【怖い話】噂の廃トンネル①/HN:芋の部屋

噂の廃トンネル/HN:芋の部屋

はじめまして、初投稿です。
いつも、別の形でこのサイトにお世話になっている者です。
これは、あまり怖くないかも知れませんが、恐怖体験を一つ語らせてもらいます。

あれは、俺が高校を卒業してから、原付の免許を取って直ぐの時でした。

原付の免許を取ったのは、俺を含めて、A、Bの3人でした。
Aはバリバリのヤンキーで、免許を取る前から原付を乗り回していた血の気が多い不良少年。
Bは見た目は怖いが、やけに冷静で優しい性格の奴だった。

何故か仲の良かった俺達三人組は、とある山の中にあるキャンプ場へと、一泊だけの旅行を計画していた。
あまり頭の良い3人組みでは無かった為、持って行く物は寝袋だけで大丈夫だろうと、テントを持って行く者は誰もいなかった。
そのキャンプ場までは、山の奥深くへ入っていった所にあり、近くには人が住む民家などは全く無い場所だった。
俺達3人は昼頃から出発して、地図も持たずに、感覚だけでそのキャンプ場へと目指していた。

もう随分と長いこと走っていたが、なかなか目標のキャンプ場が見当たらなかった。
時間は、夕方の5時くらいになっていて、辺りはもう日が沈んで薄暗くなっていた。
そこで、Aが突然。

「お! おい! あそこに飯屋があるぞ! ちょっと休憩しよーぜ!」

と、Aが指を指す方向を見ると、そこには古びれたログハウスのような飲食店があった。
その飲食店へと、原付を進め、玄関の看板を見ると“営業中”と書いており、昼飯もまだだった俺達3人は、急に腹の虫が鳴り、急ぎ足で店の中へと入った。

店の中は、外見とは逆で、レトロ調の綺麗なお店だった。ジャズなどが静かに流れていて、雰囲気の良いお店だ。
そこに、50代ぐらいの女性が奥の方からエプロン姿で出てきた。

「いらっしゃい^^ 何処でもお好きな所どうぞ^^」

感じのいい店員さんだった。
窓際にあるテーブル席へと座った俺達は、一息ついた後、オムライスを三つ頼んだ。

すると、Bが僕とAに小声で話しかけてきた。

B「なぁ…、こんな所に店ってあったか?」

A「あ? そんな事、どうでもういいだろう?」

と、言っていた。

実は、今回が始めての旅行ではなく、何度かキャンプ場には行った事がある。
位置は殆んど覚えてはいなかったが、目指す方向と道だけは何となく正しい事だけを覚えている。というより、殆んどが一本道の道路なのだが…。
確かに、前回来た時には無かった、道中でこの店の事を気がつかない訳がなく、道を途中で間違えたというような事も無いはずだった。

そこで、Bは店員にこの近くにあるキャンプ場を尋ねた。

店員「あ~、この近くね^^ あるある! この道を行ってたら看板があるはずよ?」

B「そうですか。それと、この店っていつ頃からやってるんですか?」

店員「・・・・・・」

Bの質問が聞こえなかったのか、店員は真顔になり、店の奥へと姿を消した。

B「あれ、何かマズイ事でも聞いたかな?」

A「お前…、今、あのおばちゃん、マジ顔だったぞ?w」

B「・・・・あれぇ? なんでだろ・・・」

確かに妙だった。別に悪気のある質問でもないのに、にっこりした顔から、急に冷めたような顔で無視をするのには、何か理由があったのだろうか。
だが、会計の時には元通りになっていた。
やはり、さっきは聞こえていなかったのだろうとBは安心していた。
それにしても、聞こえなかったとしてもあの冷めた顔が妙に気になるというか、少し恐怖を感じていた。

店から出た俺達は、再び原付へ乗り、出発しようとした時、急にAが。

A「おい、ちょっと待てよ」

B「どうした?」

俺「もう、日が沈むぞ?」

A「だからいいんじゃねぇーか! おい、あの場所行って見ないか?」

B「おいおい、まさかアレか?」

Aが言う“あの場所”とは、昔から噂になっていた心霊スポットの事だった。
噂では、そこに廃トンネルがあり、そこでクラクションやライトをハイとローに切り変えたりすると、幽霊が現れると言われるという噂だった。
その場所は、キャンプ場の近くにあるという事を最近聞いていた。
オカルト好きのAとBは、今思い出したように目をキラキラとさせていた。

