【怪文書】面接にて/HN:風香

先日、ある企業の面接に行ってきた。学生8人での集団面接だった。
自己紹介と志望動機からはじまり、あたりさわりのない質疑応答が続いた。

いくつかの質問のあと、面接官が私たちにこう問いかけた。

「あなたの母親と恋人が川で溺れてしまい一人しか助けられません。
①母親、②恋人、どちらを助けますか?」

場に動揺がはしった。みな、戸惑いの色を隠せないようだ。
私もそうだった。質問の意図がわからない。
この問いに納得のいく答えなどあるはずがない。

私は抗議をしようと立ち上がった。

「黙れ!」
面接官は鋭い目で私をにらみつけ、よく通る声でこう言いはなった。
「質問への返答以外の発言はいっさい認めない」

私はくちびるを噛んで着席した。

「僕は①の母親を助けます」
右端に座っていた男子学生は口を開いた。
「理由は母親は一人しかいないから、ほかに代わりがいないから」と。
面接官はにこやかな顔でうなずいていた。
次の学生も、その次の学生もみな同様に「母親」と答えた。
おそらく年輩の面接官にとってうけのいい答えを用意したのだろう。
このバカバカしい茶番劇に呆れた。

このくだらない面接を少しでも早く終わらせようと退室しようとしたその時ーー
「待って」
隣に座っていた眼鏡をかけた女子学生が私の服をひっぱった。
「まだわからないの? 気づいて」
彼女はそっと囁いた。眼鏡の奥の知的な瞳が私を見つめる。

私は彼女の迫力に気圧され、言葉を失った。
けっきょく私と彼女は面接官の質問に答えることもなく、そのまま面接は終わった。
昨日、採用通知が届いた。

 
  • 匿名

    漫画ハンターハンターで出題された問題そのままですね
    答えとそこへ至る過程まで一緒とは、丸パクリもここまですると逆に清々しいです

     
  • 匿名

    命に優劣を付けないが正解でしたか。この不平等な世界で夢を語りましたね。

     
  • 匿名

    ただのパクリとか萎える

     
  • クロロ

    これを見た瞬間にH×Hのハンター試験編を思い出しました

     
  • 匿名

    とある漫画にもあったけど答えないようは沈黙が正解
    母親と恋人で命に優劣をつけない
    だと思う

     
  • 匿名

    解らない解けない気になる。

     

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