【心霊】謎の追跡者/HN:一條輝

これは私が数年前に体験した今でも理解できない不思議な体験です。
個人或いは団体名、場所を特定されないよう全て架空とさせて頂きます。

当時私はS県にあるE病院に看護師として勤務していました。
精神科の中の解放病棟に勤務していた私は5歳歳上の女性看護師(K子)と親しくなりました。
親しくなるにつれK子に家庭での悩みや仕事での悩みを打ち明けられるようになりました。

当時のK子は家庭でうまくいっておらず、その影響で仕事でのミスや職員や患者さんとのトラブルが絶えず悩みを抱えていました。
また仕事のミスやトラブルを家庭に持ち込み、更に家庭環境を悪くするという悪循環を招いていました。
そんなK子の相談に応じていた私とK子の距離は徐々に縮まり、所謂不倫関係になりました。当然周りに気づかれないように。

密会を重ねていくうちに休みを合わせて1泊でN県へ旅行に行くことにしました。
しかし旅行に行く当日に限って、K子の旦那が今日は一緒にいて欲しいと言ってきたそうです。K子は今日は夜勤だからと何とか誤魔化し家を出て来たそうです。
それを聞いた私は多少後ろめたさを感じながらもお互いに楽しみにしていたので、予定の時間よりも遅くなったものの目的地へ出発しました。

車中では日頃の嫌なことを忘れようと、お互いに好きな曲や当時放映されていたドラマの話で盛り上がっていました。
目的の観光ホテルに着き、夕食とお風呂を済ませくつろいでいましたが、徐々にお互い求め合うようになりました。

夜1時を過ぎた頃、窓の外から懐中電灯のような光が部屋の中を射し込んでいることに気付きました。突然の出来事にお互い「えっ?」と顔を見合せました。
その光の主は窓の外を歩いているようで、部屋の外をウロウロした後、自分たちの部屋の外で立ち止まり懐中電灯のようなで光で照らしながら部屋の中を覗き込んでいました。
K子は「きゃっ!」と小さな悲鳴をあげ布団を被りました。私は光の主を確かめようと窓に近寄りました。
するとその光の主は私と部屋の中をじっと睨んだ後、そのまま歩くようなゆっくりとしたスピードで去っていきました。

私はすぐにフロントに電話をして今起きた出来事を伝えました。するとフロントの女性からの答えは「お客様、お客様が宿泊されているお部屋にはベランダは御座いません。それにお客様そこ何階だと思っているのですか?」と冷たいものでした。
周囲に人が立ったり歩いたりできるような場所は何もなく、ましてや8階の高さを自由に移動できる人の話など聞いたことありません。

その時は遠くの光が偶々部屋に射し込み、窓に写った自分の姿に驚いたものと無理矢理納得しましたが、そんな訳の分からない体験をした後に二人とも眠れる筈もなく、一睡もできずに朝を迎えました。
後で調べてみたのですが、近くに灯台や空港はなく、遠くを照らすような昭明器具があるような施設はありませんでした。

その後某テーマパークへ出掛けることになりましたが、K子は常に周囲をキョロキョロとして落ち着かなくなりました。
訳を訊くと、「さっきから誰かにつけられているような気がする」と答えました。
私は気のせいだと言い聞かせましたが、私は呼んでいないのに「ん?今呼んだ?」と答えたり、肩を叩いたりしていないのに「何?」と答えました。

そんなことを繰り返しているうちに、K子が徐々に苛立ち「もう変な冗談やめてよ!」と完全に機嫌を損ねてしまいました。
私もそんなK子を目の当たりにしてテンションが下がり楽しくなくなりました。
暫くお互い無言が続いた後、私も背後に冷たい視線を感じるようになりました。
振り返ると雑踏の中にこちらを睨む男性の姿がありました。たぶんK子に呼び掛けていた人物でしょう。私はK子にはそのことは秘密にしていました。

時間の経過とともに少しずつK子もいつもの明るいK子に戻りましたが、私は正直あまり楽しくありませんでした。あの人物に後をつけられているような気がして。
あの2日間の出来事以来、徐々にお互いうまくいかなくなり別れることになりました。

思えば、あの謎の人物はK子の旦那の生霊 だったのでしょうか?
もうあんな気味の悪い体験はこりごりです。

 
  • 匿名

    絶妙なハズレの言葉選びだよな。

     
  • 河上不安

    河上流の文体を極めてる

     

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