【怖い話】真夜中の訪問者/HN:ロビンM

ある晩の事。深夜一時頃に龍から電話が鳴った。

相談事があるので後十分程で来るとの事。相談事を持ち込むのならアサヒを二本買ってこいと強く命じて電話を切った。

「さてと…」部屋を見渡す。

「隠さないといけない物が沢山あるな」

ピンポーン♪

呼び鈴に急かされて慌てて残りを片していると、突然ガンガン!と激しくドアを蹴る音が響いた。

「はっ?!テメー何してんだよボケ!!」

ガンガン!ガンガンガン!

「だから蹴んなや!」

俺は頭に血が昇り、大量のエロDVDを手にしたままで玄関まで走った。

ガンガン!ガンガンガン!

「くおらー!ひつこいのオンどれ!ドア蹴んなっちゅうとるんが聞こえんのかボケがあああ!!」

頭に血がのぼるとついつい関西弁が出てしまう俺だが、近所迷惑もかえりみず狂ったように蹴り続ける龍をシバき上げてやろうとドアを開けた。

「………!」

誰もいない

そんな筈は無いと廊下まで顔を出して左右を確認する。しかしやはり誰もいない。辺りは猫の子一匹居らずシーンと静まり返っている。

よく考えてみると龍の電話を切ってからまだ五分程しか経っていない。コンビニで麦酒を買う時間を計算に入れたらこの短時間でここまで来る事は考えられない。

もう一度廊下を見渡す、いない。

「ちっ!なんだイタズラかよ…」

最初に頭に浮かんだ人物(犯人)は二つ隣りの部屋に住む暗い女だった。部屋で騒ぐ度に一々苦情を言ってくる。前なんて廊下で小便しただけで警察を呼んだ程の神経質な女だ。多分奴に違いない。日頃の恨みがある筈だしあの女ならやりかね無い。てか奴しかいない。

「ちっ!」

俺はこの手の陰気でしょうもないイタズラは大嫌いだ。これがもし本当にあいつの仕業だったら女だからって絶対に容赦はしない。たらふく飲んで食ってあいつの部屋の前で「酒臭い小便」を垂れ流してやるか!…ひ…

ドアを閉めてクロックスを脱ぐ。さあ掃除の続きでもと思った次の瞬間…

ガンガン!ガンガン!ガンガン!ガンガン!ガンガン!ガンガン!ガンガン!ガンガン!ガンガン!ガンガン!ガンガン!

俺は思わず仰け反り悲鳴を上げそうになった。どう考えてもあり得ない間隔でまたドアが叩かれたからだ。

廊下に人が隠れる所なんてどこにもない。俺は確かに何度も左右を確認してからドアを閉めた。ここは三階、手摺の向こうにも隠れる事なんて出来ない筈だ。

「お、おい!ちょっと待て!龍か?龍なのかおい!」

ガンガン!ガンガン!ガンガン!ガンガン!ガンガン!ガンガン!ガンガン!ガンガン!ガンガン!ガンガン!ガンガン!ガンガン!

ドアを蹴る音が止まない

これは人間の為せる技じゃ無い。馬鹿な俺でもそれぐらいは分かる。

暫くどうするか考えていたが、調子をくれて思いきり蹴られているドアの音を聞いていると恐怖を通り越して、段々と腹が立って来た。

「いい加減に止めろし!俺が一体何をしたってんだよ!!」

俺は玄関に置いていた金属バットを手に掴むと、腹を決めてドアを思いっきり開けた。

「………!!」

しかしやはりそこには誰もいなかった。

キョロキョロと左右を確認する。

誰もいない。

見ると三つ隣りの部屋のドアが少しだけ開いている。あそこは確か浪人中の小池さんの部屋だ。俺の声に驚いて覗いているのだろう。こないだ見た時は勉強のし過ぎかゲッソリと窶れていて瓶底眼鏡が曇っていた。多分カップラーメンばかり食べてて栄養が偏っているのだろう。今にも死にそうな程顔色が悪かった。

俺はなんか無性に申し訳無い気持ちになり、小池さんの方に軽く頭を下げた。そしてもう一度左右を確認する。やはり誰もいな…ん?

「………」

ちょっと待てよ…この状況では有りがちなパターンが頭に過った。

左右を確認して誰もいないという事は、もしかしたら「上」に何かがいるのかも知れない… 俺の頭の上に…ドアノブを持つ手に力が入り掌にねっとりと汗が滲む。

一瞬で全神経が上に持っていかれる。上にいる?何かが?

ぴたん…

「何の音だ?」だが見れない。もし何かいたらどうする?殺されるかも知れない。

ぴたん… ぴたん…

それは濡れた衣服の様な物がゆらゆらと揺れて、何かに張り付く様な音だ。

ぴたん… ぴたん…

ふふ

その微かな笑い声を聞いた瞬間、俺は弾かれる様に思いっきりドアを閉めた。震える手でチェーンを掛けると、恐怖の余りドアを背に立ち尽くしてしまった。

ここに引っ越して来て半年になるがこんな事は初めてだ。噂でこの建物のどこかの部屋が事故物件だとは聞いた事はあるが、それがまさか俺の部屋だとでもいうのだろうか?

