【心霊】動く人形/HN:いくゆみ

動く人形/HN:いくゆみ

日本人形の髪が伸びたり、動いたりする。

そんな話を聞いた事がある人はたくさんいるだろう。

人型をしたものには魂が宿りやすいらしい。

これはそんな話である。

僕の名前は梶井光太郎。

ちょっと幽霊を感じれるだけの趣味もない寂しい小学生である。

最近、興味を持ち出したのはアニメだ。

別に三次元では相手にされないから二次元で、という事ではない。

面白いものは面白いと認める。

それだけである。

一人寂しく下校途中。

僕はごみ捨て場に置いてある箱を見つけた。

普通ならばごみ捨て場に置いてあるものなど見ない。

ただ、その箱には見覚えがあった。

「これは…あけみちゃん…」

『ロボロボアイドルあけみちゃん』

これは僕がハマっているアニメだ。

ロボットでありながらアイドルを目指す女の子が人間とはどういうものかを学びながら成長していく物語である。

この箱は、そのあけみちゃんのフィギュアだった。

小学生には手の出せない高価な代物。

売っていても眺めている事しか出来ない遠い存在が今ここに。

しかも捨ててある。

いけない事と知りながら僕は持って帰った。

「ふふふ…あけみちゃんフィギュア…この出来…素晴らしい」

自分自身、気持ち悪いと思う。

でも面白くて好きなのだから仕方ない。

僕はあけみちゃんを本棚の上に飾った。

次の日。

あけみちゃんは布団で寝ている僕の横にいた。

「あれ…寝惚けて持ってきちゃったかな」

僕は相当、末期のようだ。

好き過ぎてフィギュアと添い寝をしてしまうとは。

最初は僕が寝惚けて持ってきたりしただけだと思っていた。

だけど確実に可笑しな事に気付いた。

「あけみちゃんのフィギュア…髪が伸びてる」

あけみちゃんの髪型はセミロングである。

今は完全に伸びていてロングになっていた。

女の子の髪型の変化に疎い僕でも流石に気付いた。

「こ、これって日本人形みたいに動いたり髪が伸びたりする…呪いの人形なのかな」

僕は怖くなった。

しかし両親には相談したくなかった。

別にフィギュアを飾ったりしてたからとかではない。

ピピピッ

「もしもし…健太兄ちゃん?」

一番話しやすそうな親戚の健太兄ちゃんに相談する事にした。

健太兄ちゃんに全てを話すと暫くはゲラゲラと笑っていた。

「光太郎の家の近くに神社があるだろう。あそこは人形を供養してくれる。明日にでも持って行きな」

こうして解決方法を見つけた僕はお礼を言って電話を切った。

「ね、眠い…」

気付けば23時を回っていた。

明日、神社に持って行こう。

ガタガタ

ガタガタ

「ぅうん…何か…聞こえる」

何かの物音で目が覚めかけた。

『私を捨てないで。処分しないで。見捨てないで』

目の前にあけみちゃんがいた。

「うわぁぁああああ」

僕は気を失った。

朝起きるとあけみちゃんはいなくなっていた。

[旅に出ます。探さないで下さい]

紙にそう書かれていた。

友達がいな…

少ない僕にとって、あけみちゃんは良い話相手になったかもしれない。

もし戻ってくるような事があったら…

いっぱい話そう。

 
  • 匿名

    旅に出る人形w新しいなあww

     

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