鰯と柊/HN:新日本霊異記

毎年節分がくると思い出す出来事です。

玄関に、柊の枝を刺した鰯の頭を飾る。魔除けとは言われるものの、実状は節分の行事のひとつで、ありふれた、ただの慣習。

そう思っている人は多かろうと存じます。迷信だと笑っている方も、そんな慣習など知らないという方もいらっしゃるでしょう。

けれど、意外とバカにしない方がいいものだったりするんです、こう言った慣習は。

まだ私が幼稚園生だった頃のことです。玄関掃除の際、母が誤って例の鰯の頭を落としてしまったことがありました。

それが魔除けの意味を持つものと重々承知していた母でしたが、まあ落としてしまったものは仕方がないと考え、処分。かわりの頭は置かずにいたそうです。

その後、父が職場で厄介ごとに見舞われる率が上がったり、記憶には全くないのですが私が転んだりぶつけたりすることが多くなったり、妹に至ってはストーブで顔を火傷したりとトラブルが続きました。

お恥ずかしい限りですが、泥棒に入られるという事態も発生しました。私の記憶にも残っている、我が家の事件簿堂々一位の出来事なので、確かです。

幸いどれも大した問題にはならず済みましたが、鰯の頭を落とし、処分した本人の母は思うところがあったようで。

鰯の頭を置き直したところ、事態は収束したそうです。

古来から伝わる魔除けはやっぱり、相応の意味と力を持つものなのだなあ、と。

今年も鰯を頬張りながらしみじみ痛感しました。

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