【不思議】野村さん/HN:シャケ

この話は今から数年前になります。
季節は秋でした。

私がまだ小学生の時、確か三年生くらいでした。
私の家の近くに林があってそのそばに小屋があったんです。
いつの間にかその小屋は火事になって燃えてしまいましたが、かつておじいさんが住んでました。

おじいさんはめったに外には出ないのでたまにしか見かけませんでした。
名前がないと不便なので仮にそのおじいさんを野村さんとします。

野村さんは外に出ても空を眺めてしばらく立っているだけ。
私が見たおじいさんの印象はそんなどこかボケてしまったようなものでした。

たまに小屋の近くを通るとおじいさんがこちらを見て挨拶をしてくるんですが、ある日、話しかけてみることにしました。

「おじいさん、今日はいいお天気ね」
そう言うとおじいさんはニコッと笑い会釈をしました。私は続けて

「おじいさんは毎日何をやってるの?」
そう言うとおじいさんは少し間をおいて

「そうさなあ、子供らと遊んでらあ」
そう言う。子供なんていたんだと思って、

「子供さんはどこに住んでるの?」
そう言うと、

「遠いとこ」
そう返してきた。

会話はそこでストップしてしまったんですが、翌日も翌日もおじいさんと会話をした。
他愛もないような話です。好きな食べ物とか好きな動物とか。

ある曇った日、こんな質問をしてみた。
「私も子供さんと遊びたいなあ。何歳なの?」

するとひときわニコニコした顔で手招きをする。
私はおじいさんの小屋に招かれました。

おじいさんの小屋の中は狭くて煙草の匂いがしました。
部屋の真ん中に大きな円柱型のミニチュアハウス。

おじいさんはそのミニチュアハウスを指差して
「ここに住んでるの」
そう言った。

おじいさんはミニチュアハウスの扉に顔を近づけて、ノックをした。
すると中から声がした。

「おじいちゃんだ。おじいちゃんだ。おじいちゃんだよ」
そんな小さな小さな声。

扉がゆっくりとぱたっと開いたと思ったら中からかわいらしい小さな人たちがぞろぞろ出てきたんです。

そして、そこからの記憶がない。
気づくと部屋で寝てました。

起きると野村さんは「遊んでくれてありがとう」
そう言って笑いました。

記憶がなかったとき私はなにをしていたのか。わかりませんが、どうやら知らないあいだに遊んでいた。
いや、遊ばれていたようです。

そんな経験をしました。

 
  • 匿名

    かーかみこれで他の人と張り合うのやめよーよ。

     
    • 匿名

      文体が河上流だと思っていたがやはり河上か。

       

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