですよ!?

「ジャージ着る!軍手はめる!大工道具持つ!はい、状況開始!!」

「鬼~!!」

何が悲しくて朝から年頃の娘がジャージ着て軍手はめて大工仕事なんか…
手回し良く…というより父がやる気満々だったみたいで、
床板を張り替える木材とか全て揃ってるじゃないですか…
ドナドナを歌いながら作業に掛かりました。
まず腐った床板を取り除く作業から…

「きゃああ!!」

剥がした板の向こう側で…猫さんがお亡くなりになられていました。
カピカピ乾いた状態で…ミ、ミイラ化されてらっしゃいます…

「どうしたの?女の子みたいな声だして…騒々しい子ね」

ごめんなさい…これでも女の子なんですけど私…

「お母さん!ね、猫さんが死んでる!!」

「そりゃ、猫は永遠の命を持っている訳じゃないから普通に死ぬわね」

そういう事じゃなくって…

「死んでるのですが…」

「物置の修繕担当責任者はあなた、そこで起こったことを処理するのもあなた」

「…お塩とお米とお酒とお線香をお願いしますお母様…」

「それくらいはして差し上げましょう」

「あ、ありがとうございますお母様…」

なんか泣きそうです私…
スコップでお庭の隅…椿が植えられているすぐ横に穴を掘り、
あまり御遺体を崩さないよう丁寧にちりとりと箒で掬い…運びました。
できるだけ生前のお姿のまま埋めてあげたいです。
干乾びた前足と後ろ足の間にちいさな毛の塊が四つ見えました。

「あ、ああああああ…」

手が震えて…視界が…涙でぼやけて…
子猫だったものでしょう…
たぶん、子猫を産んだまでは良かったけど…産後の肥立ちが悪く…
動けなくなったお母さんが亡くなって…お母さん無しじゃ生きてはいけない子猫が…

「ごめんね…生きてる時に気づいてあげられれば…」

毛と骨だけになってしまった猫の親子…
遺体の上に土を被せて小さなお墓を作り、
母が持ってきてくれた塩と米とお酒を撒いて、
お水と、お線香を供えました。

「大した供養も出来ないけどごめんね、許してね」

私はお墓に手を合わせ、猫さん親子の冥福を祈りました。

フッ、私にも複数の殿方を侍らせて夜遊びする甲斐性があるのですよお母様!
その日の夜です。
私が所属する心霊スポット探検チームのメンバーと会う約束してたのです!
私以外は全員男子!!女子は私のみ!逆ハーですよ!逆ハーレム状態!!
誰が為に我は征く~♪誰が為に散り行くなら~♪何故故に~♪(ウチクダケー)

「なーんて、あんな人達(ヘンタイタチ)じゃ、ひとつも威張れない…威張れないよ私………」

それに約束と言っても…
次回の心霊スポット探検の企画を練ったりする連絡会だったりします。
よく会合で使わせていただいてますおもちゃ屋さんの作業場ですが、
今夜は店長さんが商店街の寄り合いへ出席するので使えないという事で
自宅から30分程のところにあるファミリーレストランで打ち合わせをすることになりました。
夜もまだ早い時間とあって駐車場は車がいっぱい…
それでもなんとか空いてる駐車スペースを見つけて車を停めて店内へ向かいました。
お客さんがいっぱい詰まってますよ。
レジの前でキョロキョロ…みんな来てるかな…

「あ………」

な…何、あそこ…禁煙席のあの一角…なんかものすごく空気が澱んでいるのですが…
なんかいます…あの席…
あんなところによく座れるものですね…お客さん…

「あれ?」

件の席…座っている人達に見覚えが…と言うか…心霊スポット探検チームのメンバー達です。
リーダーのA君、B君、D君…あと一人の男性…誰でしょう?
店員さんに待ち合わせですと断りを入れてA君達のところへ向かいます。
なんか…空調のせい…じゃないですよね?
体感温度が…急激に…席へ近づいていく毎に…下がっていくみたい…
視界も…明るい照明の下にも関わらず…妙に暗いような…
それに…耳に…なにかノイズ…誰かが耳元で…
まるで…言葉になっていない…意味がわからない…何か…
ラジオのボリュームを抑えて聞こえてくる感じ…何かを喋っているとしか…
囁きとはちょっと違う感じの…

