【怖い話】噂の廃トンネル②/HN:芋の部屋

<<前回に戻る

走っている途中は、視界の横で常に、ニタニタと笑っている男の顔が見えた。俺は見えていないフリをしながら、震える手をなんとか押さえて走り続けた。
時折、ブランブランと揺らしているが原付のミラーに当たり、ミラーで後ろが確認できなくなっていた。

俺「・・・・・・・・ガチガチガチガチ」

たぶん、寒さでなく恐怖で歯が震えていただろう。それからは声も出なかった。

その時、男は俺達が走る前へと、スゥっといとも簡単に宙を移動するように浮いた。
原付のフルスピードで入っているにも関わらず、俺達の目の前とゆっくりとスピードを合わせるように近付いてきた。

俺&B「ぎゃあああああああああああああ!!!!」

そこで、俺はその男の姿をハッキリと見た。

その姿は、まるで動画にCGで貼り付けたような違和感のある姿で、手足をブランブランとさせたまま、右手には大きめのレンチを持っていた。
安全ヘルメットには小型のライトが付いており、先ほどのトンネルで見た明かりはこれだったのだろう。
男は、大体30代ぐらいに見える痩せ型の男だった。相変わらず、顔は青白くニタニタと不気味に笑っていた。

そして、ゆっくりとBの方へと向かって、レンチを振りかぶった姿勢をとった。

B「うわあああああ!!やめろおおおおおおおおおおお!!!!」

俺はこの時、白状だが自分は助かると思ってしまった。
Bはそれを避けるようにしたが、誤って転んでしまった。

俺「B! おい! くそっ!」

俺はBが転んだ方へ、原付を向けた。
正直怖くて仕方なかったが、Bが転んだ事で、この亡霊への怒りが恐怖を吹き飛ばしたようだった。

B「うおおおお! 助けてくれええ!!」

俺「バイクを立て直せ! 早くしろ!」

背後が怖い。
視界には男の姿が見えない。
それでも、俺はBのバイクを立て直し、Bも滑り込むように転んだので大した怪我をしていないようだった。

B「・・・・・アイツは? いねぇぞ?」

俺「え?」

俺は辺りを見渡すと、確かにあの男の姿が見えなかった。
これはチャンスだと思い、俺達は直ぐに逃げ始めた。

B「Aは? Aを見なかったか?」

俺「わからん! たぶん先にキャンプ場に行ってるはずだ!」

そして俺達はキャンプ場の看板を見つけた。
すると、入り口の所にAがいた。

A「お! お前ら!」

B「お前らじゃねえよ! 死ぬところだったんだぞ!」

俺「とにかく荷物の所に行こう」

Aは俺達の事を心配していたらしく、ずっと待っていたらしい。
俺達は最初に寝床を決めた休憩所へと向かった。
そこから周りを見ると、最初に見た家族連れのキャンプの明かりが見えた。

B「お前ら、荷物をまとめろ。直ぐにここからも逃げるぞ!」

A「お、おう!」

そして俺達は直ぐに荷物をまとめて、帰る支度を済ませた。

俺「ちょ、ちょっと待って。あそこでキャンプしてる人達にも教えてくる!」

B「え? いや・・・・それは・・・・。ああ、わかった。俺達は入り口の方で、アイツが来ないか見張ってるわ」

A「え? アイツってなんだよ!?」

俺「わかった、直ぐに行く」

俺とBは、Aを無視するようにしていた。事を早く済ませたかったからだ。
そして俺は、家族連れと思われるキャンプへ向かった。

俺「あ、あのこんばんわ・・・・。・・・・っえ?」

俺は驚愕した。
そこには、男の子2人と夫婦が、テーブルを囲うように姿勢良く真っ直ぐと座っていて、全くこちらに反応を見せる素振りもせず
ニタニタと笑いながら2対2でお互いを見詰め合っているように全く動かなかった。

