【怪談】屋根裏に潜む者②/HN:忍冬

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そんなある日、哲二達の部屋に一組の夫婦が訪ねて来たのです。
その夫婦はお婆さんの娘夫婦だったみたいで…
母が迷惑をかけたと言って菓子折りを持って謝りにきたそうです。

哲二達も遠慮せずにそれを受け取り、お婆さんは大丈夫ですか?と様子を訪ねたといいます……
すると娘さんは…「私達が母の部屋を訊ねた時、母はおかしくなっていました。
言ってる事もおかしな事ばかりで…
それで心配になって一度病院に連れて行ったんです。
そして色々検査した結果、母は統合失調症と診断されました。
それで幻覚や幻聴等の症状が表れ、被害妄想にとらわれていたようです。
本当申し訳ありませんでした。
今は心配なので私達と一緒に暮らしています。
こっちの部屋も近いうちに片付けて引き払おうと思っています。
本当にご迷惑おかけして申し訳ありませんでした」
と言って何度も謝り帰って行ったそうです。

哲二達もこれで何も心配なく暮らせるようになったなと思ったのですが……
これが恐怖のはじまりでした。

しばらくは何もなかったのですが……
ある日大量に買っておいたカップラーメンが全部なくなってる事に気が付きました。
一個位なら食べてしまった事を忘れるというのはあるかもしれませんが、普通に10個以上はあったそうです。
部屋中探したそうですが、結局見つからなかったようでした。

そしてそれからもおかしな事が続いたそうです。
食糧がなくなるのはしょっちゅうで、他にも衣類がなくなったり、部屋の物が知らないうちに壊されてたり、酷い時には部屋中が泥だらけになってた事もあったそうです。

もちろん出掛ける時には窓や玄関はしっかり施錠してたし、誰かが入ってくるって事は考えられなかったそうです。

そしてそんな日が続くようになってから、更におかしな事が起こったそうです。

頻繁に屋根裏を誰かが歩いてる
音や、何を言ってるかハッキリは聞こえないのですが、ボソボソと男女の話声等が聞こえるようになってきたらしいのです。

はじめは屋根裏に誰か侵入したのかなと思って、押し入れから天井板を外し、屋根裏に上がって屋根裏を確認したそうですが、人影は全くなく、しかも普通に人が立って歩けるような場所ではなかったそうです。

もちろん隣の部屋の屋根裏にも全く行く事はできなくなっていて、足音や話声の正体は解らなかったそうです。

その後も頻繁に話声や足音、部屋の中を物色されたりしたそうですが、どうする事も出来なくストレスだけが溜まっていく一方だったそうです。

そんな日々が続き、流石に気持ち悪く我慢できなくなって大家さんに相談したのですが……
「あんた達もお婆さんみたいな事を言うのかい?」
と言ってほとんど何もしてくれなかったそうです。

