【怪文書】矛盾

矛盾

僕は矛盾したことが大嫌いだ。

矛盾。あのホコとタテの話なら皆知っているだろう。僕は初めて『矛盾』の話を本で読んだとき、とても不快な気持ちになった。モヤモヤがずっと心に残る。ストレスがたまる。

僕は、童貞だ。なぜなら、矛盾したことが嫌いだから。
婚姻関係にあり、子を望み、行為に至る、というのならば、納得できるが、婚姻関係ではなく、強く子を望んでおらず、行為に及び(この時点で矛盾だらけだ)、終いには金銭面の都合などで悲しい末路を行く場合もある。
とてつもない矛盾の塊じゃないか!

僕は、性欲を無くす努力をした。

朝が来る。起きる。夜が来る。寝る。また朝が来て起きて、夜が来て眠る。
…そんなに繰り返したくない!
どうせ朝起きても夜寝るんだし。夜寝ても朝起きるんだ。なのに僕はなにを繰り返しているんだ。

僕は睡眠欲を必死に無くそうとした。

腹が減り、物を食う。排泄し、食った物は体から出て行く。また腹が減る。腹が減る度に金を払い食料を買う。要約すると、金を排泄物に変えているだけ。
更に言うなら、働くことが排泄に直結している。労働、排泄。労働、排泄。

僕は仕事を辞めて、飲まず食わずで過ごすことにした。

少しずつ僕は世界の矛盾から遠ざかっていった。少し心がスッキリした気がした。
人間いつかは死ぬ。なのに生きている。死ぬために生きているようなものじゃないか。ゴールは死なのに、なぜ僕は生きているのだろう…
世界の矛盾から離脱して数日。僕はただ横たわり、辛うじて息をしていた。

意識が無くなる寸前、気付いた。

生きるということは矛盾だらけで、それが、かけがえのないことなのだと。

 
  • 匿名

    そして幽霊へ………

     

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