【怪文書】神の愛/HN:いくゆみ

見知らぬお婆さんに声を掛けられた。

見るからに怪しくて関わり合いたくない。

「これを持っていると神さまに愛されるんだよ」

安物っぽいキーホルダーだった。

神さまに愛される…か。

そりゃあ、さぞかし幸運になるんだろうな。

一…十…百…千…万。

一万円。

ボッタクリだろ。

その場から立ち去ろうとした。

「すいません、急いでるんで」

しかし、お婆さんは交渉してきた。

「今回は特別に五百円でどうかな?」

五百円くらいなら効果なんてなくてもいいかな。

まぁ本当に効果があるなら安く売る必要なんてないよな。

でも安物っぽくても五百円くらいはしそうなもんだ。

お婆さんに五百円を渡して、ドクロのシルバーアクセサリーのようなキーホルダーを受け取った。

「購入ありがとうございました」

キーホルダーに触れた瞬間、何か視線を感じた。

だが周りには誰も居らず、気のせいだったようである。

俺は通学用のカバンにキーホルダーをつけた。

「俺を幸運にしてくれよ。ヤバイな急がないと学校遅刻だ…」

俺はギリギリで電車に乗り遅れた。

ツイテナイ、完全に遅刻だ。

お婆さんに呼び止められなければ遅刻なんてしなかった。

もしかして…俺、不幸になってないか。

遅刻したが学校に着いた。

「今日は抜き打ちテストだ!日頃から勉強していれば簡単な問題だから焦らずやれよ」

まじかよ…走ってきて、着いたばかりでテスト。

テストに集中出来なかった。

先生は簡単だと言っていたが全く分からなかった。

ツイテナイ、完全に補習だ。

今日の授業は一時限目が『英語』の抜き打ちテスト。

二時限目は『体育』だ。

すでにクタクタな俺には最悪な時間割である。

ダラダラ出来るような授業だといいんだがな。

「今日は持久走練習だ!学校の外周を五周!終わったものから休憩してよし」

何が休憩してよしだよ…うちの学校は結構、大きい。

当然、外周の距離も長い。

速い奴なら休憩出来るだろうが平均的な俺では時間ギリギリだろう。

めんどくせぇ。

ダラダラ走って終わりまで、ゆっくりするか。

こんなん真面目にやる奴の気が知れない。

しかし今日は本当にツイテナイ。

「お…」

俺は走りながら考え事をしていた。

「おーい!」

何か聞こえた気がした。

「おい!」

この変な声は…クラスでも底辺にいる梶井か。

何なんだよ、気安く話掛やがっ…

ドガシャン

 
 
「また戻ってきてしまいましたか。私は神さまに愛されていないのかねぇ」

お婆さんは困った顔をしていた。

「神さまに愛される事が人間にとって幸運とは限らない。神さまだって嫉妬もすれば独占欲だってある。何も神さまは綺麗なもんとも限らんさね」

 
  • (・ω・)

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