印鑑実話/HN:砂肝

20代で初めて上京し一人暮らしをすると決めた時、友人の旦那さんが言いました。

「印鑑は一つだけでもいいからちゃんとしたものを持ってた方がいいよ」と。

私自身はそれまで印鑑など深く考えたこともなかったので、怪訝な顔をしていると、その損害保険の仕事をしている旦那さんは更に続けます。

「事故や病気で保険金請求する人って不思議なくらい印鑑が欠けてたり、字体が薄くなって見にくい人ばっかりなんだよね」

なるほどそういうものかと思いながら、普段使っている印鑑を見ると、周りの線が二ヶ所虫食い状態でした。多少欠けていても捨てずに使い続けることがモノを大事にすることと考えていたのかもしれません。

でも確かにそれまでを振り返ると、すでに両親を亡くしているし、私自身も入院したり色々あったので、値段は高くないけど(5千円くらい)しっかりしたものを一つと、あとは安い認め印を作りました。

欠けた古いものは、ゴミ箱には捨てず、印鑑供養のため印鑑屋に引き取ってもらい。上京後、多少の紆余曲折はありながもこの22年間仕事も結婚生活もほぼ順調です。

ところで、それ以外でも印鑑の大切さを実感することがありました。

一つは会社で総務の仕事をしていた時です。経理も兼ねていたので、毎月給与天引きの為の色々な書類を目にします。

中でも目立つのは、事故や病気の為に傷病手当金を請求してくる人。複数いた中でも、ある人の印影は凄かった。周りの線も名字もはあるかないかわからないほど磨耗し、その人は入退院の繰り返しでした。

一方、いつも元気一杯で毎月多額の財形貯蓄を続けている人は、決まって大きく印影もはっきりしていました。それは、見れば見るほど目を見張るほどの違いでした。

話は変わって、身寄りのない私の叔母が入院手術の為看病に行った時、宅配便を受けとるため認め印を探したら、ぎょっとするほどのボロボロでした。叔母曰く、別に認めなんだからいいだろう、と。

私は早速説明し、新しい認めを100円ショップで買い、古い方は粗塩と一緒に半紙にくるんで、土の中に埋めました。

やれやれと思ったら、今度は主人の母が入院してる間にアパートの片付けに行ったら、すでに他界している義父のフルネームの印鑑を見つけました。これも申し合わせたかのように、周りも姓名もボロボロでした。

今更ながら、思ったものです。義父も安くても綺麗な印鑑だったら。若くして亡くならず、生活ももう少しゆとりがあったのではと。

皆さんもたまに印鑑をじっくり見て、そして朱肉をつけて押印してみて下さい。たとえそれが認めでも、少しでも欠けてあたら100円ショップのでいいから新しいものに替えましょう。

半紙がなければ、ティッシュでもいいので、粗塩を振り包み、ありがとうと言いながら土の中に埋めていただきたいのです。

ついでですが、これから実印や銀行印など作る方、象牙や水晶だけは避けた方がいいそうです。

友達に広める
つぶやく

スピリチュアル3/怖い話都市伝説etc