そして足音や話声をよく聞いてみると、それは隣の部屋から屋根裏をつたってやって来るのがわかったそうでした。

来るのはわかったのですが、問題はどうやってやって来るのかでした。
屋根裏は普通の人間では通れません。
という事は人間ではないのではないかと考えたそうです。

そこで哲二は自分の親に相談したそうでした。
するとあるお寺を紹介されたそうです。

藁にもすがる思いでそのお寺に行き、相談してみたところ、そこの住職さんが一度部屋の様子を見に来てくれることになったのです。

そして部屋にきた住職さんが、お経をあげて御札を天井や壁に貼り、「部屋の四隅と玄関に盛り塩をしなさい」と言って帰って行ったそうです。

そして言われた通りやったのですが、相変わらず被害はおさまらず……
どんどん精神的に追い詰められていったそうです。

もしかすると自分達もお婆さんみたいに病気になってしまったのではないかと悩むようになってしまい、一度病院で診てもらおうとまで思い詰めたそうです……

ですがその前に一度本当に病気かどうか確かめようと思い、それで私を部屋に連れてきたというのです。

「なるほど、それで何も知らない俺に、その足音とか聞こえるかどうか確かめてほしかったという訳か?」

「そういう事だ」

「じゃあ俺じゃなくてもいいぢゃん」

「うん、誰でもよかったんだ。
朝コーヒー買いに行ったらたまたまお前がいたからさ、それで頼んでみたんだよ」

「頼んでないぢゃん、飯で釣って連れてきただけだろ」

「細かい事は気にしないでくれ、それより今日泊まっていかないか?」

「話がいきなりで意味が分からないんだけど……
何でこんなお化け屋敷みたいな所に泊めようとしているのですか?」

「頼むよ、夜中が一番凄いんだ」

「……余計嫌なんですけど……」

それから何故か泊まる事になってしまい、夜中まで寝ないでずっと三人で話をしたり、テレビを見たりしました。

そして夜12時を過ぎた頃、屋根裏からまた『ギシ、ギシ』と足音のような物音が聞こえ始めたのです。

そして更に何を言ってるか分かりませんが屋根裏の方からボソボソと男女の話声が聞こえてきました。

「ヤバイ……本当に聞こえる……」

「やっぱり聞こえるよな……」

そしてしばらくすると、また『ギシ、ギシ』と聞こえ始め隣の部屋の方に足音は消えていきました。

「なぁ、これなんなんだ?」

「分からない……分からないけど何者かが屋根裏に潜んでるみたいなんだよ」

「でも人間じゃないよな……」

「多分そうだな……」

「多分お婆さんもこれに悩んでたんじゃないのか?」

「多分そうだな、もしかするとお婆さんは統合失調症じゃなかったのかもしれないなぁ……」

「哲二達はこれからどうするんだ?」

「お前のお蔭で自分達が病気じゃないって事が分かったからな、新しい部屋でも探して引っ越しでもするよ」

「なんか変な部屋見つけちまったな、ごめんな……」

「お前は悪くないよ、この部屋に決めたのは俺達なんだから……」

それから茶の間に布団を敷いてもらって私は寝る事にしたのです。
哲二達も寝室に行って寝てしまいました。

私は気持ち悪くて寝れないかなと思ったのですが……
不思議と簡単に眠ってしまったようでした。

何時間位寝ていたのでしょうか……
私は何かの物音で目がさめました……

ふと窓の方を見ると、カーテンの隙間から日の光が入っています。
11月下旬頃でしたから、朝6時を過ぎてるのが外の明るさで分かりました。

物音の方に意識を集中すると、どうやらキッチンの方から音は聞こえきていました。
朝からガッチャン、ガッチャン音をたてて誰かが何かをやっているようでした。

五月蝿いなぁと思いながらも、沙織ちゃんが朝飯でも作ってくれてんのかな?と思って、起き上がりキッチンの方に歩いて行きました。

するとキッチンに近づいた途端、音がピタッとやんだのです。
キッチンを覗くとそこには人影がなく、置いてある物等がグッチャグチャに荒らされていました。
私はビックリして、急いで哲二達を起こしに行ったのです。

寝室のドアを何回も叩いて声をかけました。
すると直ぐに二人は起きてきて、キッチンの荒らされようを見ると、固まってしまいました

キッチンの中は凄い状況で、天ぷら粉や片栗粉、何粉だか分からない物が撒き散らしてあって、食器等も散乱しており、その状況を見た沙織ちゃんはその場にペタンと座り込むと、「もう嫌」と言って泣き出す始末。
哲二もプルプルと体を震わせていました。

私は何て声をかけていいのか判らず、とりあえずキッチンを片付けていきました……
すると哲二達も一緒に片付けはじめ、これからどうするか話し合いをしたのです。

いつも足音は隣の部屋の屋根裏からやってきて隣に戻って行きます。
それで一度大家さんに言って隣の部屋を見せてもらう事になりました。

そして時間を見計らって大家さんに電話をかけたのです。

すると大家さんは午前中は用事があるので、昼からにしてくれと言って、昼から一緒に部屋を見てくれることになりました。

本当は私も行きたかったのですが…
その日は昼から嫁と買い物に行く予定があったので、哲二に部屋を見に行ったら、様子とか後から教えてくれと言って、私は自分の家に帰って行きました。

◇◇◇◇

そしてその日の夕方哲二が私の家を訪ねてきました。

「いらっしゃい、隣の部屋どうだった?」

「あそこはヤバイよ……直ぐに部屋を見つけて引っ越しする事にしたわ……」

「どうやばかったんだよ?」

哲二はソファに腰を下ろすと少しずつ話始めました……

「昼過ぎに大家さんが来てくれてさ、二人で隣の部屋の鍵を開けて入って行ったんだよ」

「それで?」

「うちらが茶の間に入った途端、屋根裏から『ギシ、ギシ』って歩く音がしてさ……」

「屋根裏に何かいたのか?」

「大家さんはその音にビックリしてたみたいだけど、とりあえず部屋の中を見てまわった。
そしたら部屋の中は別に何もなかったよ」

「それで?」

「それで音のした屋根裏を見る事にしたんだ…
押し入れに上がって天井板をずらして懐中電灯を持って屋根裏に上がってみた」

「なんかあったのか?」

「屋根裏の一ヶ所に何かこんもりと何かがまとまって置いてあるのが見えたんだ。
それで普通に歩ける場所じゃなかったから、四つん這いになって柱をつたって近づいて行ったんだ…」