いました…見えました…

こっちを向いて座るA君とB君の背後…
俯き加減…まるで見えない糸で天井から吊られているみたいに立つ
セーラー服姿の…ひとり…ふたり…三人…
背後の席とか壁とか身体を透かし…見えちゃってますね…
とりあえず皆に挨拶しとこっと…

「こんばんは♪」

「よぉ、早かったな」

リーダーのA君が右手を上げて応えました。

「こんばんは、駐車場入れた?」

続いてサブリーダーのB君です。
眼鏡の似合う理知的な相貌…優しく気遣いのできる人なのですが…
その本性は鬼畜眼鏡の変態紳士です。

「うん、なんとか停められました♪」

「今日もいいおっぱいしてるね」

「うっさい黙れ」

D君は何時も通りのオープンスケベです。
もう一人の男性…やっぱり初めて見る方ですね。
背後の女子高生も当たり前ですが返事ないです…生きてないし…

「あ、こいつはGって言うんだ。今月からメンバー登録になった新人君」

ぺこりと頭を下げるGさん…細面で色白なちょっとお公家さん風味のお顔されてます。

「はじめまして…えっと…あの、顔色が悪いみたいですが…大丈夫ですか?」

「………………」

「まぁ、あんなことあったのだから仕方ないよなG?」

「気にするな気にするな」

うわ、A君達…他人事みたいな…
短くGさんに自己紹介をしてからD君の隣…A君の対面へ座ります。

「何か頼みました?」

「いや、全員揃ってからと思ってな」

あとは…C君だけですね。
セーラー服姿の女の子達…酷い表情…縊死…です…ね…確実に…

「で、後ろの女子高生達どうしたんですか?」

「ああ、Gがナンパしてきた」

「なわけないでしょ!」

「憑いてきた」

「ですよねー」

「お前…『告別(さよなら)ノート』とか『天使達の叫びノート』って知ってるか?」

本当に疲労困憊と言った風のA君が思い掛けない事を言い出しました。

「えっと、確か…自殺した女子高生の手から手へ渡り続けている…
 彼女達の断末魔…死ぬ寸前の想いが綴られたノート…
 最近の遺書も残さず自殺する女子高生達はそのノートを遺書としているからとか何とか…
 四…五年前…くらいに生まれた都市伝説ですよね」

「今回、俺達が下見してきた●●区の訳ありアパートで…その現物を見つけちまった」

「なんですって!?」

「正確にはGだけ…だ」

通称『JK殺しのマンション』とか『女子高生スーサイドマンション』と言いまして…
最近、立て続けに8人の女子高生が自殺し、続々と入居者が減少して半分廃墟化したという
二棟並びに建つアパートの事です。
それから女子高生の幽霊を目撃したと噂が出て、
マニア注目…突撃者続出で話題の心霊スポットになってたりします。

「結界等の人為的に作られた呪術圏じゃないと見て分かったから中へ入った訳だが…
 なんていうか…Gのサポートするの忘れた」

「………………」

だめじゃん、それ…初めての人に対して…

「チームへ入る以前、結構な場数をこなして来てるっていうからな…
 それなりの対処法とか心得てると思って…」

「まさか…中へ入って五分もしない内に、やらかしてくれるとは思わなかったから…」

「あちゃ~」

こめかみを親指と中指で押さえて俯くと…
あれ…誰?
ローアングルから…
テーブルの下から虚ろな目で見上げてくる…ブレザー姿の女の子…
しっかり目が合いました!

「…こっちにも…いるんです…けど…」

もう一人…椅子の中から…這い出てきました…

「あぅ…」

「うん、そっちまだマシだから。
 こっちは目が飛び出して舌が長く垂れてるのが3人見上げてる」

目は飛び出てないけど…デスマスク…すごい表情…
床の上…足を投げ出し座っているのはドアノブで…吊ったみたいですね…
這い出て来た子は…リストカット…違いますね…服毒…両方かな…
それぞれ椅子やテーブルの脚と身体が重なっちゃってます。