俺「あ、あの! すいません!」

全く反応が無い。子供の一人はコップを途中まで持ったまま固まっている。
そこ光景が不気味で怖くなり、俺は直ぐにAとBの元へ行く事にした。

B「おう、どうだった?」

俺「あの家族もヤバイ、笑ってた」

B「行くぞ!」

有無を言わさないように、Bは急発進させて、来た道を進んだ。
Aと俺も直ぐにそれを追いかけるように急発進させた。

A「おい! ちょっとよぉ!」

B「何だぁ?」

A「あの店に逃げねぇか?」

あの店とは、最初に訪れた飲食店の事だろうと、俺とBは直ぐに分かった。
そして、かなり早いスピードで後ろをちょくちょく警戒しながら、飲食店へと着いた。

A「明かり付いてる・・・、た、助かったんだ!」

B「もう10時か・・・、遅くまでやってるんだな」

俺「こんな山奥なのにか・・・? まさか・・・」

A「お、脅かすなよ! 大丈夫だって!」

俺「あんな事があった後だぞ? 俺はもう帰りたいんだよ!」

B「まぁ、飯食ったら直ぐに帰ろう」

そして、Aは直ぐに店の入り口へと走り、玄関を開けた。
勢いよく玄関を開けたAは固まっていた。
そのAの姿を、横から見た俺とBは直ぐにAの元へと走った。

B「・・・・・・・」

俺「・・・・・・・」

A「あ、あの・・・」

あの店員が直立不動のまま、ニヤニヤ顔でコチラをジッっと睨むように見ていた。
このあまりにも不自然で不気味な店員にAも気がついたのか、汗をどっぷりと掻いていた。

A「何なんだよ! 何なんだよチキショー!!!」

そして俺とBはAを引っ張るようにして原付へと戻り、そのまま無事に帰る事が出来た。
家に着くまで、俺達3人はずっと無言だった。
そして、それからは特に何も起きていないが、この事は俺達3人だけの秘密にしておこうとなった。

因みに、Aは
“明るくニコニコと笑いのある作業場”と書かれた看板を見た後、6人ほど作業着を着た男がニヤニヤしながら立っていたと言っていました。
そして、あれからはその付近には近寄らなくなりました。

終り

結局、あれは何だったのかよく分からなかったんですが、3人だけの秘密にしておいてもアレなんでここに投稿させていただきました。
あれ以来、自分は人の笑顔が苦手ですw

2014年11月04日(火) 00:25
芋の部屋 ◆TNMEEIK6
投稿広場より掲載

 
  • 匿名

    最初と最後の飲食店が一番不気味

     
  • くるみちゃん

    怖い((((;゜Д゜)))
    こんな経験したらトラウマになりそう。
    その後は何事もなく過ごしてるようでホッとしました。

     
  • 匿名

    全体的にまとまりが悪く、山場の盛り上がりがなく平坦で終わってしまった。
    文章がくどいところも難点。
    最初の飲食店は伏線丸分かりなのだし、諦めてこの辺りで説明を入れたりして力を溜め、クライマックスはスピード感と緊迫感のある簡潔な文章でまとめた方が良いと思う。
    逃げたしてからのキャンプ場と飲食店もいまいち成功とは言えないな。
    こういう話を考えたから、作品に仕上げるまでもう少し、時間をかけて練った方が良いと思う。
    初めてなら頑張った方だ。
    次回作に期待している。

    俺の頃はだいたいが高二で自動二輪、高三の自由登校あたりから4月頭くらいまでに普通免許だったし、高校卒業してからわざわざ原付なんか取りに行くんだ?的な違和感があった。

     
  • 匿名

    読み応えあった
    作業着男の幽霊とは珍しいね

     

世にも奇妙な怖い話や都市伝説から不思議体験スピリチュアルまで…オカルト小説投稿/2chまとめサイト。1万3千話超えの厳選物語を貴方に★