「んでなんだったんだ?」

「それは俺や沙織、あと多分お婆さんとかあと誰のだか分からんけど、衣類とか布団とか、あとダンボールやチラシ等で、巣のようなものが作ってあった」

「巣?」

「そう、柱等をうまく利用して一ヶ所に山積みにされた衣類や布団、ダンボール等でそれなりの大きさの何かの巣がうまく作られてあった。
そしてそのまま食ったカップラーメンや無くなったお菓子、あと何だかわからん物までその中にグチャグチャになって置いてあった……」

「動物か何かいたのかな?」

「俺も最初はそう思ったんだ。
でも動物がいるなら動物の糞とか毛とかあると思って探したんだよ、でも出てくるのは食糧の食い散らかしたあとだけだった」

「じゃあなんだろな?」

「分からん、分からんけど屋根裏から聞こえる足音や話声は動物のものじゃないし、動物なら一度くらいその姿を見ててもおかしくないだろ……」

「確かに……」

「しかもお婆さんは盗まれた衣類を汚されてタンスに戻されてたんだぞ……」

「動物の仕業ではないよな……」

「多分あれは人の想像を超える存在なのかもな」

「もしかして妖怪とかか?」

「解らん……」

そして哲二は大家さんに、その巣のような物を見てもらったらしいです……
すると大家さんは「どうなってるんだ?何だこれは……
ありえないし信じられない、こんな事は初めてだ」
と言ってちょっとパニック状態になっていたそうです。

そして哲二は大家さんに「この部屋どうするの?」と聞いてみたところ、とりあえず屋根裏を掃除して、お祓いをしてもらうと言ってたそうです。

しかし哲二は、多分お祓いとか無駄だと思ったみたいで、直ぐに引っ越しする事を決めたそうです。

それから一週間位で哲二は引っ越し先を決め、引っ越しをしました。

哲二の話では、引っ越しする二日前に隣の部屋はお祓いしたらしいのですが…
多分効果は無かったのでしょう。
引っ越しした日にも屋根裏からから男女の話声は聞こえてました。
引っ越しの手伝いに行ってる私が聞いたのですから、間違いないと思います。

結局あれは何だったのかは分かりません。
哲二はあの隣の部屋に越してきた若い男女が何か関係あるんじゃないのかな?と言っていました……
それか、もしかしたらあの男女も被害者だったのかもしれないとも……
もし被害者ならあの屋根裏の者達はいつからあそこにいたのでしょう……

わずか二三ヶ月で引っ越して行った若い男女、引っ越しした後にお婆さんがおかしくなっています……
関係あるかどうか分からないですがちょっと不気味に感じると言っていました。

あと関係ないとは思いますが、哲二の部屋の真下の住人もいつの間にか引っ越ししていなくなっていたそうです。

ちなみに今でもそのアパートはあります……
今でも屋根裏に巣のようなものを作り、潜んでいるのでしょうか?

私が知ってる中で、結構不気味で気持ち悪い話だったので書いてみました。

2014年09月22日(月) 17:31
忍冬 ◆aIcUnOeo
投稿広場より掲載

 
  • 忍冬

    返事が遅れてしまって申し訳ありません。
    コメントありがとうございます。

    最近、忙しいのと体調不良のため、なかなか返事ができませんでした。
    すいません。

    Xファイルにそのような話がありましたか…
    よく見ていたのですが、記憶にないです…
    今度Youtubeか何かでさがして見てみますね。
    情報ありがとうございます。

    海外にはこのような話があるのがわかりました。
    自分でこの件について調べた事があるのですが、似たような話もみつけれなくて、ただの不気味な出来事で終わってたんですよ。
    今度もう少し調べてみようと思います。
    ありがとうございました。

