【奇妙】奇妙な晩餐会/HN:早坂正彦

パソコンの画面には【奇談】という心霊系のサイトが表示されていた。

真夜中にマウスをカチリ、カチリとクリックしている男は不適な笑みを浮かべパソコンを閉じる。

「これで準備は整った…」

パソコンの明かりが消え男の部屋は暗い静寂に包まれた。

 
その日、早坂正彦は足早に目的地を目指し寂しげな獣道を歩いていた。
普段から運動をしていないせいか、随分息が上がっている。

どのくらい歩いただろうか…早坂は目的地である古びれた大きな洋館に辿り着いた。

どうして早坂がこんな所に来なければならなかったのか…それは心霊話投稿サイト【奇談】においてある書き込みが事の発端だった。

【奇談】とは心霊系の話を投稿者が投稿し共有するサイトであり、管理者である地獄通信、通称【地通】が主催の投稿者たちが実際に集まり、百物語を繰り広げるという現実世界での企画だった。

勿論、誰でも参加出来るというものでは無く、地通に選ばれた投稿者のみ参加出来る会であり、早坂はその1人だった。

入り口の大きな門を通り、古びているが立派に構える扉を開けると、大きなホールが目の前に広がり、大理石のテーブル、横には皮のソファーがあり既に他の選ばれた参加者たちが集まっていた。

