【不思議】声/HN:ボサノバ

声/HN:ボサノバ

数年前に何度も投稿、掲載して頂きました。
今回は『声』に助けられた話を書きたいと思います。

当時の私は仕事と家の往復で、休みの日は日頃の寝不足を補うため昼前まで寝ている有り様だった。
職場の同僚の恋愛談義を聞いていると不意に、『ところで彼氏おらんの?』。

別れて現在フリーなこと、元彼からDVを受けていたことあり男性恐怖がある事を話した。
その場では『美人さんなのに勿体無い』とお世辞とも憐れみとも取れる言葉で締め括られた。

季節は初夏から冬に変わり、そんな話をしたことも忘れていた。

『彼氏出来た?』
『え?仕事が彼氏かな~』
『茶化さないで。紹介したい人がいるのよ。私の彼の友達の友達なんだけど』

あまりに友達が頼んでくるし、指定された日は予定なく退屈な休日を過ごす筈だった。
友達カップルも付き添ってくれるからとダブルデートを受けた。

人懐っこい笑顔、丸っこい体つき、全身から人の善さが感じられた。
ただ、背後に誰も居ないのに何故か髪が引っ張られる感じがした。

彼は積極的でありながら紳士的態度は崩さなかった。両家公認の交際へと発展していった。

『母さん、墓参り行ってくる。ついでに掃除もしてくるから』
彼の車にのり、付いていった。

顔も知らないご先祖さま、こうしてご縁ありお参りさせて貰いました、とご挨拶を申し上げていました。
そのとき、地の底から不思議な気配あり、気を研ぎ澄ましてました。すると、

『今なら引き返せる。我が子孫だが庇う訳には行かぬ。そなたは幸福を掴める、相手を間違わぬように』

『おっしゃる意味が分かりません。どなたでしょうか』

『そなたの隣におる者の曾祖父に当たる、隣の者は重大な隠し事をしておる。家の者は正しく知らぬ事ではあるが、おおよそは把握しておる。
家の恥だが、そなたが犠牲にならずともよい、別れよ。こちらの者には儂から話をしよう。此からはそなたの清い魂を守ろう』

『どういうことでしょうか』

と、問いかけた時、彼氏が『帰るぞ、えらい長いこと話しとるな』、と話しかけてきた。

不思議な気配は消え去り 普段に戻っていた。

暫くは互いに忙しく、不思議な体験を忘れたころ。

『難儀が降りかかる、今すぐ電話せよ』

と会ったことのない彼方曾祖父の怒声が聞こえた。

何が起こっているか分からなかったが、彼の家に電話を入れた。
お母さんが出て、警察官が来て連れていかれた、と泣いている。その後、彼が釈放され話を聞いた。

内縁関係の女性を踏みつけて蔑ろにしていた、DVもやってた、と。
当時の怪我がもとで働けず、相手から話し合いたいと言われても無視していた為、被害届を出されたそうだ。

私の収入で一家の生計支え、自分のは相手に渡して秘密裡に片付ける積もりだった、と泣きながら懺悔された。

ご両親は重大な隠し事を知ることになり、その後引っ越しをされた。

私を救ってくれた彼方の曾祖父のお導きに感謝するばかりな出来事だった。

今も私の彼氏は『仕事』である。

 
  • 匿名

    守ってくれてる存在の有難さを感じました。
    今回は声として聞こえたけれど、いつも導いてくれてるような…
    感謝ですね。

     

世にも奇妙な怖い話や都市伝説から不思議体験スピリチュアルまで…オカルト小説投稿/2chまとめサイト。1万3千話超えの厳選物語を貴方に★