「8人揃ってるぞ。自殺した女子高生の霊をフルコンプ!」

うれしくないよー
A君達の背後に3人…その足許に3人で…私の足許に2人…計8人ですか…

「帰りになんとかしようと色々と手を打ったのだけれど…駄目だった…8人残らず…」

「仲間はずれにしちゃ悪いって映画『紅●豚』で上條恒彦が言ってたろ?」

「マンマユート団のボスでしたっけ?」

「ああ」

「どうしたらそんな事になるんですか!?」

「Gが彼女らの想いを綴ったノート開いて
 ゲラゲラ笑いながら朗読したら…そうなりました!」

「注文お願いしま~す♪」

自業自得ですね…C君まだだけどいいや!
席の傍、食器を運び厨房へ戻ろうとしているバイト店員さんに声をかけました。

「はい、代わりの者が伺いに参ります♪」

見える人が見れば死屍累々な私達の席へ、
素敵な笑顔を振りまきバイト店員さんは去っていきました。
いいなぁ~見えないって…
注文を取りに来た店員さんも運よく見えてない方でした。
C君が来るまでの間につまむ程度の飲み物と軽い食べ物を注文します。

「ん?」

A君が話を途中で止めて怪訝そうに、テーブルの下へと目をやりました。

「どうしたの?女子高生が何かしたとか…」

「いや、なんか足に当たったような気がしたんだ生き物的な」

「気のせいだろ?」

「俊雄君(呪怨)?」

「ソレいたらマジで怖いから」

「俊雄君が駄目で…目と舌が飛び出た女子高生の幽霊はいいんですか?」

「女子高生だからな!!」×3

A君…B君…D君…女子高生ならデット・オア・ライブですか…
さんかれあ上等ですか、そうですか…

「………………」

その時はそれだけで終わっちゃったのですが
注文の物が運ばれてきて言葉少なくもそもそと食事してますと…
今度はB君が「おや?」とテーブルの下を見ました。

「なんか足にまとわりつくような感触がしたんだ」

「B君も?」

「ああ、なにか四本足的な生き物に感じた…犬とか猫的な」

「あ!まただ…」

A君の足にまたなんか触ったみたいで、テーブルの下を確認…
しかし、やっぱり何もいないご様子です。

「なんだろね?」

「なんだろな?」

ふと、目を入り口へ向けたところに店内に入ってくるC君の姿がありました。
あっちも私達に気づいたみたいで、レジにいる店員さんへ断りを入れてこっちへやってきます。

「あ………」

C君の後ろ…にいる男女一組へ注意が向きました。
二十代半ばから三十代前半くらいでしょうか…
男性は無地のシャツにスラックス、
女性はクリーム色のカーディガンにフレアな丈の長いスカート…
彼等はC君の背後へ付き従うみたいにして…
そのまま、私達の席まで来ちゃった。
食べ終わった食器を片付けに通りがかった店員さんが二人をまるで気にしないように
すばん!と早足で突き抜けていきました。
量子トンネル効果みたいに…10の24乗分の1の確率が今ここにみたいな…
こっちも確実に…ですね…

「ええと…C君…来たばかりで
 こんなことを尋ねるのはなんなんだけど…」

「え、なになに?なんでも訊いて!!」

あの…鼻息荒くして期待されても困るんですけど…

「後ろの二人って?」

「ああ…なんだ…そんなことか…」

私が何を訪ねると思って期待したんですかC君!?

「次の探索に提案しようとしてたダブル不倫の末に心中した現場へ行ったらつかれた…
 立小便の隙を衝かれた…憑かれた…か…」

手…繋いでるだけじゃなくて…赤い紐で手首同士をぐるぐる巻きに縛ってます。
死んでからもずっと離れない…為ですよね…
でも、そんな純愛的なものは…感じられなくて…最悪な雰囲気です…
かなり怒ってらっしゃるというか…
誰彼構わず呪いを振り撒いているみたいな…危ない感じ…
あと少しで鬼と化しそうな…生前の二人に何があったのでしょう…

