【不思議】私と遊んでくれた卒園生

結婚後、私は夫の転勤で、幼稚園時代に住んでいた街へ戻ってきました。
久しぶりの街は、昭和の頃と全然違って、スーパーやコンビニがあちこちに出来ていて、とても便利になっていました。

住み始めてから1年ほどたった頃、母が、私のいる街に用事があり、私と会うことになりました。
そして、母の用事のあとに、何年か振りに、私が通っていた私立の幼稚園へ行くことに決まりました

それも、せっかく住んでいた街に戻って来たのに、家族ぐるみでお世話になった園長先生の奥さんとご家族に、私がまだ挨拶をしていなかったからです。

母の用事が済んだ後、予定通り幼稚園へご挨拶へいきました。
園長先生の奥さんにも、娘さんにもとても歓迎され、昔の話や、私の同級生の現在の話で盛り上がりました。

ところが、園長先生が話をしていくうちに、かなり先生方が、私の心配をしてくれていたことがわかりました。

私は昔、塀一枚隔てた、幼稚園の隣に住んでいました。
そのため、よく幼稚園へ遊びに行っていました。
そして、先生や母の話では、幼稚園に、私と遊んでくれる男性が出入りしていたそうです。

その男性は幼稚園の卒園生で、今で言う、心の病を抱えていたそうです。
精神的に不安定な時には、感情の上がり下がりがあり、先生方が頻繁に彼の話を聞いていたそうです。

当時は今のように、そうした方を受け入れてくれる福祉施設などはあまりありませんでした。
彼にとって、話を親切に聞いてくれる先生方がいる幼稚園は、安心出来る居場所だったのかもしれません。

「あなたが誘拐されないかいつもひやひやして、なるべく長時間一緒にいないように気をつけていたのよ。」
と、園長先生の奥さんは話してくれました。

そうした方への偏見かもしれませんが、あの時にちょっとでも小柄な私が建物の隅に隠れて連れて行かれたら……
と、思うと、忙しいのに時間を削って、面倒を見てくれた先生方に感謝しています。

そして幼稚園を後にした帰りの車の中で母は、昔奥さんに、その子の卒園写真を見せてもらったと話してくれました。

「あんた全然憶えてない? その人今のあんたくらいの年齢で、良く遊んでくれてたのよ。」
「え~?そんな人いたかな~。」と、私。

続けて母が、「そうだ、その子の卒園写真を見せてもらったことがあったわよ、奥さん先生が、この子ですよって写真を指さして教えてくれて。」
「でも、なんか変だったのよね~その子だけ。」

「写りが悪いっていうか……他の子たちや先生方は普通に笑って写っていたのよ、でも……何故かその子の顔だけ、なんかボヤけて……曲がった見たいに写っていたのよね。」

幼稚園を出る前に、今その男性はどうしているのか、母が先生方に聞きましたが、その男性がどうしているのか、誰も知らないそうです。

 
もしかすると、彼は幼い頃から心に蟠り(わだかまり)があって、それが卒園写真に……彼の顔に現れてしまったのかも知れません。

 

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