「どうもこんばんわ。」

殺伐とした雰囲気の中、早坂が参加者たちに挨拶をする。

長い顎髭を生やした中年の、小柄な男が最初に挨拶を返してくれた。

「こんばんわ、それから初めまして河上龍泉です。」

「あの河上先生ですか~これはどうも初めまして、早坂正彦です。」

河上先生は数々の体験談や人から聞いた心霊話を掲載している大御所だ。

そのやり取りをみていた30代半ばくらいの妖艶漂う雰囲気の女性も続いて声をかける。

「あら~あなたが早坂君ね、私は血苺よ。」

血苺先生は多彩な表現力とストーリ性重視の作品を掲載している人気絶頂の先生だ。

河上先生や血苺先生に続いて集まっていたメンバーが次々に自己紹介をはじめた。

「やぁロビンMだ…ヒヒ…ロビンでいいよ。」

背の高いボサボサ頭の陽気な男はロビン先生だった。

ロビン先生は奇抜な作風でいつも最後にどうなるかわからない緊迫した話が多くシリーズ物の話はいつも手に汗握る作品が多い。

それから今まで無言を貫き通していた小柄で可愛らしい女性が最後に挨拶をした。

「あの…コゲです宜しく。」

「これはどうも、あの物語シリーズのコゲ先生、いつも楽しく拝見させて頂いてます。」と私が挨拶するとコゲ先生は顔を赤面させ、ふらふらとソファーに腰かけてしまった。

コゲ先生は人見知りなのか照れているのだろうか。

ここに集まった面子はとても有名な心霊作家の先生方なのに、まだまだ駆け出しの自分どうして選ばれたのか…ふと奇妙な感覚に陥った。

「さて全員揃ったようだから先に進めるな。」

河上先生が呟くと皆が一斉に奥にあるドアに視線を移す。

「えっ?」私は思わず、すっとんきょうな声を上げた。

「ヒヒ…来たばかりで悪いけどテーブルにこの紙が置いてあってね。」

ロビン先生が持っていた紙には地通管理者が書いた字で…

【5人の参加者全員が集まった時奥のドアが開かれる】と書いていた。

「じゃあ私が来た時点で奥のドアは開くようになったと。」

「そういうことね…いきましょ!!」と血苺先生はスタスタ歩きだす。

全員が横一列に並んだ形になり、河上先生がドアノブを捻るとガチャっという音がしてドアが開いた。

真っ暗な部屋に大きなテーブル、そのテーブルには蝋燭が沢山立ててあり、全てに火が灯っている。

「うわぁ…」コゲ先生が声をあげる。

「どうやらここで我々に怪談をしろというのだな。」河上先生が皆を見て言った。

「ヒヒ…面白いじゃんか。」ニャリとロビン先生は笑みを浮かべ中央のテーブルの端席に腰をおろした。

続いて、血苺先生、コゲ先生、河上先生、最後に私が座る。

次の瞬間、ガチャとドアがロックされ、何処からかスピーカーの雑音が聴こえてきた。

ザーザーッ…この部屋のどこかに、内蔵されたスピーカーでもあるのだろうか…部屋の中央以外は真っ暗でわからない。

ガガガッ【皆様ハジメマシテ】機械的な声が聴こえた。

【管理者ノ地獄通信ト申シマス】

全員が固唾を呑んで機械的な声を聴いている。

【コレカラ皆様ニハ怪談ヲシテ頂キマス、シカシ怪談デアルカラニハ私ヲ満足サセナケレバイケマセン】

ピリピリとした空気が辺りを包む。

【モシ私ガツマラナイト感ジタラ全員地獄二落チマス…ソレデハ話ヲ、オ願イシマス】

「おいおい…まじかよ。」機械的な声の説明が終わると、ロビン先生が口を開いた。
ヒヒ…と笑う余裕はないようだ。

「困りましたね。」と呟いた河上先生は本気で困った様子だ。

「これも何かのお遊びよ。さあ誰から話す?」と気丈に振る舞う血苺先生。

コゲ先生にいたっては青ざめて何も喋らなかった。

結局、皆で相談して端にいるロビン先生から順番に話すことになった。

ロビン先生、血苺先生、コゲ先生、河上先生、そして私だ。

私がトリを務めるのはかなり緊張したが地通管理者を唸らせる自信作は持っているつもりだ。

最初にロビン先生の話が始まり、ロビン先生の怪談が終わると…

ザーザーッ…ピンポーン【ゴウカク】と機械的な声が聴こえた。

皆がホッと胸を撫で下ろす。

次の血苺先生、そしてコゲ先生もなんなく【ゴウカク】を頂いた。

河上先生の番になり河上先生は悩んでいるのか中々話を始めない…

「いやぁ私上がり性でして…」

河上先生、そんな呑気なこと言ってないで~語ってくださーい。と私は心の中で叫んだ。

河上先生は額からかなり汗を流していた。

最初に誰が声を上げたのかわからないが、「河上♪、河上♪、河上♪」と河上コールが入り、ロビン先生や血苺先生、恥ずかしがり屋のコゲ先生までもいつの間にか河上コールをしている。

私もいつの間にか「河上♪、河上♪」と応援していた。

意を決したのか河上先生が怪談を語り始め、見事なフィニッシュを決めた。

暫くの間がある、皆が手に汗握り地獄通信の判定を待っている。

ザーザーッガガッ…【ゴウカク】

その瞬間ワァーっと歓声が上がる。

コゲ先生は泣きながら喜んでいた。

しかし、最後に私が決めないと全員が地獄行きの刑が待っている。

私には自信作があった。

【怪談のっぺらぼう】を捻り捻ったどんでん返しの作品だ。
フィニッシュはのっぺらぼうが逆に驚かされる意外な結末。

私は勇んで語ってみせた。

 
ザーザーッガガッ…【ツマンネ】

皆がその瞬間凍りつく。

途端に床が崩れ落ち「うわぁー」と私は叫んだ。

私たち5人は奈落に落ちていった。

 
 
 
 
目が覚めると朝の日射しが眩しく、雀の鳴き声が聞こえていた。

私は寝癖のついた頭を掻きながら「なんだぁ~夢か。」と呟いた。

 
  • れつ

    他の作者さんまで出して夢だったというオチは駄作以外の何者でもないのでは?自分の作品を読み返してじっくり反省したほうがいいですよ。

     
  • 匿名

    早坂さんの作品を一通り読ませて頂き、文章力のある方だと感じました。

    ただ構成力や空間、気持ちの表現などスムーズでは無いと感じます。

    意として書かれているのでしょうか?

     
  • 0.血苺

    早坂さん、ありがとうございます!
    他の方たちと比べると私だけ、場違いで恐れ多いですが^^;

    ここに出て来る私、絶対に若くて可愛いこげさんを虐めてますね。そして、ロビンさんとかに色目を使ってウザがられてそう…

    コナンくんなんかのシチュエーションでは、最初に殺されているタイプだと思いました

     
  • 匿名

    すごい!!
    ほとんどあたりでしょうね?
    しかも周囲に気を使って全部解説しない辺りなんか風格を感じさせますね・・
    まだまだ読み取れる人、いるんだろうな。

     
  • 匿名

    早坂氏の奇妙や奇妙管理人へ抱いている気持ちや、ここの良くも悪くも有名な作者さんをどう思っているか、順位付けなど読み取ることが出来ると言うことだろうな。読み取るだけで、それが正しいかは分からんが。早坂氏は書ける人なのに、いままでよくある話の中の1パターンみたいなのを書いていたから、オリジナルな話は楽しみなんだな。次回作待ってる。

     
    • 匿名

      成る程、それにしても久々に奇妙で声出して笑ったわ。
      人気作家さんのイメージが想像出来るな。

       
  • 匿名

    わからないフリですか?
    作者さんの思惑とか意図とか入ってるっしょ。
    ごめんね
    ここまでですかね

     
  • 匿名

    これってかなりのメッセージが入ってるんじゃない?
    こげさん ロビンさんが人気作家だと思いますが
    私は、野良さん すばるさん 桃源郷さんが好きで読んでました

     
    • ああ

      どんなメッセージ?ただのパロディにしか見えないけど。
      河上出てるし、、

       
  • 匿名

    ここの作者さん達が登場なんだなw俺がご贔屓のラグトさんと、いくゆみさんがいなかったのが残念。

     
    • 匿名

      この作者、今までミステリアスな話が気に入ってたけど今回はバカミス?いまいちだった。

       

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