【怪談】線路で道連れ

私の近所にある某通勤路線は自殺の名所。

駅と踏切の400メートルほどの区間だけで、この10年間で6名のかたが亡くなっていますが、未遂に終わったのも何件かあり、友人もそのひとり。
ただし、彼には自殺するつもりはなかったそうです。

 
ある日の夜、彼が外出先からの帰途にそこを通ると、小学生の男の子が線路の上で遊んでいます。

危ないので大声で呼び掛けてもまるで聞こえない様子でしたから、連れだそうと線路の中へ入った瞬間、レールに足が貼りついたように身動きが取れなくなりました。

彼がいるのは下り線で、そばの上り線には男の子が卑屈な笑みを浮かべてこっちを睨みつつ、聞き取れない声で「◯◯◯…」と呟くと、なぜか「今ここで死んじゃったほうが楽しいかもな」と思い、恐怖感も消えてしまったそうです。

間もなくカーブの向こうから下り電車が迫ってきましたが、辛くも5メートルくらい手前で緊急停止し、友人に怪我はありませんでした。
そしてふと我に返って周りを見ると、男の子の姿がありません。

その後警察の事情聴取を受けましたが、彼と電車の運転士の供述が食い違うのです。
運転士によると、線路上に男の子はおらず、彼だけが逃げるそぶりもなく佇んでいたと話します。

ともかく電車が駅を発車した直後だったために命拾いしたわけで、フルスピードで走行中の特急や急行なら恐らく跳ねられていたとのこと。

先に6名が亡くなっていると書きましたが、こうなると催眠術にかけられたように自殺したケースも有るのかもしれません。
その意味で、友人は強運の持ち主だと思います。

以来この場所では、暗くなってから線路で遊ぶ子供を見かけても決して相手にしてはいけない、無視していろと言われています。

 
そんな事故多発地帯であれど慰霊など一切行われることはなく、おかげで悪霊は今日も獲物を待ち受けているのかもね。

 

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