無垢の恐怖/HN:クロト

僕の近所には、一人っ子の男の子が居る。
その子はまだ七歳で、夏休みにはよく遊んでいた。

その夏休みの日にいつものようにその子と遊んでると、急にその子は泣き出した。どうやら、捕まえたクワガタ虫二匹がその子の指に向かって挟んできたのだ。
結局、泣き止まなかったのでその子を家に送って、僕も家に帰ることにした。

三日後、その子から遊びの誘いがきたので僕はその子の家に向かった。
どうやらクワガタ虫はまだ飼ってたらしく、その子はエサをやっている。

あれ? 僕は思った。
確か、二匹いなかったっけ? 虫かごの中には、一匹しかいない。

「痛い!」

急にその子はそう言って悲鳴を上げた。どうやら、またクワガタ虫がその子の指を挟んだようだ。

その子は涙目で笑いながら、

「まったく、しょうがないなあ」

と言い、両指でクワガタ虫の角をちぎった。

クワガタ虫は苦痛のあまり、狂ったように部屋の中を飛び回りはじめた。

男の子は殺虫剤を手にして、クワガタ虫に吹きかけた。クワガタ虫は、あたりを迂回しながら、ポトリと床に落ちてしまった。

その子は、カッターを持って、えい! えい! と言いながらクワガタ虫の手足をちぎっていき、最後に首を切り落とした。

「あ〜、なんだか気持ちが良い〜」

僕はその光景を唖然と見て、もう一匹いたクワガタ虫は? と言った。

するとその子は、

「ああ、もう一匹のほう? あのとき、帰った後、足の指挟んできたから体、バラしちゃった。さあ、一緒に遊ぼ?」

明日からしばらく、距離をおこう。

僕は、無垢という恐怖を知った。

怖い話短編13/怖い話都市伝説etc