A「よっしゃ決まり! 行って見るか!」

B「ったく、お前も好きだな」

俺「Bの方が好きなんじゃないのか?」

そして、キャンプ場への看板はわりと直ぐに見つかり。
一旦キャンプ場の寝床を探す事にした。

A「寝る場所どうする?」

B「あそこの、屋根がある休憩所みたいな所にしようか」

俺「寝袋しか無いからな・・・。丁度、ベンチもあるしいいかもな」

俺達は、バーベキューもできそうなレンガ作りの釜戸がある木造の休憩所へと寝袋をセットして、貴重品以外の荷物はそこに置く事にした。
キャンプ場には、他に家族と思われる車と、テントや食事などをする用のテントが一つだけ見えた。

俺(あ、他にも人が居る・・・。正直、俺達だけだったら不安だったし、ちょっと安心するな・・・)

A「じゃ、さっそく行って見ようぜ!」

B「丁度、日も落ちたし。雰囲気出てきたな」

俺「しょうがねぇーなー」

俺はこの時、正直行きたくなかった。隠してはいるが、人一倍怖がりなのだ。
そして、俺達三人はキャンプ場を放れて、例の場所へと原始付きを走らせた。

A「お、あれじゃねーか? たしか、あの地蔵を右に…」

B「おい、これ本当にあってるのか?」

俺(うおおぉぉ! 暗い! 怖い! 道路に草とか生えてるし! 誰もここ走って無いって証拠だ! それより、何だか寒いぞ? 何であの2人は平気なんだ?)

そして、Aは原付を止めた。

A「あれ、おっかしいな? この辺だって聞いたんだけどなー」

B「もう、キャンプ場から随分と離れたぞ? 噂だけで、本当は無いんじゃないか?」

俺「どうする? この先には外灯も無さそうだし、ヤバイよ・・・」

A「お? ビってんのか? お前」

俺「ビビってねーし! いいぞ! 行こうや!」

この時の俺は、馬鹿にされると直ぐに強がる癖があり、無理な事でも直ぐに出来ると言ってしまう悪い癖だ。

俺「うおおおおお! 寒いぜええええ!」

俺は全速力で原付を走らせた。

B「おい! ガス無くなんぞ! 待てよ!」

A「いいねぇ! よっしゃ俺も!」

そして、俺は直ぐに原付を止めた。
それから、拍子抜けしたような顔をしたAとBも止まった。

A「あん? どうしたんだよ?」

B「あ・・・・・・・」

俺「もしかして、あれなんじゃね?」

俺達3人の目の前には、車がギリギリ2台通れるぐらいの広さで、苔やら草が生い茂った壁の、比較的小さめなトンネルがそこにあった。
入り口には外灯も何も無くて、それがトンネルだとは直ぐには分からなかったが、妙に吹き抜ける嫌な風が、俺に気づかせた。

俺「暗い・・・な・・・」

A「な? 言った通りだろ?」

B「あ、あったんだ・・・本当に・・・」

オオオオオォォォォ・・・・っと風のせいか、そんな呻き声のような音が聞こえていた。

A「よっしゃ! ジャンケンな!」

B&俺「!?」

A[は? ここまで来たら、やるだろ普通」

B「お前がやれよ、A」

A「いや、俺はやるよ。でも、お前らもやるだろ? だから順番決めようぜ?」

俺「なんじゃそりゃ! こんな暗い・・・ってか何処に繋がってんだこれは」

A「だからそれも調べるんだろうが! さ、はやく決めようぜ」

B「最初は勘弁したいな・・・」

A「最初はグー・・・・」

俺も最初に行くのは嫌だったので、反射的に手を出したが、結果的に2人に負けてしまった。

俺「マジか! お前らグルだったろ!」

A「いいから早よいけや! 俺が最後なんだからよ!」

言い出しっぺのAがジャンケンに勝ち誇った顔でニヤニヤと俺を急かした。
ルールは、トンネルを出口まで走ったあと、入り口の方へ向けて、ライトをハイとローに切り替えるだけだった。

俺「くそ! お前ら、俺が行った後に帰るとか無しだからな!」

俺は覚悟を決めてトンネルへと入った。

トンネル内は酷く寒かった。原付には広く感じるが、妙な圧迫感も感じる嫌な空気があった。
道路もジャリや草などがお茂っていて、何度も踏む音が聞こえた。
もちろん外灯の明りもなく、真っ暗闇の中を走った。

