【怪談】特異な自殺者の物件

特異な自殺者の物件

一応オリジナルで実話です。

僕はY県のJR某駅近くのテナントビルでカクテルバーを営んでるんだけど、根っからの怪談好きってのもあって、深夜になるとたまに客と怖い話で盛り上がる事がある。

先週も、地元の不動産屋に勤務するAさんの話で店内は大いに盛り上がった。

僕は地元出身じゃないので知らなかったんだけど、平成になりかけの、昭和の後半10年の間に、新聞沙汰になった自殺が三件あるらしい。

その三件が三件ともその方法が特異だった事から、地元で育った客は皆覚えていた。

一人はガソリンスタンドの前で焼身自殺。一人は海辺の林の中に車を乗り入れての排気ガスによる自殺(腐乱した状態で発見)。もう一人は深夜小学校の体育館に忍び込み首を吊った。

A氏によると、その三人は全て、同じ物件の住人だったという。

話を聞いた者全員が(自分も含めて)、その家がどこにあるのか気になったが、Aさんは頑として教えてはくれなかった。

理由は「手離して現在は他人の持ち物だから」との事だった。客の中にマニアがいて「調べりゃ判る」と言う。すると真剣な顔で「あそこはマジヤバいから止めとけ」と怒っていた。

そこで「絶対に場所を特定しない」との条件で話を聞く事が出来た。

「最後の自殺者である中古車販売店のオーナーに貸した時は月五千円だった」Aさんは続けた。

「前の入居者が連続して自殺してるのを彼は知ってたのに。俺はむしろ止めたんだ。倒産して金に困ってて、家族には逃げられるわでかわいそうになってな。内心この人もやるんじゃないかなと思ってたんだが知らない間柄じゃないし、ガードマンから人生立て直すとかで懇願されて、つい」

一軒家の家賃が五千円。信じられない話だが事実らしい。

「彼の死後、二束三文で土地ごと売りに出したんだが売れる訳もなく、結局市に管理をお願いしてそれっきり。公園にでもするかって話だったが」

その物件は今もあるそうだ。

「その家、何故か百足が異常に多いんだ。屋内にも多いんだが、それでよく苦情の電話が掛かってきてたんだが、庭に大小三つの石が墓石みたいに並んでてな、まん中の石にはいつもでかい百足が何匹も干からびてた。夏場は特に凄いんだ。百足の集団自殺だよ」

僕はA氏に尋ねた。「自殺者が出る前の住人は?」

「大学の教授で車ごと崖から海に飛び込んで亡くなってる。一応事故扱い」

「その前は?」

「刑場跡地」

全員が押し黙った。

2014年10月09日(木) 07:19
天通の七不思議さん ◆-
投稿広場より掲載

 

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