事件の内容は母親の帰りを待っていた子供が呼び鈴を母親の物だと勘違いしてドアを開けた結果、そこには精神に異常をきたしたホームレスが立っており、引き摺り出されて出刃庖丁で滅多刺しにされるという惨事があったらしい。

ピンポーン♪

不意を突かれた呼び鈴の音に心臓が止まりそうになった。玄関で聞くとやたらとボリュームが大きく感じる。

「だ、誰だ!?」もうさすがに開ける根性は無いのでドアスコープを覗いてみた。

するとレンズの向こうには合羽の様な物を着た誰かの右肩から肘の辺りまでの腕が映っていた。

「りゅ…龍か?」

返事が無い。

もう一度覗くとやはり何者かの右腕が見える。

「おい!龍なんだったら返事しろ!」

すると俺の声に反応するかの様に右腕がゆっくりと動き出した。そしてその手には刃渡り三十センチ程の出刃庖丁が握られているのが分かった。

男はその刃先をレンズにコチコチと当てながら、真っ黒に落ち窪んだ両目でこちらを覗き込んで来た。

 
ピンポーン♪

男が押したのかまた呼び鈴が鳴った。すると奥のリビングから「はーい!ちょっと待ってねー」という声がした。

それは子供の声というよりもある種機械的な声にも聞こえた。

ピンポーン♪

「お母さん待ってて今開けるから」

するとリビングから子供ぐらいの背丈をした黒い影がパタパタと足音を立てて走って来た。髪は短い…少年だろうか?

そして俺なんて居ないかの様に簡単に俺をすり抜けたその少年は、いそいそとドアのチェーンを外そうとしている。

「ば、馬鹿やめろ!開けるんじゃねぇ!それはお前の母ちゃんじゃねぇぞ殺されんぞ!開けたらダメだ!」

俺は思わずそう叫んで少年の手を掴んだ。

すると少年は不思議そうな顔をしながら俺の方を見た。少年も外にいるホームレスと同じく落ち窪んだ黒い目をしていて白目の部分が無かった。この少年も明らかにこの世の者では無い事は分かってはいたがもう今更引く訳にもいかない。

「な、そこは開けるんじゃねぇぞ!外にいるのは知らないおじさんだ、絶対に開けちゃダメだぞ分かったな!」

少年は軽く頷いた後、目線を少しずらせて俺の背後を見つめた。

ぴたん… ぴたん…

ふふ

突然背後に強烈な気配を感じ、とてつもない悪感が走った。

そして少年はにやりと笑い、確かにこう言った。

 
お母さんおかえり

 

 
目を覚ますと龍が心配そうな顔をして俺を覗き込んでいた。ズキンと後頭部に痛みが走る。俺逹は龍の呼んだ救急車で病院に来ていた。

話を聞くと、龍が来た時俺は耳から血を流して廊下に倒れていたらしい。事実俺は耳の後ろを五針縫う程の大怪我をしていた。それはまるで刃物でスパッと切られた様な傷跡だった。だがバックリと開いてはいたものの傷は見た目よりも浅く、大量出血には至らなかった。

先程の体験を龍に一通り説明していて、一つ腑に落ちない点があるのに気が付いた。

俺が聞いた笑い声は明らかに男の物では無く女性の物だった。少年はお母さんとも言った。

しかし俺は母親らしき者は見ていない。少年の母親は事件後自殺したとは聞いていたが、どうやって死んだかまではよく知らなかった。

すると事件に詳しい龍が教えてくれた。

犯人の男は少年を殺した後すぐにマンションから飛び降り、母親は事件後あの玄関のドアの上にロープを括り付けて首を吊ったらしい。

玄関でだ。せめて息子が死んだ場所で一緒に死にたかったのだろうか…

考えてみればやたらと事故物件に遭遇する俺だが、実は未だに俺はこの部屋に住み続けている。理由は家賃が破格なのと利便性がパーフェクトな事からだ。

しかし幸いな事に今回の一件から部屋で不可思議な体験をした事はない。だが時折夜中に呼び鈴が鳴り、カチカチとドアをノックする音がする。実害はないので放置しているがいつになったら成仏してくれるのだろうか…

ピンポーン♪

勿論出る気は無い。

【了】

 
  • かい

    ただ無駄に長いだけの中身のない話。
    はっきりいって駄作。この作者の話は殆どそんな作品ばかり。

     
    • 匿名

      無駄に長いの無駄はどの部分に掛かっているのだろうか。この部分が分からなければ確かな検証の上に導き出された意見なのか分からない。駄作という結論に至る経緯も書いてない。愚にもつかない誹謗中傷ということだな。

       
      • 匿名

        単に誹謗中傷したいだけの輩でしょうね。ロビン氏だけでなくコゲ氏、早坂氏のコメントにも類似した書き込みをしていました。気にせず無視しましよう。

         
  • 匿名

    立ちションし過ぎぃ~
    動物霊(ホームレス)に支配されてるから、体液や匂いは危険ッス
    舎弟にも注意を・・

     

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