【不思議】「過去」の体験

近所の山にある遊歩道には、摩可不思議な歩行者用の細いトンネルがあります。
内部は階段状で、そこを抜けるとごくまれにですが過去か未来の世界へトリップできるのです。

僕の場合では相当昔とおぼしき風景が待っていました。
建物や車を見ても、おそらく40年は遡ったようです。

不安と期待感を交錯させつつ歩いて行くと、我が家がありません。
いえ、あるのですが、写真でしか知らなかった建て直す前のものです。

その家の玄関に髪の長い女性がいます。
よく見れば、それは母親でした。

これまたアルバムでしか見たことがない若かりし姿に心踊らせながら、道を尋ねるふりをして話しかけてみれば笑顔で応じてくれます。

さらに家の中から男性が現れました。
青年顔の父親です。

会釈すると、彼は少し怪訝な表情で挨拶を返しました。
自分と同世代の両親と世間話をしながらさりげなく観察していましたが、若い親父は僕にそっくりだから、逆に彼らの目にはどう映っていたのでしょうか。

ひとつ記念撮影でもと思い、ポケットからケータイを取り出しました。
すると彼らは、それは何?と目を丸くしながら訊いてきます。
携帯用の電話機と答えたらますます驚き、ちょっと貸してよとか言いますが、使い方なんて分かるわけないよね。

ま、取り敢えずお礼をして退散、あとは街中をうろついてみることにします。
当然ながら、通行人の服装や看板など古びた風物ばかりで興味をそそりますし、現代と違って商店街が活気にあふれているのが印象的です。

そのうち腹が減ったのでレストランで食事を摂ってから、会計しようとレジで千円札を差し出そうとした瞬間、やばい!と思いました。
この時代で使える紙幣は、聖徳太子や伊藤博文だったのです。

間一髪で財布を確認すると、さいわいにも100円硬貨が10枚ほどあったので無事に支払えましたが、発行年の刻印を見咎められやしないかと内心ヒヤヒヤものでした。
でもいちおう本物のお金だからOKだよね(笑)。

他にも「過去」ならではのエピソードが沢山ありますが、長くなるので割愛します。

色々と楽しんで、さて帰ろうかとトンネルへ戻ると、なんと入り口が崩れて塞がりかかっています。
しかしトンネルを通らねばここに置き去りになってしまう。

僕は上部に開いていた僅かな隙間を必死になって手で広げ、無理矢理体を潜り込ませてどうにか抜け出しました。

死ぬほど焦りましたが、辛くも帰還を果たした僕は、泥だらけの服を母親に怒られても気になりません。
こんなお袋もけっこうきれいだったんだよなぁと苦笑いですが、それも安堵感のうち。

こんな体験はけっこうクセになりそうで、機会があればまた違う世界を覗いてみたいなと性懲りもなく考えているんです。

もしかしたら未来から訪れた人が今もそのへんを闊歩していて、僕みたいな楽しみを味わっているのかもしれませんね。

以上です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。

 
  • 匿名

    >ならではのエピソードが沢山ありますが、長くなるので割愛します。

    そこ、割愛しちゃダメだろw

     
  • 匿名

    創作でも面白い話だとは思います。
    でも、詰めが甘いかなぁ…。
    旧札が使われてて今から40年前って、主人公は20歳の人でも60歳?
    語り口調と、60歳の人の体験談としては違和感があるのかなぁ、と。
    導入部分に主人公が今何歳なのか示唆するような文章を入れればよかったかも知れないですね。

     
  • 匿名

    創作でもいい。面白かった。
    信憑性出す為に四十年くらい前の流行歌などさりげなく入れても良かったかもな。
    硬貨の年代とか突っ込まれ防止とか入れたのもいいな。

     
  • 匿名

    「バックトゥザフューチャー」と「タイムトンネル」を ちょいと かいつまんで作ったんだろうけど、糞の役にも立たん!

     
  • 匿名

    投稿者ですが、この話は創作ですよ。

     
    • 匿名

      それ言っちゃおしめえよ!!笑

       
  • バックトゥザ

    嘘をつくのは簡単だが、それを否定するのは大変だ。例えば、「ドラえもんの顔をしたカラスがいた」と言う奴の嘘を暴こうとしたら世界中のカラス全てを検証しなきゃならない。そんなの無理に決まってる。
    よって君の虚偽報告を否定出来ない。残念だ。

     

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