「入水か…ずぶ濡れだな…」

「お前等、逃げないのか!?」

Gさん…腰を浮かし逃げようとか?
でも、あなたはすでに8人の女子高生に囲まれて…

「ゆーれー♪逃げてどぉなるのかぁ~♪」

C君…余裕で内●田洋とクール●ァイブの替え歌…

「もうCもGも憑かれているんだろ?逃げてもついて来るだろ常考」

「いいから芋食え、揚げ芋!」

「飲みねぇ飲みねぇ~茶ぁ飲みねぇ~」

な、なんて冷静な…
さすが心霊スポット探検チームの主要メンバーですよ!
四人ともすごい毅然としてます。
こんな強い霊を10体…目の前に置いて…
惚れるかも…

「こういう時、頼りになる人間が俺にはついているからな
 飯を食ってからら連絡して指示を仰ぐとしよう」

あ、だからですか…
Hさんに丸投げ…する気満々なんですね…
A君は店員さんを呼んで追加注文を取りました。
ステーキとかハンバーグとか重くてお肉中心な…ディナー的なものを…

それで…注文したすべての料理を平らげ…
食後のデザートとコーヒーまで終えて
A君はものすごい余裕の表情で優雅に携帯を操作して
Hさんに連絡を入れます。
しかし、電話にその方が出ましたら態度一変!
思いっきりの低姿勢ですよ
平身低頭徹頭徹尾…
あまりの…あまりにも…あんまりな卑屈ぶり…
格好悪すぎ…というか醜悪…
ペコペコと携帯に向かって頭を何度も下げ…

「何卒何卒よろしくお願いします!」

どぶ板選挙で各家を廻る候補者みたいに最後の最後のお願いをして通話を切りますと…
途端にリーダーの威厳を取り戻して、えへんと咳払い…
ぽかんと口を開けてる私達に

「Hさんが言うには女子高生と心中のカップル以外にも
 猫の親子が5匹憑いているそうで
 どれもこれもタチがあまり良くないから急いで家まで来いって」

「猫の親子って…」

もしかして…あの…物置の床板の下の…

「あ!脚に触ってきていた…あれか!」

「あれ…猫だったのか…言われてみれば…猫が擦り寄ってくる仕草だった!」

A君とB君は顔を見合わせて叫びました。

「しかし、猫の親子…そんなのどこで憑かれたんだ?」

「確かに…まるで身に覚えがないな…」

腕を組んで考え込む二人…そぉっと手を挙げて

「そ、それ…私です…」

「え!?」

「まさか一人でスポット探検しちゃったの!?」

「それとも俺達以外の男と!?」

「いえ…物置の床板が腐っちゃったからどかして修理しようとしたら…」

私は猫の死骸を見つけた話を四人にしました。

「なぁ、早くHさんの家に行った方が良くないか?」

「CやGはともかくとして、これは一大事だ!」

「なんで俺とGはともかく…なんだ!?」

「猫が五匹だぞ!?懐いて使い魔とか式神とか護鬼とかになったとしたら
 Hさん…猫達そのまま放置するぞ絶対!
 そうしたら、こいつに今までみたいなセクハラできなくなるじゃないか!」

「そ、それは大変だ!」×3

「…………」

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  • こげ

    紫媛様

    G君ですが…他のお話にも登場します…けど…ほとんどモブなので…
    男性はアルファベットなのですが女性はなぜかハンドルネームで登場なんですねw
    そのハンドルネームも仮名にさせていただいてますがw
    次辺りでキャラが増えます…えっと、サイト主催の心霊スポットへ行く時って
    5の倍数だったりするんです参加人数。
    車一台に五人なので…以前、車二台で片方が四人だったときなんですけど…
    帰りに一人多かったんです。後部座席に二人な筈が三人乗ってて…
    それ以降は5の倍数と決まりました。

    ありがとうございます♪

    あー外国語読めなくてごめんなさい(T_T)ごめんなさい

     
  • Smithc159

    Really informative article post.Thanks Again. Awesome. dgefacadgadkfcbf

     
  • Pharmf590

    requirements. Recognitions pro suggestion like operative, balanced, explanatory as well as moreover exuberance thinkings about this issue to Gloria. eebaadegfdbf

     
  • 紫姫

    新たにG君が、入隊され これからも、 ○娘。みたいに、増員されるのかな[s:18287] 今回、多く憑依され 怖がらずに、ファミレスや ツ○ヤ へ寄り つつ 余裕ありますね(笑い)毎回楽しめ 嬉しい。( ^∀^)

     

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