     
  • 紫姫

    日本にも この様な事 本当に在ったら 恐ろしいと 思います。 投稿者様の お話しを 拝見して もっと 身近に 感じられました。 有難うございました。(^-^ゞ

     
  • 紫姫

    昔 海外ドラマで 、テレO 金曜日 夜8時連ドラ で FBI捜査官男女達が、謎や 摩訶不思議 や UFO等を調査&ファイルする。 何話かに … ある 白人の 地域で 忽然と男女達数名が、行方不明 事件が、 多発する。捜査が、進む中 通常とは、明かに 違う事ばかり、主人公 モル〇ー捜査官は、ある日、この 奇妙な 事件を知り 独自捜査を 相棒 スカ〇ー捜査官と捜査する。 結果 ある白人男性の住むアパートの床下に 新聞紙を細かく裂き まるで、何かの巣の様なのが、壁と床下の柱に くっ付けて有り モル〇ー捜査官が、薄手袋を嵌め ピンセットを持ち 巣らしき 新聞紙を剥がし 調べる。 だが、剥がした 新聞紙は、何か ネバネバした 何かで コーティングされ それで 新聞紙が、貼りつき 繭の 状態。 しかも、中が 空 で 内側には、行方不明者が、おそらく 失踪 した時に 着ていた と 推測されていた、 服の一部が、発見。 背後 から 素早い 動きに 気付くが… スカ〇ー捜査官が、白人男性(犯人)へ 銃を放つが、当たらず 襲われる 瞬間 モル〇ー捜査が、今度は 数発 脇辺りを狙い 犯人逮捕へ… エンディング キャスト&スタッフ ロール途中に 場面切り替え 犯人が、精神科の隔離病棟らしき 場所に連行され るシーンの中… スカ〇ー捜査官の 捜査レポートの報告書が、読まれ 事件後のナレーションはいり 隔離病棟の各閉鎖扉(頑丈な) が、重い音で 閉まる…。 犯人は、独り 薄暗い狭い 部屋で 寝かされ 独房のホスト から新聞紙の 投函される 音に 眼を覚まし 無表情&無言 で 新聞紙を 掴み 一気に 新聞紙を細かく切り裂き 又 黙々と 異様に 細長い舌で 唾液で ネバネバ した 新聞紙を 一枚づつ 丸め それを 壁へ 投げ捨て 巣を 作って いた。 かなりの量が、沢山壁に 山盛りに なり 独房の扉の前には、 屈強な 警官が、二人 無言で、 立ち 時折り 犯人の 様子を覗き 異様な 光景に 同僚へ アイコンタクトして 呆れる顔を 作り 見張りをする。 そして 画面が、フェードアウトして 独房前の薄暗い廊下が、続き 時折頑丈な扉が締まる…。 かなり異常な作品。 本当に 長くて すみません。(__)

     
  • 忍冬

    コメントありがとうございます。

    江戸川乱歩の屋根裏の散歩者は有名ですね。
    実体はあると思いますよ、哲二の話ではラーメンや他の食料の食い荒らした跡があったようですから……
    ですが、姿は見てないそうです……
    もしかしたら見えないだけで近くにいたかもしれませんね。

    勘違いや、物忘れで身の回りの物がなくなってると感じるだけならいいのですが……
    実際に物がなくなってたりしたら、本当にこわいでしよね……
    もしかしたら屋根裏だけじゃなくて、床下とかにもいるかもしれませんよ……

    私家は蟻やクモがたまにいますけどね……
    他に換気口にたまにスズメが巣を作るくらいですけど……
    虫が家に入ってくるだけでも嫌ですね……

     
  • 0.血苺

    厄介な『屋根裏の散歩者』ですね…
    ラーメンを盗む(食べる)なら、実体があるとゆう事なんですよね(ーー;)

    そんな居候は絶対御免です!

    …でも、うちもたまにしまっておいたお菓子が無くなり
    ダンナも娘も「知らない」とトボけるので
    「見え透いた嘘を吐くんじゃないよ!」
    と叱っておりましたが…まさかね〜。
    なんだか急に、天井が気になってきました。

     
  • 忍冬

    コメントありがとうございます。

    正体はわかりません。
    人間なのか、動物なのか、幽霊なのか……
    妖怪と言うのが一番しっくりくるような気がしますが……
    わかりませんでした……

    おもしろいと言っていただけると嬉しいです。
    ありがとうございます。

    暇をみて書いていきますので、次に投稿した時も読んでいただけたら嬉しいです。

     
  • 忍冬

    コメントありがとうございます。

    結局真相はわかりませんでした……
    何の為の巣かはわかりませんが、卵とかを産む為の巣ならちょっとゾッとしますよね……
    正体が分からないだけに不気味に感じます……

     
  • くるみちゃん

    本当に気味が悪いですね。
    巣を作ってたということは、小さい何かなのかな?
    幽霊というよりも妖怪?
    気になりますね。
    とてもおもしろかったです。

     
  • 匿名

    真相が気になるー!!霊にしてもおかしいし・・・
    何の為に巣を作るんだ??

     

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