そして、

俺「うおっ! 危ねぇ!」

俺は急ブレーキを掛けて、急停車した。
目の前にはガードレールが道を塞いでいた。そして、そこには花束が置かれていた。

俺「な、なんだ? 崖なのか? 花束って・・・自殺か? やべぇ!」

そして、俺は急いで入り口の方へ向かってライトをチカチカとハイとローで照らし、全速力で入り口へと戻った。

A[お、早いな! あんまり長くなかったのか?」

俺「いや、最後が行き止まりだった・・・気をつけろよ」

B「わかった、次は俺だな・・・」

そして、Bがトンネルへと入って行った。
しばらくして、遠くの方からライトがチカチカと見えた。
そして、やはり怖かったのだろうか、Bも全速力で帰ってきた。

B「・・・・・・・」

俺「・・・・・おい、B?」

A「よっしゃ! 最後は俺だな? お前らビビリすぎwゆっくり帰って来てやるよ!」

Bの様子が変だった。
そんな事に気づかずにAは、余裕なのか蛇行運転でエンジンをブンブン吹かしながらヤンキー走りで暗闇へと消えた。
途中で、ヒャッホー!とか奇声が聞こえた。本当にAは怖い物知らずなのだと、この時の俺は感心していた。

B「・・・・お前。あれ、見たか?」

俺「・・・・え?」

Bの顔は青ざめていた。今までに見たことの無い顔で、それは直ぐに本当にヤバイと思わせる顔だった。

俺「見たって・・・。ああ、あの花束か?」

B「違ぇーよ! 顔だよ!顔! 壁に顔があっただろうがぁ!」

Bは突然、怒ったように大きな声でそう言った。

俺「え? な、なんだよ! 何怒ってるんだよ!」

B「違う! 顔だよ! 見たろ? お前も!・・・・・おーい!!A!!!早く戻ってこーーーーい!!!!」

Bは物凄い大声で、迫真の演技をしているようにも見えたが、本気でヤバイと感じるそんな声でAを呼んだ。

B「やべぇ・・・、マジで・・・・、冗談じゃねぇーぞ・・・・」

Bは放心状態のような、口をパクパクさせながらAが戻ってくる方を見ていた。
俺はBの大声で、身体が震え上がったように動けなくなっていた。
それは、普段冷静なBがあんな大きな声を出すという事は、よほどヤバイ事だと分かったからだ。

俺「な、何があったんだよ! 言えよ! わかんねぇーよ!」

B「顔が壁にいっぱい張り付いてたんだよ! 全部笑って俺を見ていやがったんだよ! Aが戻ったらすぐに帰るぞ!」

俺「マジか! わかった! オーーーーーーーーーーーーーーーイ! Aぇぇぇぇぇえ!!!!]

俺も必死にAを呼んだ。
すると、Aのライトがチカチカとせずに、こちらへと全速力で戻ってくるのがエンジンの音でわかった。
“ゆっくり帰る”と余裕で行ったAが全速力で帰ってくるという事は、きっとAも何かを見たのだろう。

そして、Aが乗る原付のライトの明りがだんだんと大きくなり、俺達はそれを迎え入れようと止まっていたが
Aはそのまま俺達2人を全速力で通り過ぎて、キャンプ場の方へと向かって行った。

俺「・・・・・・あ」

B「俺達も行くぞ!」

俺「あ・・・・ああ・・・そう、だな・・・・」

B「おい・・・、アレ・・・」

俺「え?」

Bが、俺の後ろを指さした。俺はゆっくりと後ろを振り返った。その時だった。
トンネルの奥の方から、チカッチカッっとライトが見えた。
その瞬間、全身が総毛立ち、俺とBは無言で原付をアクセル全開で走り出した。

俺はその逃げる途中で、ずっと考えていた。それは、先程のAとすれ違う時の、Aの顔の事だった。
真っ白な顔だった。それにあんなにも姿勢を正して、口をポカーンと開けて、真っ直ぐと目を見開いていて、何かとんでもない物を見てしまったというような顔だった。
俺達に目を向ける事なく、過ぎ去ったその姿は不気味で仕方なかった。

俺「おい! B! とりあえずAを・・・・」

B「・・・・・」

Bも真っ直ぐと前を見たまま、俺の声が聞こえていないようだった。
そして、俺は少し冷静になって、何故か後ろを見てしまった。
すると、そこには。

俺「な・・・・」

そこには、安全ヘルメット? を被って作業服を着ている男が満面の笑みで、俺の2メートル後ろまで追いかけてきていた。
それは、宙に浮いていて、手足が操り人形のようにブランブランと揺らせながら、原付のフルスピードにピッタリとついてくる感じだった。
カーブに入っても、同じように曲がってブランブランとさせながらついて来た。

俺「う、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

B「!?」

Bも気づいたのか、後ろに顔を向けた。

B「わあああああああああああああああああああああああ!!!!」

そして、俺達は叫びながら山道を走り、キャンプ場へと向かった。

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